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儚さの中に咲いた「幸せ」の形

『わたしの幸せな結婚1』を
        読みました。
「この嫁入りは黄泉への誘い
     か、奇跡の幸運か」
わたしはこの一文に引き込ま
れ、斎森美世という少女の物
   語に胸を震わせました。


わたしの幸せな結婚
顎木 あくみ (著)
月岡 月穂 (イラスト)

この嫁入りは黄泉への誘いか、
    奇跡の幸運か――

名家に生まれた美世は、実母
が早くに儚くなり、継母と義
  母妹に虐げられて育った。
 嫁入りを命じられたと思えば、
相手は冷酷無慈悲と噂の若き
   軍人、清霞(きよか)。
数多の婚約者候補たちが三日
と持たずに逃げ出したという
      悪評の主だった。

斬り捨てられることを覚悟し
て久堂家の門を叩いた美世の
前に現れたのは、色素の薄い
         美貌の男。
初対面で辛く当たられた美世
だけれど、実家に帰ることも
 できず日々料理を作るうちに、
少しずつ清霞と心を通わせて
         いく――。

これは、少女があいされて幸
    せになるまでの物語。

わたしの幸せな結婚
顎木 あくみ (著)
月岡 月穂 (イラスト)

虐げられた過去と希望の光
継母と義妹に心を折られなが
らも、静かに耐え続ける美世
の姿は、まるで薄氷の上を歩
          くよう。
久堂清霞のもとへ嫁ぐという
運命は、彼女にとって「死」
か「救い」かの選択だったの
         でしょう。
初めて清霞に「美味しい」と
言われた瞬間、彼女の頬を伝
う涙は、長年の孤独が溶け出
       す瞬間でした。

異能が紡ぐ絆の行方
この世界に存在する「異能」
は、美世にとって呪いのよう
に映りながらも、清霞との出
会いで「幸せの術」へと変容
          します。
二人の関係は、まるで冬の朝
焼けのようにゆっくりと色を
変えていく。料理を通じて交
わされる会話、そっと差し伸
     べられる着物──
静謐な日常の積み重ねが、心
の距離を埋めていく過程に、
わたしは思わず手元のページ
     を握りしめました。

和風ファンタジーが描く恋の
           軌跡

月岡月穂のイラストが物語に
彩りを添える中、清霞の「色
素の薄い美貌」が象徴するよ
うに、この物語はモノクロー
ムの世界に少しずつ色彩が滲
       むような趣き。
嫁入りという古い制度を軸に
しつつ、そこに現代的な「自
己肯定」のテーマを織り込ん
だ構成は、伝統と革新の調和
       そのものです。

読むほどに深まる感情の襞
「あいされて幸せになる」と
いうタイトルの逆説が示すよ
うに、美世はただ受け身の存
     在ではありません。
料理という形で自らの居場所
を築き、慎ましやかな強さで
周囲を変えていく姿に、わた
しは「幸せとは能動的に掴み
取るもの」という真実を見た
        気がします。

この物語は、傷ついた心が少
しずつ癒され、光を見いだし
ていく過程を、雪解けの如く
    繊細に描いています。
ページを閉じた時、わたしの
胸には美世と同じように、静
 かな希望の灯がともりました。

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noteがスキ
❤️になってきた。より

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