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AIを使っているだけでは、会社は変わらない

「うちの会社でもChatGPTを使い始めました」

最近、経営者の方から、このような話を聞く機会が増えました。

メールの文章を作る。長い資料を要約する。会議の議事録を整える。

確かに便利です。これまで30分かかっていた作業が、数分で終わることもあります。

しかし、ここで一つ考えたいことがあります。

そのAI活用によって、会社の経営は本当に変わったでしょうか。

AIを使う企業は増えている

企業における生成AIの利用は急速に広がっています。McKinseyの2025年調査では、回答企業の71%が少なくとも一つの業務領域で生成AIを継続的に利用していました。

それでも、多くの会社は「使い始めた段階」にあります。

一部の社員が文章を作る。詳しい社員だけが便利に使う。会社としてどれだけ成果が出たのかは分からない。

これでは、AIは高性能な文房具のままです。

見落とされている本質

AIを経営に組み込むとは、全社員にアカウントを配ることではありません。

大切なのは、「AIを使って会社の何を変えたいのか」を決めることです。

人材不足を解決したいのか。営業の提案力を高めたいのか。経営判断を速くしたいのか。問い合わせ対応を改善したいのか。

目的が違えば、使う業務も、必要なデータも、評価する数字も変わります。

目的を決めずにAIを導入すると、使うこと自体が目的になります。

AIで空いた時間を何に使うのか

私は、AI導入の成果は「何時間減ったか」だけで判断してはいけないと考えています。

たとえば、資料作成時間を月20時間減らせたとします。

その20時間を、さらに仕事を詰め込むために使うのか。

それとも、顧客の話を聞く、新しい提案を考える、若手社員を育てる、業務を改善するために使うのか。

同じ20時間でも、会社の未来は大きく変わります。

AIは人の仕事を奪う道具ではなく、人が本来取り組むべき仕事を取り戻すための道具にもなります。

会社全体で考える

IPAの「DX動向2025」では、日本企業には、社内業務だけを部分的に改善する段階から、顧客価値や事業全体を変える段階への転換が求められています。中小企業の生成AI活用が低いことも課題とされています。

だからこそ、中小企業は大企業の導入方法をそのまままねる必要はありません。

経営課題を一つ選び、小さな業務で試し、効果を測る。成功したら、社内で共有して広げる。

この積み重ねが、現実的なAI戦略になります。

もちろん、機密情報や個人情報、回答の正確性には注意が必要です。国のAI事業者ガイドラインでも、安全性や透明性、プライバシー保護などが重視されています。

経営者への問い

あなたの会社では、AIを「何のため」に使っているでしょうか。

社員をさらに忙しくするためでしょうか。

経費を減らすためだけでしょうか。

それとも、人が顧客、創造、判断、育成といった価値ある仕事に集中できる会社をつくるためでしょうか。

AIを使っている会社は、これからさらに増えるでしょう。

しかし、会社を変えられるかどうかは、AIの性能では決まりません。

どのような会社をつくりたいのか。

その答えを持つ経営者だけが、AIを本当の意味で経営戦略に変えられるのだと思います。

経営改善・資金調達・AI活用・業務改善などのご相談は、公式ホームページをご覧ください。
伊藤弘典 公式ホームページ

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