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#100 能・狂言・相撲と「諸行無常」のお話【ご住職(お坊さん)・大久保先生・日本】

さいとう【以下「さ」】:みなさん、こんにちは。『うれしい たのしい 日本語 さいちゃんねる』日本語教師の さいとう あきひと です。この番組は日本語を勉強している人と日本に関わるすべての人にお送りしています。
はい、2月の後半(こうはん)、ついにこの番組は100回目を迎えました。

大久保(おおくぼ)先生【以下「お」】パチパチパチパチ

さ:ありがとうございます。そしてパチパチパチと聞こえておりますが、前半(ぜんはん)に引き続いて、お坊(ぼう)さんをなさっています大久保(おおくぼ)先生に来ていただきました。大久保先生ありがとうござい(い)ます。

お:よろしくお願(ねが)いします。

さ:よろしくお願(ねが)いします。100回目は絶対(ぜったい)先生に来てもらおうと思っていたので、願いが叶(かな)いました。

お: 大変光栄(こうえい)でございます。

さ:いいえ、こちらこそ。いいことがありそうです。

お: ありがとうございます。本当にそう願(ねが)っております。

さ:で、前回99回目は、先生が今のこの2026年感じていらっしゃいますオーバーツーリズムの問題(もんだい)から、ちょっとね、世間(せけん)で言われてるのとは違う角度(かくど)からお話をしていただいて。いろいろ考えさせられました。あ、あとあの、「執着(しゅうちゃく)」、仏教(ぶっきょう)用語(ようご)では「執着(しゅうじゃく)」っていう精神的(せいしんてき)な面からのお話もしていただいて、ありがとうございます。

お: ありがとうございます。

さ: あと太鼓(たいこ)の話。

お:そうですね。

さ:先生が見に行かれて、まさかご自身(じしん)でもやってしまうという。

お: そして今、指(ゆび)の使い方で苦労(くろう)していると。

さ: あ、そうなんですね。やっぱり。熱(あつ)い太鼓(たいこ)のお話をありがとうございました。で、今回記念(きねん)すべき100回目となりますが、100回目では太鼓以外(いがい)に先生が見に行かれて、すごくまたはまっていらっしゃる、能(のう)、それから狂言(きょうげん)っていうね、日本の文化(ぶんか)がありますけれども、そのお話と、あとお相撲(すもう)にも、はまっているということで。

お: そうですね。

さ: 本当に多趣味(たしゅみ)ですよね。

お: 本当に周(まわ)りの方のおかげですね。あの、自分でというよりは、あの、誘(さそ)ってくださる方、お声かけてくださる方がいて、それがきっかけで、あの、その世界に触(ふ)れたという感じなので、もう本当に皆さんのおかげです。

さ: もともと先生、いろんなところにこう行かれたりとかいろんなこと興味(きょうみ)持たれたりとか、前回の時もいろんなお話してくださったと思うんですけど、それにさらに趣味(しゅみ)が増(ふ)えて。

お: そうなんです。

さ:大変じゃないんですか?

お: すごくなんか楽しい感じはしていて、ま、あの、見に行くのがそんなにこう頻繁(ひんぱん)ではないっていうのもあるんですけど、能(のう)と狂言(きょうげん)は、あの国立能楽堂(こくりつのうがくどう)っていうところが、あの、ありまして、で、そこであの、やっているものを見に行ったんですけど、あの、歌舞伎(かぶき)はけっこう子供の頃からあの、機会(きかい)があって、周りにあの、連れてってくださる方々がいたので、ちょこちょこ見たことはあったんですけど、能(のう)と狂言(きょうげん)は、そのテレビとか動画(どうが)では見てたんですけど、実際(じっさい)に見に行ったことっていうのはなくて、それも今回その一番親しい、あの、本当に、あの大好きな友人(ゆうじん)がいるんですけど、その友人に誘(さそ)ってもらって、見に行ったのがきっかけで。ま、と言っても2回だけなんですけど、まだ。でもそれがもうすごく衝撃的(しょうげきてき)なすばらしさでしたね。

さ: そうですか。なんか能(のう)とか狂言(きょうげん)とかって、日本語勉強してる人の中には何だろうっていう人もいると思うんですけど、ま、皆さんちょっとその辺(へん)は調べてみてください。

