年間180点の油絵を描く目標はいかに・・・
毎年かなりたくさんの作品を描くタイプだと自覚はしていますが、今年は個展やフェアへの出品スケジュールが満載で年始に「今年は年間180点の新作油絵を描くぞぉ〜!」と宣言して早くも10月下旬。
さて、現時点でどれくらい描けたかざっくり数えてみました。
約150点の新作油絵を仕上げていました。ドローイング作品を入れるとちょうど180点くらいになっていました。
もちろん、ただ描けばいいってものでもありません。
以前から1点︎に1年かけて制作してきました。昨年は一年がかりで1層ずつの画像をSNSでアップしながらカウントした結果、1点に80〜90層の油絵具を乾かしながら重ねていくスタイルになっていました。ですのでいつも、同時進行で大小50点くらいをコツコツ触っています。以前は50〜60層くらいで仕上げていましたから、むしろ多作になっていくにつれて重なる層も増えていっています。
で、最近は自分の限界かと思っていた段階になったかと思ったら、むしろ新しいアイデアが湧いてきます。
人によっていろいろでしょうが、弓手の場合は油塗れになりながら格闘してこそ次のステージに辿り着けるような気がしています。
ということで、
大量の新作を描いてきた今年。いよいよ後半の山場となる展覧会が始まります。

今月末から始まる新宿伊勢丹での個展用の作品を業者さんがアトリエまで集荷に来てくれました。
(新宿伊勢丹 弓手研平展 10/30〜11/5)



今回は新宿伊勢丹ルールで、基本的には紙媒体の案内状は作らないそうなんですが、ハガキサイズで自主的に作るのはOKとのことで、いつもより小さなDMとなりました。
まあ、今月から郵便料金も値上がりしてハガキ一枚でも85円しますから、小さなサイズでヨシとしましょう・・
・・以前は宛名も手書きしてましたが、さすがにラベル印刷にさせていただきました(弓手はノータッチでお手伝いしてもらいましたが・・)。一筆だけは手書きしています。もちろん料金別納ではなくて切手も貼って(半分くらいは記念切手ですが以前からあった切手を85円切手に交換すると手数料が100枚以上から一枚11円もして、さらに記念切手との交換は不可とのことで・・)・・
郵政民営化って・・
いろいろありつつ、


取材先は毎年この時期に行っている台湾です。
毎年この時期、つまり今年もアート台北がありますので、前入りして台中や台北で現場ドローイング作品を描いてしまおうという魂胆です。
ということは、アート台北と新宿伊勢丹個展が連続してあるので新宿用は早めに集荷に来てもらいました。


ではせっかくなので、
まずはアート台北出品作品の一部からご紹介します(台北用の作品は8月に仕上げて船便で一足早く出国しています)。

ちょうどこの作品を描いている一年の間に、前にブログでも紹介した塩崎祥平監督(映画かぞくわり脚本・監督)のドキュメンタリー番組で「現代人にとっての神様って何?」って感じのテーマでいろいろな出演者がそれぞれ興味深いお話をされてました。その一人として弓手もインタビューを受けました。
そのなかで、
「縄文人が一万年もの間、人とも自然とも争わず幸せに暮らしていた世界が、もしかしたら日本人が心の奥底で求めている理想の空間なのかも・・僕は、天国を描きたいのかな・・」
という感じで語っていました。
このことも、今年の大量の作品作りの発想と探求を支えている土台の一つであると感じています。
この作品を描きながら、縄文人への興味リスペクトが高まっていきました。

ここにも載せている作品には、実は初めての試みをしています。

林檎の木シリーズはこれまでたくさん描いてきましたが、「道」と組み合わせたのは初めてです。
「道」が出現すると人の気配を感じます。
描いていても不思議な感覚になります。絵のなかに人が登場しなくても道の存在で人の営みが感じられるって面白いと思います。もちろん弓手の描く道は、家族がバラバラにならない程度に細い土道です。そのことには長らくこだわってきました。
縄文時代にも道はありました。
その道は、おそらく、すべての縄文人が自然のなかでいい感じに幸せになれる程度のガタガタ土道だったでしょう。
「道」と「林檎の木」のコラボは現実には当たり前の風景かもしれませんが、弓手作品の中で絡ませると作者的には新しいステージに上がれたような気がしています。





アート台北には他にも大小いろいろな新作を出品します。
つづいて、
最近仕上げた新宿伊勢丹個展用の作品も一部をご紹介します。

今年の新作油絵150点目くらいになる作品群です。
どの子も1年がかりでコツコツ育ててきたわけですが、いよいよサインを入れてフィニッシュという段階になると、
「次はもっとこうしよう!、次はあんなこともしてみよう!」
って気持ちになれる時、ちゃんと仕事をしてきたなぁ〜と感じます。
創作する仕事って、いかに常にそんな気持ちを持続できているかが大事なことであるように思います。

その森の下には・・

「すべての足元には土がある、だから私は土から描く」
と、近年の弓手個展やアートフェアなどでのキャッチコピーにしています。
土はすべての生き物の土台であると考えていますが、水も同じくらいに大切な土台です。だから常に水の存在も作品には含めたい。
この作品では初めて小川とコラボしてみました。
これも現実世界では当たり前なことですが、絵描き人生と共に成長してきた絵のなかで、初めて小さな川が登場すると、道と同じく不思議な自己満足的確信のようなものを感じます。

水の上にも道的なものを描いています。

青い色にもたくさん描いてこそ見つけた手応えがあります。

大きなおにぎりって、イラスト的にただ漠然とデカいだけでは軽いパロディになってしまうので、いつものように土から描き早苗の色から稲穂が垂れるまでの色々、そして米粒のなかに梅干しも青い種から育てて梅が熟すまでの工程を描き、その後で米粒で梅干しを閉じてから海苔を描いています。もちろんその海苔も、海藻として黄緑色の段階から徐々に黒く香ばしくなるまでの色層を重ねています。
その工程をデカいサイズでも、米粒のサイズは現実サイズで描いています・・たぶん二升分くらいはあると思います。
ですので、完成したこのおにぎりからは、弓手作品的リアリズムを感じていただけるのではと思います。

額縁屋さんのお顔がチラッと見えますが、そのサイズ対比からもおにぎりの面白いデカさを感じていただけたらと思います。

このの富士山の裾野には・・

青空に堂々と頭を突き出した富士山と、その裾野では雲海の下で雨が降っています。このコラボも初めての試みです。


この豆腐も今までのなかで最大サイズです。

林檎の木と富士山の組合せも初めてです。山梨県の甲府盆地取材からイメージを膨らませた感じです・・実際には無さそうな風景ですが・・


何度か描いてきた海も土から描いていますが、そこにおにぎりを浮かべたのは初めてです。この絵には額縁も初試みで丸い額をオーダーしてみました(お値段は増し増しです)。



やっぱり道って面白い。
まだまだいろんな試みをした作品がありますが、ご興味のある方は10/30からの新宿伊勢丹へ。
さてさて、
今年の大きな発表用の新作には一区切りがついて・・

早くも来年に向けて、新たな冒険心と挑戦意欲を駆り立ててくれる作品下地群を、出張前に猛烈に描き始めました。

明日から台湾へ出張。
現場ドローイング取材をして、そのままアート台北へ突入。
アート台北の後はそのまま羽田に飛んで新宿伊勢丹搬入して個展に突入。
台北でも新宿でも、弓手式ニュー印象派ライブドローイングを予定しています。
と、いうことで・・

大量の着替えと画材を準備して、またまた長期出張してきます。
