売上は増えた。それなのに、なぜ会社のお金は減っていくのか
「去年より売上は増えているんです。でも、不思議なくらいお金が残らないんですよ」
経営者から、こんな話を聞くことがあります。
売上が増えれば、会社のお金も増える。
普通に考えれば、そう思います。
ところが経営の世界では、必ずしもそうなりません。
むしろ売上が増えているのに、資金繰りが苦しくなる会社さえあります。
なぜでしょうか。
理由の一つは、私たちが「売上」という数字を重視しすぎているからだと思います。
会社では毎月、
「今月の売上はいくらだった」
「前年比105%だった」
「目標まであと500万円だ」
といった話が頻繁に出ます。
しかし、その100万円の売上から、いくら会社に残るのかまで話している会社は意外と多くありません。
100万円売って30万円残る仕事。
100万円売って5万円しか残らない仕事。
数字の上では、どちらも売上100万円です。
でも、会社にとっての価値はまったく違います。
さらに厄介なのが、「利益」と「現金」も違うということです。
商品を販売して利益が出ても、代金の入金が2カ月後なら、その間の給与や仕入代金は別のお金で払わなければなりません。
在庫を増やせば現金は商品に変わります。
設備を買えば現金が出ていきます。
借入金を返済しても現金は減ります。
つまり会社には、
「売上をつくる力」
「利益を残す力」
「現金を残す力」
という3つの力が必要なのです。
私は経営改善を考えるとき、「売上をどう増やすか」だけから考えないようにしています。
それより先に確認したいことがあります。
どの商品が利益を生んでいるのか。
どの顧客との取引が本当に会社に貢献しているのか。
無駄な経費はないか。
請求から入金まで時間がかかりすぎていないか。
人がやらなくてもいい仕事に時間と人件費を使っていないか。
こうした部分を見直すだけでも、会社に残るお金は変わります。
生成AIやDXも同じです。
AIを導入すること自体が目的ではありません。
毎月10時間かかっていた集計を2時間にする。資料作成を自動化する。二重入力をなくす。
そうして生まれた時間を、営業、顧客対応、商品開発など、価値を生み出す仕事に振り向ける。
それが利益を生むAI活用だと思います。
会社を大きくすることと、会社を強くすることは同じではありません。
売上が大きくても、常に資金繰りに追われる会社があります。
反対に、それほど売上規模が大きくなくても、利益と現金をしっかり残し、次の投資ができる会社もあります。
あなたの会社では毎月、何の数字を一番最初に見ていますか。
売上でしょうか。
それとも、利益でしょうか。
あるいは、半年後に会社にいくら現金が残っているかまで見えているでしょうか。
これからの経営で大切なのは、「いくら売ったか」だけではありません。
その売上から、何を会社に残せたのか。
経営者が見るべき数字を変えると、会社の景色も変わってくるのではないでしょうか。
経営改善・資金調達・AI活用・業務改善などのご相談は、公式ホームページをご覧ください。
▶ 伊藤弘典 公式ホームページ
