恋と友情、その境界線に揺れる想い
『彼女。: 百合小説アンソロジー』
百合作品初体験でも自然に共感できました。 ゆらぐ「好き」の感情が多彩に描かれ、青崎有吾の軽快な会話からも繊細さがにじんでいました。
彼女。: 百合小説アンソロジー
相沢 沙呼 (著), 青崎 有吾 (著),
乾 くるみ (著), 織守 きょうや (著), & 3 その他
著者:相沢沙呼、青崎有吾、乾くるみ、織守きょうや、他3名
出版社:実業之日本社
発行年:2021年
ジャンル:百合小説/短編集/恋愛・青春文学
“百合”って、なんだろう。
新時代のトップランナーが贈る、全編新作アンソロジー
彼女と私、至極の関係性。“観測者"は、あなた。
珠玉の7編とそれを彩る7つのイラスト。
究極のコラボレーションが実現!
相沢沙呼「微笑の対価」/扉絵 清原紘
青崎有吾「恋澤姉妹」/扉絵 伊藤階
乾くるみ「九百十七円は高すぎる」/扉絵 郷本
織守きょうや「椿と悠」/扉絵 原百合子
斜線堂有紀「百合である値打ちもない」/扉絵 たいぼく
武田綾乃「馬鹿者の恋」/扉絵 けーしん
円居挽「上手くなるまで待って」/扉絵 toi8
カバーイラスト/100年
乾 くるみ (著), 織守 きょうや (著), & 3 その他
Amazonより
概要
7人の作家が「百合」をテーマに描いた短編アンソロジー。
それぞれの作品は独立しており、舞台もテイストも異なる。
相沢沙呼:繊細な心理描写で、友情と恋愛の狭間を描く。
青崎有吾:会話劇の巧みさを活かした、軽妙ながらも切ない物語。
乾くるみ:仕掛けのある展開で、読者の解釈を揺さぶる。
織守きょうや:幻想的かつ濃密な雰囲気で、二人の心を結ぶ。
「彼女」と呼ぶ存在に込められた意味は、ただの友人でも恋人でもなく、その中間にある「特別な誰か」。
淡い恋心から強い執着まで、幅広い“百合”の姿が集められている。
印象に残ったところ
どの作品も「彼女」という言葉が持つ多義性を強く意識している。
心に残った一節:
「彼女は友達、でもそれ以上。言葉にできない距離を、私たちは歩いている。」
友情の延長線か、恋愛の始まりか。その曖昧さがむしろリアル。
感想
百合作品に馴染みがなかった自分でも、自然に共感できた。
「好き」という言葉に含まれる揺らぎを、ここまで多彩に描けるのかと感心した。
特に青崎有吾の軽快な会話から滲み出る感情は、彼の他作を知っていると一層味わい深い。
一方で、作家ごとの個性が強いため、読後感にばらつきがあり、人によっては不揃いに感じるかもしれない。
まとめ・おすすめ
おすすめしたい人:
百合に興味はあるけれど何から読めばいいか迷っている人
友情と恋愛の間にある微妙な感情を味わいたい人
作家ごとの「百合」解釈を読み比べて楽しみたい人
全体を一言で:
「彼女」という言葉に潜む無数の“関係性”を覗ける、贅沢な短編集。次に読むなら
武田綾乃『響け!ユーフォニアム』シリーズ(友情と憧れ、恋愛感情が交錯する青春群像)
白河三兎 『わたしを知らないで』 (同じく友情と恋愛の曖昧さを描いた小説)
次の感想本
白河三兎(著『わたしを知らないで』
Kindle版

Audible版

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自己紹介
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