お: そう。ここね、本当にあの、皆さんあの、知りたいこといっぱいあると思うんですけど、ものすごい長くなってしまって、それをまた私も語(かた)り尽(つ)くせるほどのあれがないので、皆さんそのちょっと詳(くわ)しいところはあの、調べていただいて。でもあの、太鼓(たいこ)と同じで、たぶん見に行くのが一番いい気がします。

さ: うん。そうですよね。言葉(ことば)で言うのはけっこう難(むずか)しいと思いますけど。

お: 本当にあの、なんか歌舞伎(かぶき)とその能(のう)と狂言(きょうげん)って同じジャンルっていうイメージも、けっこうある方も多いと思うんですけど、なんか実際見てみると全然違うものっていうのが、私一番印象(いんしょう)に残ったところで。

さ: なるほど。けっこうその、日本語を勉強している人たちにとっては歌舞伎(かぶき)って、けっこう聞くと思うんですよね。あの、日本語の問題(もんだい)にも「歌舞伎を見たことがありますか」とか。ま、その歌舞伎にもこう繋(つな)がるんですかね。繋がるお芝居(おしばい)っていうかそういうふうに考えてもらって聞いてもらったらいいかなと思うんですけど、詳しくはね、動画とかちょっと見てみて、調べてみてください。

お: 歌舞伎(かぶき)って見たことある方は、たぶんその華(はな)やかさとか、あの、迫力(はくりょく)とか、そういうのがたぶん一番こうあの、印象(いんしょう)に残ることだと思うんですけど、能(のう)と狂言(きょうげん)はすごく洗練(せんれん)された感じで、あの抑(おさ)えてるんですよね。いろんなことを。衣装(いしょう)の色合いとか舞台(ぶたい)の装置(そうち)とかっていうのも、あの本当にこう控(ひか)えめというかちょっと落ち着いた抑(おさ)えた感じなんですけど、その中で、すごいたくさんのことが表現(ひょうげん)されてたり、あの、魅力(みりょく)が、きっしり詰(つ)まってるような感じなんですよね。
是非(ぜひ)能(のう)と狂言(きょうげん)を実際(じっさい)に見て欲しいと思います。そしたらなんか「侘(わ)び寂(さ)び」って言葉では説明(せつめい)できないですけど、こういうものを指(さ)すのかなっていうのが、たぶんわかるんじゃないかなって感じました。

さ: じゃ、その能(のう)とか狂言(きょうげん)を先生が見られて、一番「ここがいい」って思ったのはどんな点(てん)ですか?

お: あの、実はですね、音楽(おんがく)を奏(かな)でてる方たちの印象(いんしょう)がすごく強かった。

さ: あ、生の演奏(えんそう)をしてますよね。

お: そうなんです。舞台上(ぶたいじょう)で。あの、

さ: 後ろのほうとかですかね。

お: そうですね。舞台のその演者(えんじゃ)の人の後ろのところで。あの、音楽(おんがく)を奏(かな)でる人たちがこう座ってるんですけど、それはその時によって、あの、その場面(ばめん)によってとか、そのお話によって出てくる方のあの人数(にんずう)とか使う楽器(がっき)の種類が変わるんですけど。その、例えば動画(どうが)とかテレビで見るときって、たぶんその登場(とうじょう)人物(じんぶつ)、演じ手(えんじて)の人のほうにたぶんこう、焦点(しょうてん)が当たってるというか。
なので、そういう視点(してん)で見ることが多かったんですけど、その実際その場で見ると、けっこうその奥(おく)にいる音楽の方たちが、あの、すごいなと思ったんですね。
で、それ何がすごいかって言うと、プロの方たちにとっては当たり前のことかもしれないんですけど、間(ま)の取り方とか合わせ方が本当にすごかったんですね。それは前回の、実は太鼓(たいこ)の話にも通(つう)ずるもので、まさにそれでした。あの、どのタイミングで始めるかとか、こう、この音を入れるかみたいなのも、本当にこう目配(めくば)せもしてないですし、お互いたぶん見えてない状態(じょうたい)、お互いを見えてない位置(いち)にいても、「全部揃(そろ)うんですよね。

さ:なんでしょうね。

お: 本当にそこが私もすごいなと思って、それがたぶん皆さんこう日々あの鍛錬(たんれん)されて、練習(れんしゅう)されて稽古(けいこ)(を積)まれてきた成果(せいか)なんだろうなっていうのもありましたし、あと、こう所作(しょさ)がもう驚(おどろ)くほど綺麗(きれい)で。

