閉ざされた水槽の中で浮かび上がる真実
『水族館の殺人』
水族館という日常に潜む非日常のスリル。裏染天馬の偏見なき観察力にハッとさせられ、青春の軽やかさと謎解きの瑞々しさに引き込まれた。
〈裏染天馬〉シリーズ
水族館の殺人
青崎 有吾 (著)
著者:青崎有吾
出版社:東京創元社
発行年:2016/7/29
ジャンル:青春ミステリー/本格推理小説
な、なんと容疑者が11人いる!
“若き平成のエラリー・クイーン”が、今度はアリバイ崩しに挑戦
水族館の殺人
青崎 有吾 (著)
Amazonより
概要
舞台は横浜市にある小さな「丸美水族館」。
新聞部の向坂香織をはじめとする風ヶ丘高校新聞部の面々は、夏休みの取材でこの館を訪れる。だが、見学の最中に予想外の事件が発生――水槽の中で死体が発見される。
現場は密室同然の水族館。館長や職員、そして取材に訪れた高校生たちが容疑者として浮かぶなか、天才的な観察眼とマイペースな言動で周囲を翻弄する裏染天馬が事件に挑む。
水族館という閉じられた空間を舞台に、綿密なトリックと青春群像が描かれている。
主要人物
裏染天馬:アニメオタクにして観察力抜群の天才。推理の切れ味と天然ぶりのギャップが魅力。
向坂香織:新聞部の部長。冷静でしっかり者、天馬に振り回されがち。
新聞部メンバー:取材仲間として事件に巻き込まれる。
丸美水族館関係者:館長や飼育員など、事件の鍵を握る人物たち。
印象に残った言葉
天馬のセリフの一つ。
「ぼくは推理をしてるんじゃない。ただ、見えているものをそのまま言ってるだけだよ。」
この“観察”の本質を突く姿勢にハッとさせられた。
感想
水族館という日常の中に潜む非日常。その対比が鮮やかで、読んでいる自分も「事件の目撃者」になったような感覚に引き込まれた。
裏染天馬のキャラクターは、一見突飛で変人。しかし彼の言葉の端々には“ものごとを偏見なく見る力”が表れていて、読後に自分の身近な日常にも小さな謎が潜んでいるのではと考えさせられた。
また、青春小説的な軽やかさもあり、「高校生が事件に出会う」物語としての瑞々しさも魅力だった。
まとめ・おすすめ
おすすめしたい人:
・本格ミステリーの緻密なトリックが好きな人
・キャラクターの掛け合いでクスッと笑いたい人
・学園青春と推理の両方を楽しみたい人一言でまとめると:
「水族館の静謐な水槽に隠された“謎”を解き明かす、青春本格ミステリー」次に読むなら
同シリーズ前作『体育館の殺人』で裏染天馬の初登場を知るとより楽しめる。
さらに“青春×本格ミステリー”好きなら、今村昌弘『屍人荘の殺人』もおすすめ。
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