山の上では、誰も自然体でいられない
『山女日記1』
現代を生きる女性たちが、それぞれの心の傷や迷い、悩みを抱えながら山を登ることで、自分自身を見つめ直し、新たな一歩を踏み出す姿を描いた連作長編小説です。
結婚生活や家族、恋愛、過去の華やかな時代への執着など、様々な事情や葛藤を持つ女性たちが主人公で山という非日常の舞台で、彼女達それぞれの「思い」を登頂という行為を少しずつ解きほぐしていきます。
かなりな自然の中で、人と人、過去と未来、自分との対話が、暴力
登場人物達の小さな希望や前向きな気持ちを思いつつ――そんな物語です。
山女日記 1
湊かなえ(著)
あんなはずじゃなかった結婚。捨てられない華やいだ過去。払いきれない姉への劣等感。夫から切り出された別離。しばらく心離れた恋人。……真面目に、正直に、本気で生きてきた。なのに、なぜ? 誰にも言えない思いを抱いて、山を登る彼女たち、自分なりの小さな光を見抜けてゆく。 新しい景色が背中を押してくれる感動、連作長篇。
湊かなえ(著)
Amazonより
【主な登場人物(各章の主人公たち)】
• 高瀬
旅行会社の社員で、登山ツアーの担当者。複数の話で案内役や進行役として登場し、登場人物たちを見守る存在です。
• 江藤律子
百貨店勤務の30歳の女性。結婚や家族との同居問題に悩みながら、同期の由美とともに山に登る(妙高山編)。
• 由美
律子の同期。仕事や恋愛(特に不倫関係)に葛藤を抱え、自分なりの答えを模索する(火打山編)。
• 美津子
華やかな会社員時代の栄光に縛られる女性。恋人や家族、過去の自分への未練と向き合う(槍ヶ岳編)。
• 希美
医者の妻である姉に劣等感を抱く、翻訳家志望の女性。家族や進路への迷いが軸(利尻山編)。
• (名前が明かされない場合もあり)白馬岳・金時山・トンガリロ編の主人公たち
失恋や離婚を経験し、自分を取り戻したい、人生を立て直したい女性、または過去の恋人との関係に悩む女性など、それぞれ独立した悩みを持つキャラクターたち。
• 柚月
帽子デザイナー。恋人との別れをきっかけにニュージーランドの山へ(トンガリロ編)。
• 沙織
夫から離婚を切り出され、人生の再出発を目指す(安達太良山、金時山編)。妻である姉に劣等感を抱く、翻訳家志望の女性。家族や進路への迷いが軸(利尻山編)。
◉あらすじ
第1章:妙高山(みょうこうさん)
主人公は百貨店に居る30歳、江藤律子。 結婚を控えているつつも相手の家族との共存問題などに悩んでおり「本当にこの人と結婚していいのか」と葛藤している。 職場の同期・由美と山に登りながら、自分の思いと向き合う。
第2章:火打山(ひうちやま)
第1章で登場した律子の同期・由美の視点。 仕事とプライベートの解消さ、不倫関係の葛藤を抱えている。 妙高山の経験と人間関係の中で、揺れる気持ちや行動を山行で整理しようと思う。
第3章:槍ヶ岳(やりがたけ)
華やかな過去を持ちながら、その栄光にしがみついて現在見てよくな女性が主人公。恋人や家族に対する思いや、自分本来の姿を山登りを機に見つめ直す。
第4章:利尻山(りしりざん)
主人公の希美は翻訳家選択で挫折中、東京から帰郷し父親と暮らしている。 姉は医師の妻として「勝ち組」と見えている、姉妹の劣等感や人生の選択に悩みを抱えて山に登る。 利尻山の旅を通じ、姉妹の本音がぶつかり合う。
第5章:白馬岳(しろうまだけ)
夫からの離婚を受け入れ、人生を立て直そうとする沙織。登山を通し、新たな一歩を踏み出す力を得る。
第6章:安達太良山(あだたらやま)
失恋を経験したばかりの女性が、過去との決別と新たな自分を見つめるため登山に挑む。悔しさや未練を振り切り、新しい視点を得る章。
第7章:トンガリロ(ニュージーランド)
恋人と別れた帽子デザイナーの柚月。過去の思い出の地を再訪し、なぜ自分は今一人なのか、どう生きていくかを問い直す旅。
第8章 : フェスティバル・カラフェス(文庫版書き下ろし番外編)
再び希美が登場。仲間を求めて山ガールのウェブサイト「山女日記」を通じ、フェスティバルイベント「カラフェス」に参加。過去章でつながりのあった女性たちとも再会・交流し、山で得られる「一人じゃない」感覚を経験する。
✻心に残った言葉✻
「山の上では、誰も自然体でいられない。」
という登場人物の言葉です。
この一文から、山の厳しさと優しさ、そして自分自身と素直に向き合うことの大切さを強く感じました。
★感想★
主人公たちが山を登っていくたびに、まるで自分の心も少しずつ軽くなってゆくような感覚を思い出しました。
登場する女性たち、それぞれ誰にも言えない悩みや過去、葛藤を抱えています。
忙しい日々の中で、自分の心の声に耳を澄ませたい全ての大人におすすめしたい小説です。
私も山を登ることがあれば、彼女たちのために少し凛として前を向いて歩いてみたいと思った。
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自己紹介
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