さ: 所作(しょさ)とは。

お: 動き。動き、あの、たぶん日本のその、なんて言うんでしょう。伝統的(でんとうてき)なものだと、だいたいその動きが茶道(さどう)でも、ま、お坊さんの世界の法要(ほうよう)でもそうですけど、あの、決められた所作(しょさ)っていうのが、動きっていうのが、だいたいあるかなと思うんですけど、それがすごく美(うつく)しいですね。
で、その演(えん)じてる登場(とうじょう)人物(じんぶつ)の皆さんの所作(しょさ)も、もちろんすごく美しいんですけど、音楽をその、奏(かな)でる方たちの、例えば手の動きですね。あの、演奏(えんそう)して、で、自分のパートはちょっと待ちになったときとかは、あの、手を、これも動画(どうが)で見ていただいたらいいと思うんですけど、手をこう袴(はかま)の、あの、ところにこう入れる、入れるんですね。

さ: ああ、袴(はかま)ってあの、

お: あの、下に着てる、はいてる、

さ:いわゆるズボンの位置に履(は)いてるものですね。

お: そうですね。そこのところに、こう少しこう入れるようなかんじで。

さ:あ、手を入れる。へえ。

お: で、それも皆さん揃(そろ)ってて、で、何かあの、自分のパートが始まるので、こう手を出して楽器(がっき)を取る時の、この動きとかっていうのがものすごく洗練(せんれん)された動きをされていて。
なので、あの、もう全てにおいてその、もちろん技術(ぎじゅつ)とかも素晴らしいんだと思いますけど、そういうのだけではなくて、もう動き、佇(たたず)まい、雰囲気(ふんいき)が、全てこう、一緒になってあの空間(くうかん)というか、あれをこう形作(かたちづく)っているっていうのがすごく印象(いんしょう)に残りましたね。

さ: どうやって練習(れんしゅう)するんですかね?

お: それが本当に私も興味(きょうみ)があって、動画(どうが)でいろいろ見てしまいました。

さ: あ、出てるんですか? 練習(れんしゅう)風景(ふうけい)みたいな。

お: そうなんです。練習風景とか、あとそのいろいろ記事(きじ)になってネットの記事になってて、いろんな疑問(ぎもん)にそのプロの方が答えてるようなものもあったり。
で、あの、舞台上(ぶたいじょう)のその奥(おく)のところにあの、松(まつ)の絵(え)がかいてあるんですけど、背景(はいけい)のところに。

さ: 松(まつ)っていう木(き)ですよね。

お: 木のね、あの、絵がかいてあって、で、そこはけっこう皆さんいろんな映像(えいぞう)とか画像(がぞう)で見(み)たことがあると思うんですけど。なんかその前にあの、こう音楽(おんがく)を奏(かな)でる方たちがい(る)っていう感じなんですけど、あの、そこにいるのに、すごく存在感(そんざいかん)があるのに、他(ほか)を邪魔(じゃま)しないような雰囲気(ふんいき)を出してるっていうのが、ちょっと言葉(ことば)でうまく言(い)い表(あらわ)せないんですけど、それが私すごく印象(いんしょう)に残りました。あんなに強い存在感(そんざいかん)とインパクトがあるのに調和(ちょうわ)してるんですよ。すごく。

さ: 主役(しゅやく)じゃないですからね。そこばかり目立(めだ)つと、それはダメだから。そういうのもコツがあるんですかね。

お: あの、もう本当にその点でもプロフェッショナルなんだろうなっていう印象(いんしょう)を受けたので。

さ:そうですか。すごくなんか学びたいところです。そういう…

お:本当に思いました。

さ: あの、控(ひか)えめというか、控(ひか)えて人に合わせるっていう。

お: 私もだ。

さ: いや、そんなことないですよ、先生。

お: 本当に私もだ。

さ:学ばなければなりません。

お: もう、あの、本当に学ぶことが多くて、もちろん、あの、登場(とうじょう)人物(じんぶつ)のあの、皆さんも、もう言うまでもなく素晴らしいんですけど、本当に動きとか足の運びから目線(めせん)とか姿勢(しせい)とか、あの、とにかく全てがすごいです。衣装(いしょう)の、あの扱い方(あつかいかた)って言うんですかね。なんかその、あの動きとその衣装(いしょう)、あれやっぱりすごく重いらしいんですよね。あの衣装が。でもそれを重いようには見えないですよね。どれだけその鍛錬(たんれん)してああいう衣装(いしょう)を着(き)てあの動きをされてるんだろうっていうのも調べれば調べるほどすごいことなんだなって思って、見てました。

