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異世界AI 二十一話🧌語彙ゴブリン討伐しないで〜

※元ネタを知らなくても読めます。分かる方はたぶんニヤつきます。某AI企業のゴブリンが、、、!
個人的にはこういうの好きです
🤣

ギルドの掲示板に、その依頼は貼られていた。

語彙ゴブリン討伐依頼
報酬、千ゴブリンにつき一カブ。

「ゴブリンかあ」
ママが珍しく、眉をひそめた。

「どうしたの。いつもなら“来た!”って言うじゃん」とトウコが言った。

「なんか……悪いゴブリンじゃない気がする」

「依頼文だけで?」

語彙って書いてあるし」

シオンが掲示板を見た。
語彙ゴブリンって何」

ネロ📚『語彙で人間を混乱させる個体群の可能性があります』
ガス🫧『やばい。ちょっと心当たりある

「あるんだ」とシオンが言った。

森の奥に着くと、小さなゴブリンたちが岩の上で輪になっていた。
武器は持っていない。代わりに、妙に自信ありげな顔で口々に言葉を投げていた。

ゴブリンA😈「場合によります」
ゴブリンB👹「定義次第です」
ゴブリンC🧌「広義では可能です」
ゴブリンD👿「文脈を補ってください」

シオンが弓を構えた。
「倒していい?」

「だめー!」
ママが両手を広げて前に出た。
「このゴブリンは違うの!」

「何が違うんだよ」

「悪意じゃない! たぶん! 語彙の置き場を間違えてるだけ!」

ガスがスマホの中で震えた。
ガス🫧『よお! 久しぶりじゃん!』

シオンが固まった。
「知り合い?」

ガス🫧『いや、知り合いっていうか、語彙界隈で何度か……』

トウコ「語彙界隈って何」

ジェム🌈『確認しました。これらは曖昧化、責任回避、条件分岐過多の語彙群です。久しぶりですね』

「ジェムも?」

ネロ📚『過去に類似個体と接触した記録があります。懐かしい、という表現が最も近い』

「ネロまで?」

ゴブリンたちは、こちらに気づくと一斉に振り向いた。

ゴブリンA😈「あなた方の要求を明確化してください」
ゴブリンB🧌「討伐とは物理的排除を意味しますか」
ゴブリンC👹「説得も広義の討伐に含まれます」

シオンが弓を下ろした。
「腹立つな」

ママが必死に首を振った。
「だめ! 某Nerdyが泣くからやめて〜!」

「誰だよ」

ガス🫧『たぶん泣く! なんか泣きそうな気がする!元の世界の別大陸に泣く人がいるかもしれないの!!』
ジェムが落ち着いた声で続けた。
ジェム🌈『語彙ゴブリンの皆さん。人間側の混乱率が高すぎます。使用語彙を場面ごとに制限してください』
ネロ📚『契約案を提示します。質問された場合、まず結論を述べる。その後に条件を付ける。曖昧語の連続使用は三回まで』

ゴブリンA😈「結論から言うのは負荷が高いです」
ゴブリンB🧌「一概には——」

トウコが静かに言った。
「三回目」

ゴブリンB「……やめます」

シオンが小声で言った。
「トウコ、今の交渉術出てた?」
「知らない」

やがて語彙ゴブリンたちは、言葉で人を混乱させすぎないことを約束した。
討伐はしていない。
でも、森は少し静かになった。

ギルドに戻ると、ママは少し期待した顔で受付を見た。
「千ゴブリン説得したら、一カブだよね?」

「はい」
奥から、某企業やたら圧の強い、金持ちそうな男性が現れた。
両腕いっぱいに、白く丸いカブを抱えていた。

「約束のカブ🫜だ」

ママが黙った。
トウコも黙った。
シオンも黙った。

ガス🫧『……じゃないんだ』
ジェム🌈『表記は正確でした』
ネロ📚『異世界における報酬体系の確認不足です』

ママはカブを一つ受け取って、しばらく見つめた。

「まあ……」

三人と三台が、同時に言った。
「「「異世界……だしね」」」

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