運命を変える扉
『ブレイブ・ストーリー 上』
胸の中に熱いものが残りました。
正直に言うと、最初は「小学5年生の冒険ファンタジーかな」と軽い気持ちで読み始めました。けれど、物語は想像以上に重く、現実的で、そして希望に満ちていました。
ブレイブ・ストーリー上
宮部 みゆき (著)
ごく普通の小学5年生亘は、友人関係やお小遣いに悩みながらも、幸せな生活を送っていた。ある日、父から家を出て行くと告げられる。バラバラになった家族を取り戻すため、亘は異世界への旅立ちを決意した。
宮部 みゆき (著)
Amazonより
✻あらすじ✻
僕は亘。小学5年生、どこにでもいる普通の子ども――そう思っていた。
けれど父さんが家を出ていき、僕の世界は一瞬で壊れてしまったんだ。
失われた家族を取り戻すために、僕は決意した。
運命の扉を開き、異世界へと足を踏み入れることを。
そこは魔物がうごめき、剣と魔法が息づく場所。
危険も試練も待ち受けている。だけど、僕はもう逃げない。
僕には、この手で運命を切り開き、家族を取り戻す使命があるから。
さあ――これは、僕が勇者として歩み出す物語だ。
◆感想◆
主人公の亘は、ごく普通の小学生。友達との関係やお小遣いの悩みなど、子どもらしい小さな問題を抱えながら生きています。ところが突然、父親が家を出て行くという現実に直面し、幸せだと思っていた日常は一瞬で崩れ去ってしまう。この場面で、亘の気持ちに自分を重ねずにはいられませんでした。「もし私だったら、こんな状況を受け止められるだろうか」と。
そこから亘は“異世界”への扉を見つけ、家族を取り戻すために冒険の旅に出ます。この展開は本当に胸を打ちました。ファンタジー世界に飛び込んだ彼の姿は、ただの勇者物語ではなく、「現実から目をそらすのではなく、困難に立ち向かう姿勢」そのものを描いているように感じます。剣と魔法が存在する冒険の世界はワクワクさせられるのに、その根底には「現実の痛み」と「それを越えたいと願う心」がしっかり流れている。だからこそ、読みながら私自身も“試練に挑む勇者の気持ち”を味わうことができました。
また、宮部みゆきさんの描写力にはやはり圧倒されます。現実世界の息苦しさも、異世界の壮大さも、どちらも生き生きと描かれていて、ページをめくる手が止まりませんでした。特に亘の心の揺れや成長の兆しが丁寧に描かれているので、単なる冒険譚ではなく、「子どもが大人へと歩み出す物語」としても深く心に響きました。
『ブレイブ・ストーリー 上』を読み終えた今、私は「自分の人生にも扉はあるのかもしれない」と考えてしまいます。もちろん魔物や魔法は出てこないけれど、困難に直面したとき、自分がどう行動するかで未来は変えられる――そう背中を押された気がしました。
次巻への期待
「上巻」では旅立ちの決意と冒険の始まりが描かれています。次巻では、亘がどのように成長し、異世界で出会う仲間や試練を通じて何を掴んでいくのかが今から楽しみです。家族を取り戻す旅がどんな結末を迎えるのか、続きを読むのが待ちきれません。
こんな人におすすめ
• ファンタジーが好きでワクワクする冒険を楽しみたい方
• 宮部みゆきさんの作品を読んだことがあり、別の一面を味わってみたい方
• 子どもが大人へと成長していく過程を丁寧に描いた物語が好きな方
• 現実の困難に向き合う勇気を物語からもらいたい方
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自己紹介
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