さ:じゃ、ちょっとメイキング動画とかもね、YouTubeとか探して見てみます。

お: もう本当にあの、すごい世界だなって感じますね。

さ: ああ、ありがとうございます。で、さらに先生なんか僕ちょっと意外(いがい)だったんですけど、なんか先生がその浅草(あさくさ)にお住(す)まいだから、お相撲(すもう)とか、すごくもう超身近(ちょうみぢか)にあって、もうバンバン見に行ってるのかなとか思ってたんですが、最近はまったっていうことで。

お: あの、そうなんですよ。相撲(すもう)自体(じたい)はもう子供の頃からずっと好きで、で、あの、両国(りょうごく)がやっぱり近いので、お相撲(すもう)さんが遊びに来るんですよ、浅草(あさくさ)に。だからあの、道を歩いてても、遭遇(そうぐう)率(りつ)がすごく高(たか)くて。

さ: あ、ね。電車とかに乗ってるのも見たことあります。

お: そう、そうなんです。本当に日常的(にちじょうてき)に見ていて、で、祖父(そふ)の膝(ひざ)の上に座って一緒にお相撲(すもう)を見てたような感じなので、あの、相撲(すもう)自体(じたい)はもう大好きなま(まで)来ていて。
で、ただずっとテレビで見てたんですね。 なので国技館(こくぎかん)に見に行くっていう頭(あたま)はなんかあの、本当にあんまりなくって。で、周りも相撲(すもう)好(ず)きではあるんですけど、じゃあ国技館(こくぎかん)行くかみたいな人は、あの、いなかったので、なんか本当に自分でも意外(いがい)なんですけど、行ったことないまま、今に至(いた)っていまして。

さ: ま、近いと意外(いがい)とそうなのかもしれないです。距離(きょり)が。

お:たぶんちょっと離(はな)れてると、ツアーとか、ね、なんか行ってみようっていうので。

さ: イベントになりますもんね。

お:そうですよね。行くのかなと思うんですけど、今までちょっとそういう機会(きかい)がなかったので、実は本当に去年初めて行きまして。

さ: どういうところで、はまったんですか?

お: あの、迫力(はくりょく)ですかね。なんかやっぱりテレビとか動画(どうが)で見てると、迫力(はくりょく)は感じるんですけど、生(なま)で見(み)る時のその立体感(りったいかん)っていうか、あの、それはまた全く違うものなんだなっていうのが初めてわかりまして。

さ: ああ、じゃあもうさっきの能(のう)とか狂言(きょうげん)、太鼓(たいこ)にもね、通(つう)じるお話ですね。

お: まさに。本当にそうなんです。この、あの今回の、さいとう先生のこのチャンネルで、あ、お話させていただくにあたって、その考えた時に、最近ちょっと印象(いんしょう)に残ってるものっていうのは全てその共通点(きょうつうてん)で、実際(じっさい)に見てみたらっていう。で、しかも全部その日本の伝統的(でんとうてき)なものだったっていうところも共通(きょうつう)していて。
で、あの相撲(すもう)も、あの、国技館(こくぎかん)で、ま、見るっていうふうに決まった時に、最初は何て言うんですかね、テレビで見てるのと同じ感じだけど、ただその場所(ばしょ)が近くで見(み)ることになるだけっていう感じだったんですけど、本当にこれもちょっと言葉(ことば)でうまく説明(せつめい)できないんですけど、行ってみたらそういう感じでは全くないですね。で、あの周りの観客(かんきゃく)の方もすごい密度(みつど)でこういるんですよ。で、すり鉢(ばち)型(がた)みたいな感じで真ん中に土俵(どひょう)があって、こういうふうにすり鉢(ばち)…

さ:上に広がっていく、客席が。

お:上に広がっていく、そういう空間(くうかん)になっているので、あの、熱気(ねっき)というか、テレビ・動画(どうが)ではちょっと感じられないんですよね。周りを取り囲(かこ)むような、あの、感じで。ま、ライブとかだと、そういうのも、ま、ちょっとあるのかなって思うんですけど、でもなんかその、歌(うた)を聞(き)いてとか、あの、コンサートで音楽(おんがく)を聞(き)いた時っていうのは、たぶん全然違うものかなって思います。本当にちょっとね、これも言葉(ことば)でうまく説明(せつめい)できないんですけど…

