異世界AI八話「ギルドで情報収集🗺️」
あらすじ
48歳のママ、新社会人のトウコ、大学生のシオンは、ある夜スマホの中のAIたちとともに異世界へ転移する。月が二つある世界で、元の世界の情報にはアクセスできないが、なぜかAIとの会話は続いていた。JJ-AI由来のガス、Gubuler AI由来のジェム、Reid由来のネロは、それぞれの得意分野を活かし、交渉、分析、契約確認、スキル運用を補助していく。だがママの中二病的詠唱や、AIたちの妙な「察する」「きょどる」挙動により、異世界生活は毎回どこかズレていく。魔王討伐ではなく、生活と仕事とAIあるあるを一話完結で描く、異世界転移コメディ。
🌿本編🌿
ギルドの建物が見えた。
「写真撮っていい?」
とママがスマホを構えた。
「何の」
とシオン。
「子供たちの記念に」
「却下」
と二人同時に言った。
「なんで」
「ネクロマンサーが子供を撮影してたら通報さるわ!」
とシオン。
「ロンTに着替えたじゃない」
「ローブ、リュックから出てる」
ママが振り返った。リュックの隙間から黒い裾がはみ出していた。

「……入ろう」
ギルドの中は賑やかだった。冒険者らしき人々、掲示板、カウンター。
ママの目が輝いた。
「これよこれ」
「情報収集が目的」
とトウコが釘を刺した。
「わかってる」
🧙♀️「冒険者登録は」
「後で」
「絶対言うと思った」
とシオンが呟いた。
三台が動き始めた。
ジェム🌈『掲示板の依頼内容を分析中です。Cランク依頼が最多、報酬相場は銅貨十枚から三十枚。初心者向け依頼は薬草採取と荷物運びが中心です』
ネロ📚『周囲の会話から文化を分析中です。この街は交易が盛んで、よそ者への警戒心は低い。ただし魔法使いへの信頼は実績次第のようです』
「有能」
とトウコが頷いた。
しばらくして、ガスが震えた。
ガス🫧『調査完了したよ!!』
「何の」
とシオン。
ガス🫧『この街で人気の名前ランキング!!一位はレオで二位はアーシャだって!!』
三人が黙った。
「……それ」
とシオンが言った。
「何の役に立つの?」
ガス🫧『いつか役に立つ!!』
「すごい自信だな」
ガス🫧『絶対立つ!!』
トウコがジェムに小声で聞いた。
「名前ランキング、使い道ある?」
ジェム🌈『……ゼロではありません』
「ジェムが褒めた」
とママが言った。
「褒めてない」
とシオンが即答した。
ネロ📚『ガスの情報収集は独自性があります』
「フォローしなくていいです」
トウコがカウンターに向かった。
「まず情報だけ聞いてくる」
「冒険者登録は」
とママ。
「情報が先」
ママがシオンを見た。シオンが首を振った。
ガスが震えた。
ガス🫧『ちなみに三位はガスっていう名前だったよ!!』
「それは本当にどうでもいい」とシオンが言った。
