今年2度目の17泊18日出張・後編、伊勢丹新宿個展でヒリヒリする1週間。
台湾でドローイング取材とART台北出展で9泊して、翌朝の飛行機で羽田から東京入りして伊勢丹新宿での個展の搬入陳列です。17泊18日の絵描き出張なので残りまだ8泊あります。
今年は個展やアートフェアで新作油絵をこの時点で大小150点(目標は180点、もちろん1点1年スタイルは変わらず同時進行で)描いていますが、伊勢丹新宿での個展では結果手応えを掴まなくてはなりません。
ART台北の会場で、伊勢丹新宿個展も担当してくれているみぞえ画廊のCさんが、
「ヒリヒリするようなひと月ですね〜、ワールドシリーズでドジャースも優勝しましたし、大谷くんと山本くんみたいに気合い入れて頑張りましょう!」
って言われて、
「なるほど!ほんじゃ、僕が大谷くんでCさんは山本くんってことで、大谷くんいただきー」
ってな冗談も言いつつ、2人とも今回の個展が失敗できないというプレッシャーをやわらげつつ・・
とにかく、台湾で体力的にはクタクタでしたが、強引に身体も頭も再起動させて空港へ向かいました。
幸い、台北市内の松山空港(日本統治時代に四国の松山出身の人が作った空港なので故郷の地名にしたそう)からでしたので、いつもの桃園空港よりはるかに近くて楽ちんでした。
が、
行きの関空でも預け荷物も手荷物も検査が厳しくなっていましたが、帰りの台北での検査はさらに問答無用でした。

中身を見せて簡単な英語で説明しても「NO!!」の一言と追加料金を払う窓口を指差して払ったら戻ってこい!とのこと。
とっても大事な画材ですし、これを新宿まで運ばないと週末にはライブドローイングの予定もあるので・・
まあ、伊勢丹新宿での個展に向けての厄落としだと割り切って素直にお支払いいたしました。
なんだかんだありましたが無事に搭乗。



昼過ぎに到着しましたので、いったんホテルにスーツケースを置いて、ついでにシャワーも浴びてから新宿伊勢丹へ向かいます。

伊勢丹新宿店のバックヤードは日本一の売上を誇る百貨店の規模にしてはかなり狭くて、搬入出の際は大変とのことで、しかもこの雨なので・・

Cさんは深夜便で帰国して少しだけ自宅で寝てからの合流です。でもやはり、ちょっとお疲れ顔ですね・・

多くの作家が個展をしたいと言う新宿伊勢丹ですが、弓手の前の週の作家さんは30代でバリバリの売れっ子さんだそうで、すごい結果を出されたとのことで、これまたヒリヒリするプレッシャーを感じました。

で、伊勢丹スタッフさんたちとCさんと弓手で、あーだこーだ言いながら21時くらいになんとか展示完了しました。

台北のホテルに比べると犬小屋レベルですが、不思議と落ち着きます。
爆睡。
翌朝、伊勢丹新宿個展初日です。

いよいよヒリヒリする1週間が始まりました。

伊勢丹新宿のアートギャラリーでは基本的に郵送でのDM発送はしていないそうで、今回の弓手個展も伊勢丹の顧客さんにはSNSやメール等での発信のみ。弓手個人的には、みぞえ画廊に作成してもらった伊勢丹ロゴ無しの案内ハガキをある程度は郵送しました・・しかし10月からハガキサイズでも85円に値上がりしたのもヒリヒリします・・
ですので、
昨年からインスタを中心にSNSにも力を入れてきて、ART台北の会期中にようやく1500人にフォロワーさんが増えて、この個展でもバンバン投稿やストーリーを発信しなければなりません。
ということで、Cさんにご協力いただきながら弓手スマホでバンバン撮影してもらいました。


個人情報保護法が出来た頃は百貨店などの画廊から一斉に芳名帳が消えましたが、ある程度常識的に落ち着いて、東京のど真ん中の新宿伊勢丹でも記帳は出来ます・・名前を書いたら布で隠すのと、針金で芳名帳が盗まれないように配慮はされています。

このおにぎりの絵は通路からも見える位置なのでお客さんを呼び込む招き猫的な期待も込めてここに飾りました。
何度もおにぎりの絵を描いていますが、今回のこの巨大おにぎりは今までで最大サイズです。お米で言うと二升分くらいかな。もちろん種入り梅干しも入ってます・・その上からご飯と海苔で隠れて見えなくなるのにちゃんと描かないと気がすまないので・・