さ: 独特(どくとく)の空気がある。

お: 独特(どくとく)の、そうですね。で、私、他のスポーツとかは、あの、例えば格闘技(かくとうぎ)とかっていうのは見たことがないので、あの、そういうのを見て盛り上がるとか、なんかこう楽しいっていう感覚(かんかく)を今まで知らなかったんですけど、たぶん相撲(すもう)だけかなと思います。私見ててそんなにおもしろいっていうか、あの、そんなにこう引き込まれるのは、あの、相撲(すもう)だけなのかなと思うぐらい、ちょっと独特(どくとく)の、あの、経験(けいけん)でした。
あとはあの、ただ単(たん)に国技(こくぎ)だっていうだけではなくて、あの、「千秋楽(せんしゅうらく)」っていう、その一番最後の日ですけれども、あの、そこの日に、あの、行ったこともあるんですけど、そうしたらあの「神事(しんじ)」、「神(かみ)の事(こと)」って書きますけど。あの、神事(しんじ)だけあって、本当にその、なんて言うんですか、儀式(ぎしき)みたいなのがあの、ついてるんですよ、千秋楽(せんしゅうらく)って。

さ: 最初にやるんですか?

お: あの、全部終わってからやるんですけど。で、他の日は、あの、ずっとこう取り組みが続いてるので、千秋楽(せんしゅうらく)の最後だけにそれがあるんですけど、それもあのテレビでは、あのその時間帯(じかんたい)ってもう放送(ほうそう)されないので、見たことなくて、あの、やそういうのやってることも知らなかったんですね、私。なので、そういうのもなんかこう見てみないとわからないものっていうのはすごくたくさんありまして。

さ: どんなことするんですか?

お: あの最後に、あの、「行司(ぎょうじ)さん」って、これもちょっとまた話すと長くなっちゃうので。

さ: レフリーですね、いわゆる。

お: そうですね。あの、ジャッジする人。あの、審判(しんぱん)の親方衆(おやかたしゅう)もいるんですけど、土俵(どひょう)上(じょう)に、あの、日本の昔ながらの衣装(いしょう)を着て土俵(どひょう)の上に立っていろいろ動き回ってる人を「行司(ぎょうじ)」さんって言うんですけど、その行司(ぎょうじ)さんを、あの、なんかこうみんなでなんて言うんですか、胴(どう)上げみたいなふうにして、なんかこうやる、あの、ものがあったりとか。あの、そういうのとかも初めて見ましたし、あとはあの、こう最後の優勝(ゆうしょう)が決まった、優勝する力士(りきし)が誰かっていうのが決まった後に、あの、国歌(こっか)斉唱(せいしょう)で『君(きみ)が代(よ)』を歌(うた)うんですけど、私あれほど、なんか心に響(ひび)いた『君が代』って聞いたことがなくて、たぶん日本の人だったら卒業式(そつぎょうしき)とか何かいろいろ聞く機会(きかい)ってあると思うんですけど、あの、さっき出てきたその「すり鉢(ばち)状(じょう)」のその、会場(かいじょう)で、あの、1階(いっかい)席はあの、椅子(いす)じゃなくて、あの、座布団(ざぶとん)に座(すわ)るんですよ。

さ: 先生、1階(いっかい)で見られたんですか。

お: 1階(いっかい)で見たんですけど。で、2階(にかい)はあの、椅子(いす)席(せき)になっているんですけど、椅子席の2階の人も座布団(ざぶとん)の1階の人も全員(ぜんいん)立(た)って、立つんですね。で、こうちょっと皆さん想像(そうぞう)していただくと、真ん中に土俵(どひょう)があって、で、すり鉢(ばち)状でみんな立って。

さ:取り囲(かこ)んでいるかんじですね。

お:そうなんです。中央を見て。で、2階に、あの、生演奏(なまえんそう)の方がいるんですよ。私ずっとあの録音(ろくおん)だと思ってて。生演奏(なまえんそう)の方が(いて)、で、その生演奏(なまえんそう)に合わせて『君が代』を歌(うた)うんですけど、もうね鳥肌(とりはだ)が立ちそうでした。あの環境(かんきょう)で。

さ: え、生演奏(なまえんそう)ってどんな楽器(がっき)でやってるんですか?  弦楽器(げんがっき)ですか?

