現代の社会問題
『震える天秤』(染井為人著)を読んで、最初にグッときたのは、この物語がただのフィクションじゃなくて、日常の中にあるリアルな不安をまっすぐに描いていたところでした。
震える天秤
染井為人 (著)
高齢男性の運転する軽トラックがコンビニに突っ込み、店員を轢き殺す大事故が発生。
アクセルとブレーキを踏み違えたという加害者の老人は認知症を疑われている。
事故を取材するライターの俊藤律は、加害者が住んでいた奇妙な風習の残る村・埜ヶ谷村を訪ねるが……。
「この村はおかしい。皆で何かを隠している」。
関係者や村の過去を探る取材の末に、律は衝撃の真相に辿り着く――。
横溝賞出身作家が放つ迫真の社会派ミステリ!
染井為人 (著)
Amazonより
◆感想◆
主人公のライター・俊藤律が、かつて普通の人たちが暮らしていた埜ヶ谷村という閉ざされた村を取材していく過程は、とにかく引き込まれます。
村人たちのちょっと理解しがたい態度や、どこか歪んだ風習もすごく印象的でした。
特に心に残ったのは、この作品が「真犯人は誰?」みたいなミステリーにとどまらず、高齢化や交通事故といった現代の社会問題にしっかり向き合っていたところです。
もし車の技術がもっと進んで、アクセルとブレーキの踏み間違いが起きない世の中になったら、こんな悲劇も防げるのかもしれない…と、いろいろ考えさせられました。
『震える天秤』は、ただドキドキするサスペンスというだけじゃなくて、今の時代を生きる私たちにとって大事な問いを投げかけてくる作品でした。
社会的なテーマを描きながらも、最後まで一気に読ませてくれる力があって、多くの人に手に取ってもらいたい一冊です。村の中に潜む闇と、現実社会の問題が絡み合うストーリーは、まさに今という時代を映し出す鏡のように感じました。
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