アートギャラリーは6階ですが、すぐ上の7階に弓手にとって憩いのぷかぷかルームがあって、そのすぐ近くのエスカレーターから降りてくると・・

こんな感じに下りエスカレーターから弓手個展正面に出会します。写真では分かりにくいですが、ギャラリー奥の120号大作の睡蓮がひときわ目を引いてます。かなりこのルートから引き込まれて入ってくださったお客さんがありました。

サラッと会場を画像でご紹介します。










この映像はCさんが編集してくれて、あの映画かぞくわりの塩崎祥平監督が弓手アトリエで撮影編集してくれた「えかきの思考」(コロナ自粛期間に塩崎監督が泊まり込みで撮影してくれたもの)と、制作工程映像はCさんが台北滞在中にホテルで頑張ってくれました。

1000円でこのクオリティとご飯やお味噌汁も食べ放題でお茶もコーヒーも飲み放題です。
台湾帰りなので二人とも和食に飢えていたのもありますが、お米もお味噌汁もだし巻きも沁みるお味です。

これを在廊しながらコツコツ描いてました。
プレゼントし損ねたお客さま、すいません。
これはかつて毎年取り組んでいたオール手書きで手描きの弓手式年賀状スタイルですが、数年前に勝手にフェイドアウトさせていただきました・・なんせ600枚以上になって、毎年年末年始返上でこればっかりすることになってましたので・・すいません。


写真を撮り忘れましたが、久しぶりのイタメシ美味かったです。
爆睡。
個展2日目。


で、

ご馳走様でございました。
爆睡。
3日目。

初日と2日目の結果はぼちぼちでしたが、何故だか漠然とした手応えがあって不思議な感じでした。
と言うのは、
新宿伊勢丹には、ひっきりなしにお客さんが来られます(お客さん入りの写真をバシャバシャ撮るわけにいきませんが)。それも若い人からご年配まで幅広くて、どことなく皆さん上品な雰囲気をまとっておられます。一番多いのが30〜40代くらいの子育て世代で、ベビーカーを押して小さなお子さま連れのファミリーも多くて、弓手作品を真剣に観てくださいます。
と言うのも、百貨店業界では常識破りのチャレンジを新宿伊勢丹は5年ほど前からされています。普通、百貨店の美術画廊と言えば落ち着いた高級家具売場のあるフロアなどにありますが、ここはお向かいが高級ランドセル売場です。その隣りは高級子ども服売場。当然、若いお客さんが中心で今風で上質な物を求める方々です。そんな客層がランドセルや服を買いに来られた流れでアートギャラリーにも入って来られるだろうという読みが見事にハマったそうです。
伊勢丹新宿店も以前はもっと静かなフロアにギャラリーがあったそうですが、このフロアに移転した当時はご年配のお客さんから「子どもの声や泣き声がうるさい!」と苦言もあったそうです。しかしむしろ、若い息子娘さんやお孫さんといっしょにアートを鑑賞できて若い方々の感性に支持されるアート作品が注目され、現代アートを中心に幅広い客層がアート作品を買うようになり売上は爆上がりしたそうです。若い層のお客さんですから、DMハガキよりSNSなどで呼び込む方が伝わるのも合点がいきますね。
ですが逆に、
この伊勢丹新宿のアートギャラリーで個展をして結果が出ないと、現代アートとしては支持されないということにもなります。
ヒリヒリしますね〜
ということで、初の伊勢丹新宿個展ですので、基本的にスタート時は伊勢丹のお客さんはほぼ弓手作品を知らない状態です。ですが、初日2日目のお客さんの反応や弓手作品の内容やコンセプトに徐々に共感いただいたギャラリースタッフの方々や外商さんたちが、接客に本腰を入れ始めてくださるのを感じました。

これ、外商さんがお客さんに展示作品の画像をスマホ撮影して送信する際に、サイズ感をイメージしてもらうためにCさんがモノと化しています。今どきの外商さんはスマホも使いこなしておられます。
そうこうしていると、漠然と感じていた手応えが徐々に表れてきました。



たまたま入ってこられたお客さんや外商さんのお客さんに見初めていただき、いい感じになってきました。
4日目。三連休初日の土曜日。
この日は弓手式ニュー印象派ライブドローイングをします。翌日の日曜日もします。









なんと!、弓手の高校時代の同級生さまでした。
30ウン年ぶりですのでぜんぜん思い出せず失礼してしまいました。こちらの同級生さまは、他の同級生に弓手が新宿で個展している情報をSNSなどで知って伝えていただき見に来てくれたそうです。
他にも関東在住の同級生さまにも同じくSNSから知ってもらって見に来てもらえました。高校時代も絵ばかり描いていてあまり友達付き合いはしていなかったのですが、こうして声掛けしてもらえると嬉しいですね。




