地元向けのお菓子が、観光客に売れた日。
本日はゴールデンウィーク中日ということもあり、当社で運営する南小国町総合物産館きよらカァサは、2026年に入ってから最高の売り上げとなりました。
お越しいただいた皆様、本当にありがとうございました。
何が売れたのか?
最も売れていたのは、ソフトクリームです。
連休中の売上上位の常連です。
暑い日に外を歩いて、ふと食べたくなるもの。
理屈ではなく、身体が求めるものが売れる。そういうシンプルな真実でした。
馬刺しやジャージー牛乳ドーナツ棒といったお土産らしいものも好調でした。
地元のお豆腐屋さんである吉祥さんのあげ、林檎の樹さんの究極のめろんぱんも上位にランクイン。
どちらも南小国町を代表するローカルフードです。
どこかの工場で大量生産されたものではなく、この町で丁寧に作られているものが、ちゃんと選ばれている。そのことが、素直に嬉しかったです。
少し意外だったこと
そんな中で、少し意外だったことがあります。
地元の方向けに仕入れた、ちょっと珍しいお菓子たちが売れていたのです。
「これは地元の方が日常的に買うもの」として並べていたものが、観光でお越しの方の目にも留まり、手に取っていただいた。
これは、棚を作る側としてとても嬉しい発見でした。
なぜ嬉しかったのか。
それは、「地元向け」と「観光客向け」という仕切りが、思っていたより意味を持たないということの証明だと感じたからです。
「地域のスーパー」でありたい
以前から、きよらカァサをどんな場所にしたいかを考えるとき、「地域のスーパー」という言葉が頭に浮かびます。
旅先のスーパーに立ち寄るのが好きな方は多いと思います。
地元の人が日常的に使っているスーパーに入ると、その地域の「暮らし」が見えます。何が売られているか。どんな食材が並んでいるか。何が安くて、何が高いか。
観光地では見えない、その土地のリアルがそこにある。
「これはどうやって食べるんだろう?」という食材があったり、やたらと醤油の種類が多かったり。
ちなみに、今のきよらカァサは珍しいオススメのドレッシングが沢山並んでます。野菜を売るなら一緒にオススメのドレッシングをという思いからです。
地域の物産館に並ぶ商品。その風景だけで、「ここがどんな場所か」が伝わってきます。
旅行者向けの綺麗なパッケージより、ずっとリアルな姿です。
きよらカァサが目指しているのは、まさにそういう場所です。
観光客向けのお土産屋さんではなく、地元の人が日常的に使う場所。
旅行者が立ち寄ったとき、そこに南小国の暮らしが見える場所。
「ここに来ると、南小国の今がわかる」という場所。
地元のものだけ、ではない理由
「地域の物産館なのに、なぜ外から仕入れるのか」というご意見をいただくことがあります。
これは正直な疑問だと思いますし、僕自身も考え続けてきたことです。
でも、仕入れ野菜を充実させてから、面白い変化が起きました。
外から仕入れた野菜を増やすと、日々の買い物に来る「地元の方」が増える。地元の方が増えると、結果として隣に並んでいる「地元の野菜」も、より多く手に取ってもらえるようになる。
「地元のものだけ」に固執しないことが、巡り巡って「地元の価値」を最大化させる。
この小さな矛盾の中に、地域経済の本質が隠れている気がしています。
昨日の「地元向けお菓子が観光客に売れた」という出来事も、同じ構造です。
地元の方が「いつも買うもの」として棚に並んでいるから、観光客の目には「地元の人が選んでいるもの」として映る。お土産コーナーにきれいに並べられたものより、よっぽど信頼感がある。
だから売れるのだと思います。
観光と日常が混ざり合う場所
きよらカァサの「カァサ」は、どこかの言葉で「人が集う場所」という意味らしいです。名前をつけた昔の人はすごいなと思います。
観光客の方が非日常を求めて訪れる横で、地元の方が「今日の晩ご飯のおかず」を選びながら話をしている。
そんな、観光と日常が心地よく混ざり合う棚を作ることこそが、どんな環境変化にも負けない強い場所をつくる土台になると信じています。
福岡の屋台に行くと隣に座った方と仲良くなる、みたいな感覚に近いかもしれません。
目的は違っても、同じ空間にいることで生まれる交流がある。
物産館は、地域の「今」を映す鏡
南小国町を訪れてくださる方は年間約37万人。その多くが黒川温泉を目的に来てくれています。
でも、宿を出てきよらカァサに立ち寄ってくれたとき、棚には何が並んでいるか。
春は山菜、夏はトマトやなす、秋は栗やきのこ、冬は大根や白菜。昨日なかったものが今日ある。
そして明日にはもうないかもしれない。
この「今、ここ」の感覚こそが、物産館が持つ本質的な価値だと思っています。
大手スーパーに行けば一年中同じ野菜が手に入る時代に、きよらカァサの棚は残酷なほど季節に正直です。
「今、この瞬間にしか手に入らないもの」がそこにある。その事実だけで、人はわざわざ足を運ぶ理由になる気がしています。
そして、その棚を彩るのは、早朝から山に入り、急斜面を歩いて収穫してくる農家さんたちです。
「採って、洗って、袋に詰め、値札を貼る」という地道なプロセスを経て初めて、地域の宝は「商品」として価値を持ちます。
物産館の売上が上がることは、そういう方々への還元につながっています。
明日もお待ちしています
明日もたくさんの方のご来店をお待ちしております。
こどもの日ということもあり、ちょこっとですが駄菓子コーナーなんかも用意しています。
観光のお客様も、地元の方も、ぜひきよらカァサに遊びに来てください。
おしまい。
