【2025年12月速報】鉱工業生産は2カ月連続の低下、基調判断は「一進一退」を維持
経済産業省が本日(1月30日)発表した12月の鉱工業生産指数(速報)は、指数値101.8、前月比で0.1%の低下となりました。11月に続く微減となり、製造業の回復ペースは足踏み状態が続いています。
経済産業省は、この結果を受けて基調判断を「生産は一進一退となっている」とし、前月の判断を据え置きました。しかし、2025年通年で見れば前年比+0.8%と、4年ぶりのプラス成長を達成しており、底堅さを見せた一年であったと言えます。

それでは、私が毎月、確認している主要業種ごとの動向を詳述します。
1. 鉄鋼工業:生産は回復の兆しも、出荷急落で「冬の足踏み」
生産 (99.1):11月の98.0から1.1ポイント上昇し、2カ月ぶりに回復を見せました。
出荷 (93.7):生産とは対照的に2.2ポイントの大幅低下となり、前年比でも-5.4%と厳しい数字です。
在庫率 (91.4):出荷が落ち込む中で横ばいを維持しており、極めて低い在庫水準をキープしています。
展望:出荷の弱さが懸念されますが、在庫がタイトなため、需要さえ戻れば即座に「増産」に転じられるバネが溜まっています。



2. 電線・ケーブル:生産指数125超へ加速も、出荷は停滞
生産 (125.1):前年比+13.3%という、グラフ期間内で最高水準の猛烈な増産が続いています。
出荷 (110.7):高水準の生産に対し、出荷は横ばいで前年比-1.1%と振るいません。
在庫率 (129.2):生産と出荷の乖離により、在庫負担は臨界点に近い高水準が常態化しています。
展望:将来のインフラ需要への「期待」と「現実」のミスマッチが深刻で、年初に大規模な生産調整が入るリスクを孕んでいるかもしれません。



3. 半導体製造装置:記録的な増産から一服も、高水準を維持
生産 (171.4)・出荷 (166.3):記録的な伸びを見せた11月からは反落しましたが、前年比では依然としてプラス(生産+2.1%、出荷+2.3%)を確保しています。
分析:12月の全体指数を押し下げた要因の一つですが、これは11月が強すぎたことによる自律的な調整の範囲内です。
展望:生成AI需要を背景としたシリコンサイクルの上昇局面にある事実は変わらず、2026年も牽引役としての期待がかかります。


4. 電子部品・デバイス:出荷が106.2へ急回復、需給バランスは緊迫
生産 (106.0):出荷に呼応するように増産基調を鮮明にしています。
出荷 (106.2):11月の停滞を払拭し、前年比+9.0%という驚異的な回復力を見せました。
在庫率 (124.2):出荷は好調ですが、それ以上に積み上がった在庫が過去最高水準を更新しています。
展望:非常に強い需要に支えられていますが、在庫の重みが限界に達しており、年初の出荷の勢いが生命線となります。



5. 自動車工業:生産は微増も出荷が振るわず、在庫補充のフェーズへ
生産 (104.8):2カ月連続で前月を上回り、製造現場の稼働は安定しています。
出荷 (103.6):前月から2.3ポイント低下。国内外の需要に一服感が見られます。
在庫率 (97.3):11月に記録した歴史的な低水準(89.1)から急上昇。在庫の「補充」が進みました。
展望:在庫が適正水準に戻ったことで、1月の予測指数で示されている大幅増産計画(+9.3%)に向けた準備が整いました。



6. ゴム製品:生産・出荷ともに微減、安定推移も勢い一服
生産 (101.1)・出荷 (101.1):生産と出荷が完全に一致しており、無駄のない「教科書的な安定状態」で2025年を終えました。
在庫率 (100.4):基準となる100付近で推移しており、需給バランスは極めてニュートラルです。
展望:自動車の増産計画に連動して年初に動きが出るかが焦点ですが、最も予測が立てやすい安定業種と言えます。



7.まとめ:2026年1月の「+9.3%」という強気な幕開け
製造工業生産予測指数によると、2026年1月は前月比+9.3%という、近年稀に見る極めて大幅な上昇が計画されています。これは自動車や電子部品など、12月に在庫調整や準備を整えた業種の「反転攻勢」が期待されているためです。

しかし、電線や電子部品のように在庫率が過去最高圏にある業種も少なくありません。世界経済の動向次第では、この強気な計画が下方修正されるリスクも残されています。
2026年の日本経済は、この「在庫の山」をこなせるだけの「実需(出荷)」が年初に立ち上がるかどうかが、最初の大きな分水嶺となりそうです。
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