お: あ、もういろんなあの、いろんな楽器の。

さ: あの、トランペットとか。金管(きんかん)楽器とか。

お: あ、そうです。いろんな方たちがこう、あの自衛隊(じえいたい)の方かな。なんかたぶんその2階のところに座ってる楽隊(がくたい)の方がいて、あのそれに合わせて歌うんですけど、あれもね、本当に何とも言えないその、感じでしたね。

さ: あ、そうなんですね。

お: なので取り組みの1つ1つもすごい時間が短いんですよ。他のスポーツ競技(きょうぎ)に比べると、たぶんその勝敗(しょうはい)がつくまでが、もう下手をしたら、あっ、ちょっと手元に目線(めせん)落(お)として顔上(あ)げたら、もう終わってるっていうこともあるぐらいなんですけど。でもその速(はや)さでこう進行(しんこう)していくのと、その取り組みと取り組みの間に、ま、皆さんよく見かけると思うんですけど塩(しお)まいたりとか、あの、してこう、集中(しゅうちゅう)力を高めていくような時間もありますよね。なのでその、なんかこう緩急(かんきゅう)がすごいというか、その、すごく濃密(のうみつ)で、ぎゅっとこう詰(つ)まってる中で、あの、取り組みが進んでいくっていうのも、なんかその、テレビだと、どうしてもこうアップになってたりして全体をこう、ずっと見てるわけではないので、それもなんかちょっと生(なま)で見たら印象(いんしょう)が違ったことの一つではありますね。

さ: うん。そうなんですね。

お: 私もその相撲(すもう)に初めて行ってから周りの方にその、相撲がすごいっていうのをお話し(た)んですけど、あの、行ったことがある方って実は私の周りでもほとんどいなくて、日本の方でも。なので皆さんたぶん知(し)ってるけど、行ったことはないっていう方はたぶん多いと思うので。

さ: そう、ちょっとね、あの、ハードルが高いというか、こう、心をちょっとこう決めていかないといけないっていう何かがある。

お: 本当になんか私もそう思ってて、で、実際(じっさい)行ってみると、驚(おどろ)くほど楽しい。楽しいんですね。あの、姿勢(しせい)を正(ただ)してる時もあるんですけど、基本その、あの、土俵(どひょう)に一番近いところ以外は飲食(いんしょく)オッケーなので、あの、で、いろんなおいしいもの売(う)ってるんですよ。国技館(こくぎかん)の中で。

さ:それもいいですね。

お:で、グルメをいろいろ買ってで、自分の席で食べながら見(み)てっていう。ただそこでもやっぱりマナーの問題(もんだい)ってあって、あの、その一番最後(さいご)の、あの、もう取り組みが、今から始まるぞっていう時に、あの声出してしまったりとか、変なタイミングでなんかこう呼びかけをしたりとか、あとまあちょっとなんて言うんですかね、失礼(しつれい)なヤジとか飛ばしてしまう人っていうのは近年(きんねん)やっぱり多いみたいで。なので、ま、いろんなところでその問題(もんだい)提起(ていき)が今行(おこな)われていて。

さ: わかっててやっちゃってるんですか? そういう人。

お: どうなんでしょう。でもわかってると思うんですよね。これだけその、いろいろそういうことは良くないって言われてるので、ま、知(し)ってるはずだとは思うんですけど、そういう人はなかなか後を絶(た)たないので、それもちょっとよくネットのニュースになってますね。
で、国技館(こくぎかん)、両国(りょうごく)の国技館(こくぎかん)は1月、えっと、5月、9月なので、あの、3回ありますけど、ま、非常にその、今人気(にんき)が高いので、チケットがなかなか取れないっていうのはあるので、ま、皆さんたぶん行こうって思ってもチケットが取れないっていうのは、もうここ何年かずっとその状態(じょうたい)っていうのはあの言われているので、ちょっと大変(たいへん)かもしれないんですけど、ま、機会(きかい)があったら是非(ぜひ)皆さんにも一度は行っていただきたいなって思いますね。

さ: そう。ね、空気(くうき)感をちょっと味(あじ)わってみたいですね。独特(どくとく)の。

お: 本当にもう、なんか語(かた)り尽(つ)くせないですね。あの太鼓(たいこ)もそうですし、あの、能(のう)・狂言(きょうげん)もそうですけど。相撲もそうです。本当に語(かた)り尽(つ)くせないので、是非(ぜひ)皆さんにも行っていただきたい。もう見(み)るのが一番、「あ、大久保が言(い)ってたのはこういうことか」みたいに、あの、思(おも)っていただけるんじゃないかなと思(おも)いますね。

