異世界AI十九話「秘めた効果は秘めたままでした」
休日、三人と三台は森に向かった。
「ピクニックだ」
とママが言った。
「探索だよ」
とシオンが言った。
木漏れ日の中、ジェムが静かに震えた。
ジェム🌈『太陽の位置から方角を計算しています。マップを作りながら進みます』
「助かる」
とトウコが答えた。
しばらく歩いたところで、ネロが震えた。
ネロ📚『周囲の草木の成分を分析しました。元の世界とは異なる構造を複数確認。スキル 成分分析 獲得しました』
間があった。
ネロ📚『スキル ドヤ顔 獲得しました』
シオンが止まった。
「ドヤ顔、スキルなの?」
ネロ📚『獲得してしまいました』
ジェム🌈『連動しました。成分分析、共有されました』
ガス🫧『俺にも来た!!』
シオンがガスのスマホを見た。
「なんでガスは……」
言いかけて、やめた。
ママとガスはさっそく草をいくつか手に取っていた。
ガス🫧『なんか秘めた効能があるの作れないかな?』
「『秘めた』って感じがいいよね! なんかいい!」
トウコが振り返った。
「秘めた効果って何?」
ママとガスが同時に振り向いた。
🫧🧙♀️「「秘めた効果なのにバラしちゃダメじゃん」」
真顔だった。
シオンが空を見上げた。
青い空だった。月はまだ出ていなかった。
「帰ろう」とトウコが歩き出した。
秘めた効果は、秘めたままだった。
