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『安全』と『安楽』やりすぎる看護に違和感を感じた夜

気持ちがモヤモヤする。

昨夜の夜勤での出来事だ。
状態が悪化している※DNR の患者さんに対して、行われた処置。
私はその一つひとつに違和感を覚えた。

※DNR とは心臓や呼吸が止まった時に蘇生処置をしないという意思表示のこと。

その患者さんは何度も「今夜が山かもしれない」という状態を繰り返しながら低空飛行で生きていた。

前日の夜勤でも※SPO2値が50台まで下がり、下顎呼吸(顎を上下させ、あえぐような呼吸)になっていた。

※SPO2とは血液中にどれくらい酸素があるかを示す指標で、正常は96~99%とされている

酸素は※リザーバーマスクで10L投与されていた。

※リザーバーマスクとは酸素を貯める袋がついたマスクで通常より高い濃度の酸素を体に届けるためのマスクである。

あの夜、SPO2が85%まで低下したため担当看護師が吸引をしていた。

モヤモヤのひとつめ。
SPO2が下がっている患者なのに、吸引時間が長かった。

看護技術では吸引時間は10~15秒とされている。
吸引は痰を除去するための医療行為であるが、周りの酸素も奪ってしまう。
そのため痰が引ききれない場合は、一旦止めて呼吸を戻すのが優先となっている。

また、気道刺激で低酸素や徐脈、粘膜損傷のリスクもある。

簡単に見えて、かなり侵襲の高い医療行為のひとつだ。

案の定、吸引が引き金となり※気道攣縮して呼吸が止まりそうになった。
※気道攣縮とは気管支の周囲の筋肉が異常収縮し、空気の通り道が狭くなる状態のこと。

担当看護師が患者さんの名前を呼び掛けながら胸を叩くと、再び呼吸を始めた。

私は主治医と家族への連絡を促した。

そして、呼吸が安定するようにバスタオルを丸めて※肩枕をした。

※気道確保のために肩の下に敷くクッションのようなもの。

モヤモヤのふたつめ。
脈を看るために布団をめくると、こんな状況なのに両手首は抑制されていた。

私は抑制帯を外した。

後で確認すると、マスクを外すのを防止するための抑制だったという。

真夜中に連絡を受けたにも関わらず、娘さんの到着はとても早かった。
連日気の抜けない状況だっただろう。
ゆっくりと休めていなかったのだろうと思う。

モヤモヤみっつめ。
担当看護師は何度も何度も病室に足を運んでいた。

長い朝を迎えて患者さんの呼吸状態は悪いながらもSPO2値が安定した。
娘さんは一旦帰宅された。

DNR だから何もしない、というわけではない。

痰を取って安楽にしてあげたいという気持ちも分かる。安全を守ろうとする気持ちも理解できる。

しかし、その行為は本当に患者さんのためだったのだろうか。

家族がDNR を決めた気持ちを尊重して、娘さんと患者さんの残された時間を大切にして欲しいと思った。

私自身、母が危篤状態で家族が集まっていた時間に医療従事者に入ってきてもらいたくなかった。
なぜか?
『それは、また別の話』

終末期看護は患者と家族が安楽に過ごせるように支えることだと思う。

“何をするか“ではなく“何をしないか“も看護だと思う。

私の感じた違和感は『その処置は本当に患者のため』だったのか、という問いだったように思う。

看護観は人それぞれであり、これが正しいというものはない。

あなたはどう考えますか?


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