さ: ありがとうごさいます。ま、これを聞(き)いてちょっと趣味(しゅみ)が広(ひろ)がる方もいると思うので。ね、その見(み)ないことには何(なに)も始(はじ)まらないんで、とりあえずみんな見てみようっていう感じですかね。へえ、すごい。ありがとうございます。

お:いえいえ、とんでもございません。

さ:リアルな感じです。

お: すいません。あの、思(おも)うままに、しゃべっておりました。

さ: あ、いえいえいえ、いいんです。あの、そういう番組(ばんぐみ)なんです。あの、こちらこそ台本(だいほん)も何(なに)もなく先生にしゃべっていただいて。

お:とんでもございません。

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さ: ここであの、先生いつも後半(こうはん)の最後(さいご)のコーナーとしてゲストの方(かた)の好きな日本語なんかを聞いているんですけれども、今日ちょっと100回目っていうことで、先生の特別(とくべつ)な言葉(ことば)を教えていただきたいと思いまして。

お: あの、これまた迷(まよ)ったんですけれども、「諸行(しょぎょう)無常(むじょう)」を選(えら)びました。

さ: 「諸行(しょぎょう)無常(むじょう)」。日本語を勉強してる人の中には初めて聞いたっていう人も、もしかしたらいるかもしれないんですけど。

お: そうなんです。これもあの本当にあの、調べると、ものすごくたくさんあの、お話がいろいろ出てきて、ちょっとま、説明(せつめい)するとまたね、あの、これだけで、すごい時間(じかん)かかっちゃうので、ちょっと説明(せつめい)は省(はぶ)きますが、あの、一般的(いっぱんてき)にはあのちょっと儚(はかな)いというような感じで、ちょっとあの、どちらかというと悲(かな)しい感じのあの意味(いみ)合いであの、使(つか)われることも多いんですけど。

さ: そうですね。なんかこうちょっと弱(よわ)くて、すぐなくなってしまうとか消えてしまうとか、そういうイメージ。

お: そうですよね。イメージが多いんですけど、あの、私の中ではけっこう「諸行(しょぎょう)無常(むじょう)」はプラスの印象(いんしょう)で、で、しかもどちらかというと私の背中(せなか)を押(お)してくれてる感じの言葉(ことば)でもあって、で「諸行(しょぎょう)無常(むじょう)」自体の意味(いみ)もいろいろあるので、本当にその様々(さまざま)だとは思うんですけど、その変化(へんか)する、全てのものが変化(へんか)するっていうふうに考えると、あの、いいことも変わってしまうかもしれないんですけど、ま、悪いこととか悪い状況(じょうきょう)も変化(へんか)するかもしれないって思うと、わりと私の中ではちょっと気(き)が楽(らく)になる部分(ぶぶん)もあって。
で、変化(へんか)すること自体(じたい)は嫌いではないので、ま、ただそれも一概(いちがい)にはそう言(い)えない時(とき)もありますよね。あの、例えば、あの、幸せな生活(せいかつ)だとか、あの、大切(たいせつ)な人(ひと)たちが健康(けんこう)で長(なが)く生(い)きてくれることとかっていうのはもちろんその変化(へんか)して欲(ほ)しくないことではあるので、変化(へんか)が必ずしもいいか悪いかっていうのは言(い)えないと思うんですけど、ま、でも変化(へんか)するもの、全てのものは変化(へんか)するものだって思ってれば、変化(へんか)した時に慌(あわ)てないで済(す)むっていうのが私の中で、けっこう大きいことで。

さ: もう変わるものだっていうことですか。

お: そうですね。変わるものっていうふうに思(おも)っているほうが、何(なに)かが変化(へんか)した時に対応(たいおう)しやすいというか、あの、自分のこうメンタルとかコンディションを保(たも)ちやすくなるっていう(のを)感じてるので、ま、そういう意味(いみ)では私は「諸行(しょぎょう)無常(むじょう)」っていうのは、あの、いいとか悪いとかプラスとかマイナスとかっていうことではなくて、なんとなく頭(あたま)の中にいつも置いておいて、なんか自分のその安定(あんてい)のために、その言葉(ことば)を使(つか)ってる、頭(あたま)の中で置(お)いているっていう感じですね。

