Photo by
hoshizoramochi
望月麗子シリーズ 完……たぶん。
春樹と麗子が旅立ったあとも、望月家の物語は続いていった。
美月は、両親の家を大切に守った。
リビングには、二人の若い頃の写真。
病院で出会った頃のもの。
結婚式のもの。
家族みんなで笑っているもの。
どの写真の中でも、春樹は少しふざけていて、麗子は呆れながら笑っていた。
ある夏の日。
孫の陽菜が、アルバムをめくりながら聞いた。
「おばあちゃんとおじいちゃんって、どんな人だったの?」
美月は微笑んだ。
「世界一、仲のいい夫婦だったよ」
「けんかしなかったの?」
「したよ。お父さんはよく怒られてた」
「想像できる!」
部屋に笑いが広がる。
「でもね、どんな時も最後には笑ってた」
陽菜は写真を見つめた。
「私も、こんな恋したい」
「できるよ」
「どうしたら?」
美月は、少し考えて答えた。
「一緒にいて、自分らしくいられる人を選ぶこと」
それは、麗子が美月に教えてくれた言葉だった。
さらに時は流れる。
陽菜も大人になった。
看護師になり、ある病院で働き始める。
初日のこと。
屋上で一人、緊張している新人男性を見つけた。
「大丈夫?」
その一言から、新しい物語が始まる。
まるで、あの日のように。
どこかで春樹が笑っている気がした。
「また始まったな」
麗子も微笑む。
愛は、受け継がれていく。
世代を超えて。
時代を超えて。
人から人へ。
望月家のアルバムは、これからもページを増やしていく。
涙のページ。
笑いのページ。
そして、たくさんの愛のページを。
本当の終わりは、誰にもわからない。
だからこそ、物語は美しい。
――望月麗子シリーズ・完
完
……たぶん。
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