『無鉄砲な男と冷静な女』
太郎「ヘイ、花子! 最高の天気だな! こんな日は悪党をぶっ飛ばすにはもってこいだ。それで? 新しい仕事が来たんだって?」
花子「やっと来たわね、ヒーローさん。もう退屈で化石になるところだったわ。今回のミッションはVIPエスコート。貴族のお嬢様が山賊に狙われてるから、別邸まで送り届けてほしいの」
太郎「なるほど。つまりベビーシッターってわけだ。で、その山賊ってのは何人いる?」
花子「知る必要ある?あなたって、敵の人数を数える前に病院のベッド数を心配するタイプじゃない」
太郎「違いない。天国の受付に電話して『団体予約が入るかもしれない』って伝えとかなきゃな」
花子「神様も忙しいのよ?」
太郎「俺が送る客なら特別扱いしてくれるさ」
花子「言うわねぇ」
太郎「それで報酬は?」
花子「五千万ドル……じゃなくて五千万」
太郎「ホーリー・スモーク!そんな金額なら喜んでやるぜ! 山賊どもをハンバーガーのパティみたいに平たくしてやる!」
花子「契約成立ね。あ、そうそう。別邸まで百キロあるから一時間以内に着いてね」
太郎「……待て待て待て。今なんて言った?」
花子「百キロ。一時間以内」
太郎「それってつまり、交通ルールをゴミ箱に投げ捨ててロケットになれってことか!?」
花子「依頼人はそう考えてるみたいね」
太郎「サインする前に聞きたかったぜ!」
花子「契約書は小さい文字まで読むものよ、ヒーロー」
太郎「クソッ!まあいい。一度引き受けた仕事は最後までやる。エンジンを温めといてくれ。帰ってきたら祝杯だ!」
花子「無事に帰ってきたらね」
太郎「帰ってくるさ。だって俺の運の悪さは、悪党どもの不運よりまだマシだからな!」
