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共感できない夜がある

癒される言葉は、たくさんある。 共感できる言葉も、たくさんある。

「つらいよね」 「無理しなくていい」 「あなたはそのままでいい」

そういう言葉を読むと、 少しだけ心がゆるむ。

でも、ときどき思う。

癒されるけど、救われない。 共感できるけど、進めない。

そんな言葉も、 この世界には少なくない。

———

今は「共感」が溢れている。

誰かの悩みを言葉にして、 「わかる」と言い合う。

それはきっと悪いことじゃない。 むしろ、多くの人の支えになっている。

浅い悩みだ、なんて言うつもりはない。 その人にとっては、それも確かな苦しさだから。

でも、 ふと感じる違和感がある。

甘くて、浅い。

そんな言葉が、 少なくない気がする。

———

本当に奥にある感情は、 言葉にならないことが多い。

何がつらいのか、 自分でも説明できない。

誰かに話そうとしても、 言葉が違う気がして、やめてしまう。

結局、何も言えないまま、 夜が過ぎていく。

そんな感情は、 どこに置けばいいのだろう。

共感の言葉はたくさんあるのに、 そのどれにも うまく頷けない夜がある。

———

共感は、痛みを共有することができる。

でも、 言葉にならない感情には、 共感すら届かないことがある。

「わかるよ」と言われても、 自分でもわかっていないから。

だから静かに思う。

共感の言葉が 届かない場所も、あるのだと。

———

それでも、 無理に言葉にしなくていい夜もある。

うまく説明できないまま、 ただ重たい感情を抱えている夜。

そんな夜が、 あってもいいのかもしれない。

言葉にならない感情は、 間違っているわけじゃない。

まだ、名前がついていないだけ。

———

癒される言葉は、たくさんある。 共感できる言葉も、たくさんある。

でも、もし そのどれにも頷けない夜があったら。

それはきっと、 あなたの感情が浅いからじゃない。

むしろ逆で、 まだ言葉になっていないだけ。

声にならない感情も、 きっとここにあっていい。

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