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生活持続性を確認する基準として、生活負担率を設けてみたらどうか?

私たちは、国民の暮らしを考えるとき、平均所得や賃金の増減を見て、生活が良くなったのか、悪くなったのかを判断しがちです。

しかし、本当に見るべき数字は、所得の額そのものなのでしょうか。

たとえば、同じ年収であっても、家賃を支払っている方と持ち家の方とでは、生活にかかる負担は異なります。扶養するご家族の人数も、医療費も、光熱費も違います。高齢者の方であれば、給与ではなく年金が主な所得になります。

さらに、表面上は生活できているように見えても、実際には毎月の不足分を預貯金から補っている世帯もあります。

そのような状態を、単に「所得がある」と表現してよいのでしょうか。

所得だけでは生活費を賄えず、資産を取り崩しながら暮らしているのであれば、それは現在の所得の範囲内では生活を維持できていないということになります。預貯金の取り崩しは収入ではありません。過去に蓄えた資産を、現在の不足に充てている状態です。

そう考えますと、国民の生活水準を測るために必要なのは、年収が何万円以下の方が何人いるかという統計だけではないように思われます。

本当に見るべきなのは、給与や年金などを含む可処分所得に対して、食費、住居費、光熱費、医療費、通信費など、生活するうえで避けにくい支出がどの程度を占めているのか、という点ではないでしょうか。

さらに、所得だけでは賄えなかった不足額を、預貯金の取り崩しや借入によってどの程度補っているのかも、あわせて確認する必要があります。

つまり、私たちが問うべきなのは、「いくら所得があるのか」だけではなく、「その所得の範囲内で生活を維持できているのか」ということではないでしょうか。

そこで今回は、生活必需支出が可処分所得に占める割合を「生活維持負担率」とし、所得だけでは足りない部分を「生活赤字」、その赤字を現在の資産で何年間補えるのかを「資産耐久年数」として捉えてみました。

以下に掲載するPDFとスライドは、この考え方を、現在公表されている日本の家計統計に当てはめ、どこまで数値化できるのかを試みたものです。

日本全体の詳細な分布を正確に算出するためには、政府統計の個票集計が必要です。しかし、公表されている資料だけでも、平均所得や貧困率だけでは見えにくかった、生活の内部で進む資産の取り崩しを、ある程度は確認することができます。



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