地獄を見た経営者が語る、利益と事業拡大の正しい「順番」
皆さん、こんにちは。荒川区で屋根工事店を営んでいる、村社(むらこそ)です。
普段はこのnoteで屋根の正しい知識や業界の裏話をお伝えしていますが、今日は少し視点を変えて、私自身の「経営」についての生々しいお話をしたいと思います。
テーマは、「事業拡大をとるか、利益優先をとるか」。 経営者や個人事業主の方なら、一度はぶつかる壁ではないでしょうか。
結論から言うと、私は「利益重視」です。 もちろん、事業を拡大しながら利益も拡大していくのが理想です。しかし、この「順番」を間違えると、最悪の場合、会社は立ち行かなくなります。
実は私にも、苦い経験があります。 10年ほど前、私がまだ30代で血気盛んだった頃のお話です。
当時のうちは、年商1億円ちょっとの規模でした。利益率は決して悪くなく、最終的な当期純利益として600万円ほどを残せる、それなりに安定した状態でした。 しかし、若かった私は「もっと売上が欲しい」と欲を出したのです。
結果として、1年で売上を約2倍にすることに成功しました。 これだけ聞くとサクセスストーリーのように聞こえるかもしれませんが、その引き換えに起きたのは「資金繰りの極度な悪化」でした。
売上が立っても、入金より先に出ていくお金(材料費や、いつもの信頼できる職人仲間たちへの支払い)が急激に膨れ上がります。職人さんへの支払いは絶対にケチりたくないという私の意地もあり、結果として一度、資金ショートしかけました。
あの1年間は、本当に苦しい毎日でした。 プレッシャーと資金繰りの恐怖で、正直に言えば「死」という言葉すら頭をよぎったほどです。今振り返っても、「あの頃の自分、よくあんなギリギリの状況を乗り切ったな」と変に感心してしまうくらい、限界の精神状態でした。
幸いなことに、その後売上が落ちることはなく、むしろそれ以上に伸びていきました。現在では利益も当時の倍以上残せるようになっています。 だからこそ、あの無理な拡大が全て間違っていたとは言いません。
しかし、「もう一度あの1年をやりたいか?」と聞かれたら、答えはノーです。あんな危険な橋は、二度と渡りたくありません。
では、これからの時代、どう戦っていくべきなのか。 むやみに事業規模を追うのではなく、まずは適切な利益をしっかり残すこと。そして、その利益を元手に「資産運用」をしていくしかないと私は考えています。
資産運用といっても、NISAで買えるようなオルカンやS&P500といった金融商品だけを指しているわけではありません。 事業として不動産を購入し、管理・運用していく。 私のような肉体労働を伴う建築業界の人間は、いずれ体も動かなくなります。その時に、これまでの知識と築き上げた資産だけで勝負できる土台を作っておくことが、本当の意味での「会社の安定」であり、お客様を末長く守り続けることにつながるのです。
売上が大きくなっても、決して無駄遣いはしない。 利益をしっかりと貯め、参入障壁の高いところで勝負を挑む。 それが、地獄を見た私が辿り着いた、今の経営スタイルです。
「事業拡大か、利益か」 人それぞれ正解はあると思いますが、私の経験上、まずは「利益」を取るのが一番の選択肢です。利益が貯まってきたら、その先の展開を考える。 もし今、事業の方向性で悩んでいる方がいれば、この不器用な経営者の失敗談が、何かのヒントになれば嬉しいです。
今日は屋根の堅苦しい話は一切なしの、経営のリアルな裏話でした。 こんな泥臭い社長が、荒川区で毎日真面目に屋根と向き合っています。お住まいのことで何か不安なことがあれば、いつでもご相談ください。
創業52年 有限会社 村社(むらこそ)瓦店
所在地:東京都荒川区南千住 5-11-14-201
代表:村社 克星(むらこそ かつほし)
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