会場に飾った油彩作品の富士山が人気で、それらは早々にお嫁入りしましたので、ドローイングでもこの数年たくさん取材している富士山を描いてみました。
富士山ってシンプルで難しいですが、何度描いても新鮮に感じます。
5日目。3連休中日の日曜祝日、文化の日。


この日もライブドローイングが始まりました。


弓手が激しく下地作りをしつつ、IさんとNさんが画面がズレないように押さえてくれてます。



前日は新聞紙を敷いて養生していましたが、伊勢丹的に新聞紙はNGとのことで、オシャレな透明シートでの養生に変わっています。このあたりもさすが日本一の新宿伊勢丹さまです。





SNS頑張ってきて良かった〜
って、Cさんも喜んでおられました。












同じサイズの展示作品の額縁に合わせて記念撮影中。




しばらくの間、ライブ感を感じる飾り方をしました。

必ず成功させなくてはならないこの個展に駆けつけてくださいました。いつも有難うございます!

おかげさまで、この日曜日で手応えは確信に近づいています。
6日目。三連休ラストの月曜日。



この日も続々と弓手作品をお嫁入りさせていただきました。



やはり、日本一の新宿伊勢丹ってすごいです。
ホテルに帰ったら即爆睡して・・
7日目。いよいよ最終日です。




今回、弓手作品のテーマごとに説明パネルを作ったり、アトリエ映像をエンドレスで流したりして、その効果は大いにあったと感じています。


これ実は、伊勢丹のVIPなお客様ファミリーが来られて弓手作品を見初めてくださいましたが、お嬢さんが別の作品をとっても気に入ってくれたのですが、お母さまが、
「これはいりませんとこの人(Cさん)に言いなさい」
と厳しく躾言葉を言われて、悲しそうにしていたそう(この時、弓手は別のお客さんに対応中)で、そういうことならと、お嬢さんが気に入っていた青い林檎の絵を軽く挿絵風に描いてプレゼントしようということになりました。
はたして喜んでくれるでしようか・・


世界堂の紙袋はこの色紙を伊勢丹スタッフさんが急きょ買ってきてくらたのであえて・・
ですがこの色紙、滲み止めがしてないタイプでしたので、弓手のライブ用画材のクリアジェッソで下地処理して対応いたしました。
そうこうしていると、
最終日にまた来ると仰っていたお客様が約束通り来られて、ヒリヒリした商談の時間があったりして・・
最終日は普通、なんとなく暇を持て余すことがありますが、新宿伊勢丹では最後まで気の抜けない時間が続きます。



初日から海外のお客様と商談になり、一度は決まるかと思いきや、これを飾ろうと考えておられた部屋のデザイナーさんからNGがきて(デザイナーさんが絡んでいる豪邸にお住まい?)破談になりました。
ですが、
また次の日には別の海外のお客様との商談となり、今度は目出たく成立してお嫁入りが決まりました。





ほんと、最後の最後まで気の抜けないヒリヒリした1週間でした。


最終日終了。
この後バタバタと撤収作業をして疲れ果ててましたが、気持ちはとっても昂った状態でした。
ほんとに素晴らしいヒリヒリした初めての伊勢丹新宿個展となりました。
おかげさまで、弓手の絵描き人生史上最高の結果となりました。
目標としていた、新宿伊勢丹での次のオファーを、とってもいい条件でいただけました。
絵描きを生業として、弓手家の大黒柱として、大学生2人、高校生1人を養っていかなければならない者として、有り難いことです。
20代や30代や40代の若いお客さん層に支持されるかどうかが、これからの絵描き生業として重要なことですが、今風に合わせず、弓手作品のコンセプトとスタイルを貫いてそれが若い層にも響くのかが最も重要です。
インスタントな時代に、このネット投稿を含めてSNSなどで簡潔にインパクト重視で発信することがもてはやされる昨今。当たり前のことをひたすら当たり前に繰り返さないと表現できないものがあると信じて、土から描いて春夏秋冬を繰り返し100層近くの色々を重ねて、1年がかりで1枚の油絵を仕上げる弓手作品。それは今風ではありませんが、他に無いものであればインスタントな時代だからこそ響くのかもしれません。
これからもブレずに、大地にしっかりと根をはった作品作りをしていこうと思います。

ご来場くださいました皆さま、スタッフの皆さま、有難う御座いました。




さっそく来年に向けて、大量に作品作りをしていかなければなりません。
ので、先日の日曜日には・・


で、ただいまの弓手アトリエは・・

下地から制作途中の油絵キャンバス群が、大小100枚以上になりました。
ますます頑張らねば。