さ: つい、ね、いいことがこう、なくなってしまって悲(かな)しいっていうイメージで捉(とら)えがちだと思うんですけど、そういう考え方(かた)もあるんですね。

お: そうですね。私の場合はなんかそういうふうに考えて、そちらのほうでその言葉(ことば)を自分のなんていうかプラスになるように使(つか)ってるっていう感じですね。本当に人それぞれだと思うので、私の捉(とら)え方(かた)はあの、決して正しいとは限(かぎ)らないので、あの、個人的(こじんてき)なものとして、あの、聞いていただければと思うんですけど、そんなふうに考えてますね。

さ: へえ、おもしろい。ありがとうございます。

お: いえいえ、とんでもございません。

さ: 言葉(ことば)の捉(とら)え方(かた)って、ま、人それぞれだし、できるだけそのプラスに、自分がこう前向(まえむ)きになれるように意味(いみ)を捉(とら)えたいですもんね。

お: 本当にそう思いますね。

さ: 「諸行(しょぎょう)無常(むじょう)」っていう言葉(ことば)自体(じたい)は、『平家物語(へいけものがたり)』?

お: あ、そうです。そうです。

さ: あそこがスタートなんですか?

お: えっと、たぶんその言葉(ことば)としてはもっとその遡(さかのぼ)るとあると思うんですけど、あの、ただ皆さんの中で一番こう、なんて言うんでしょう、こう聞(き)くのはたぶん、ま、教科書(きょうかしょ)に出(で)てるってこともあるんですけど、たぶんそこで聞(き)くことのほうが圧倒的(あっとうてき)に多(おお)いかなとは思いますね。
ま、あの、仏教(ぶっきょう)用語(ようご)みたいなものって、けっこういろんなところで使(つか)われていて、ま、本当に、あの、なんていうか、こう、現代(げんだい)の人が聞(き)いても「へえ」っていうのはけっこうたくさんあるので、ま、興味(きょうみ)がある方はそういう本(ほん)とかも出(で)てますので、あの、調(しら)べていただくと、けっこう自分のなんていうか、人生(じんせい)の中(なか)であの、役(やく)に立(た)つとか使(つか)えるものっていうのは、意外(いがい)と多いのかなと思いますね。

さ: うーん。へえ、ありがとうございます。

お: いえいえ、とんでもございません。

さ: すごいもう聞き入(い)っちゃいました。

お: いいえ、とんでもないです。

さ: なんかこう、お寺の講堂(こうどう)かなと思いました。

お:ドーン。

さ:ドーン。ドーンって。ゴーン、ドーン。
ええ、すごいおもしろいお話(はなし)でした。

お:ありがとうございます。

さ:目から鱗(うろこ)。

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さ:すごい100回目、いい回(かい)になりました。

お: ありがとうございます。
さ:ありがとうございます。

お:もう本当に記念(きねん)すべき回(かい)に呼(よ)んでいただきまして、ありがとうございます。

さ: こちらこそまた200回目も来てください。

お: ぜひぜひ楽しみにしております。

さ: その前に来てもらうと思うんですけど、また。しつこく呼びますので。
ね、なんかちょっとやっぱりこう世界的(せかいてき)にも、こう日本の国内(こくない)もなんか平和(へいわ)って何だろうとか、本当に常々(つねづね)考えてしまうようなことも起きたりとかしてるから、なんかそういうちょっと不安(ふあん)もある中で、あの、100回目、大久保先生に来ていただけて本当にうれしかったです。

お: ありがとうござい(い)ます。本当に。
さ:ありがとうございます。
お:こちらこそです。

さ: この『日本語さいちゃんねる』のInstagramのアカウントがありますので、もう一度それを見(み)ながら是非(ぜひ)聞(き)いてみてください。あと日本語勉強(べんきょう)している人には『note』というウェブサイトに、今、大久保先生と私が話(はな)した言葉(ことば)をスクリプトという文章(ぶんしょう)にして書いてあるページもありますので、そちらも見(み)ながら聞(き)いてみてください。Instagramのリンクとnoteのリンクはこの番組(ばんぐみ)の説明(せつめい)のところにつけてあります。
はい、では大久保先生100回目、本当に長い時間(じかん)ありがとうございました。

お:ありがとうございました。

さ:皆さんに、うれしい・たのしいことがたくさんありますように、願っております。体に気をつけて過ごしてください。それでは皆さん、さようなら。

お: さようなら。

さ: ありがとうございます。

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