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【中小企業の人事・経営者向け】キャリアアップ助成金の申請要件と使い方

こんにちは、日本綜合社会保険労務士法人の山田です。

2025年、働き方改革は新たなフェーズに入り、中小企業の皆さまにとって、従業員のスキルアップと定着は喫緊の課題となっています。

特に2025年10月には、最低賃金が全国加重平均で過去最高の63円引き上げられ、全国の加重平均額は1,118円となる見込みです。この対応に追われている担当者様も多いのではないでしょうか。

「どうせ賃上げするなら、会社の成長に繋がる形で実施したい……」

そんな時にぜひ活用していただきたいのが、返済不要の心強い制度「キャリアアップ助成金」です。

そこで今回は、2025年最新のキャリアアップ助成金の要件から、最低賃金引き上げの際に活用できるコース、そして今すぐ取り組むべき対応まで、具体的に解説します。


キャリアアップ助成金の背景と要点【2025年の最新情報】

2025年も引き続き、政府は非正規雇用労働者の処遇改善とキャリアアップを重視しています。

これは、少子高齢化による労働力不足の深刻化と、多様な働き方へのニーズの高まりに対応するためです。

企業が従業員の能力を最大限に引き出し、生産性向上に繋げる上で、キャリアアップ助成金は非常に有効なツールとなります。

キャリアアップ助成金の主なコースと支給額(2025年時点)

キャリアアップ助成金には、いくつかのコースがあります。

ここでは、特に中小企業の皆様に活用しやすく、具体的な支給額も交えて主要なコースをご紹介します(※下記は中小企業の場合の支給額です)。主なコースは以下のとおり。

  1. 正社員化コース

非正規雇用労働者を正規雇用労働者に転換した場合に助成されます。最も利用頻度が高く、助成額も大きいため、積極的に検討したいコースです。

有期雇用から正規雇用へ:1人あたり最大80万円
無期雇用から正規雇用へ:1人あたり最大40万円

※2025年4月からの制度改正により、一部支給額が変更されています。

例えば、雇入れから3年未満の有期雇用労働者を転換した場合、支給額は半額の40万円となります。

制度をうまく活用することで、従来通り80万円の受給も可能です。またこちらについては別の記事で改めて触れたいと思っています。

2. 賃金規定等改定コース【最低賃金改定時に注目!】

2025年10月の最低賃金引き上げを機に、賃金テーブルの見直しを検討している中小企業は必見のコースです。

このコースは、非正規雇用労働者の賃金規定等を改定し、基本給を3%以上増額した場合に助成されます。

【活用ポイント】
最低賃金の引き上げ対応は、この助成金を活用する絶好の機会です。

ただし、単に最低賃金額をクリアするためだけに時給を引き上げた場合は対象外。助成対象となるのは、あくまで就業規則や賃金規程そのものを見直し、対象となる非正規雇用労働者「全員」の基本給を3%以上増額した場合です。

例えば、最低賃金の引き上げを機に、パート・アルバイトの賃金テーブル全体を底上げし、全員の時給を3%以上アップさせる、といった処遇改善の取り組みが対象となります。

対象労働者数と増額率に応じて:1事業所あたり最大700万円

3. 社会保険適用拡大コース

短時間労働者を新たに社会保険に加入させ、賃上げ(手当支給など)を行った場合に助成されます。

2024年10月からの社会保険適用拡大への対応と合わせて検討できるコースです。

手当支給や労働時間延長など、取り組みに応じて1人あたり最大50万円
(例:労働時間を週の所定労働時間4時間以上延長し社会保険を適用させた場合、1人あたり30万円)

これらのコースはそれぞれ異なる要件と助成額が設定されていますが、共通していえるのは、計画的な取り組みと正確な記録が重要であるということです。

実務上の影響・確認ポイント

キャリアアップ助成金は、単に申請すればもらえるものではありません。計画から実行、そして申請に至るまで、様々な実務上の確認ポイントがあります。

「非正規雇用労働者」の定義は明確ですか?

キャリアアップ助成金の対象となるのは、「非正規雇用労働者」です。貴社において、パートタイマー、アルバイト、契約社員、派遣社員などの定義が明確であり、雇用契約書等で確認できることが重要です。

就業規則・賃金規程は最新の状態ですか?

各コースの要件には、就業規則や賃金規程の整備が求められます。特に、正社員化コースでは、正社員と非正規雇用労働者の間の賃金体系や待遇の差異を明確に定めている必要があります。
賃金規定等改定コースであれば、改定前と改定後の賃金規定が明確になっていることが必須です。

キャリアアップ計画は具体的に策定されていますか?

助成金を申請する前に、「キャリアアップ計画」を提出し、厚生労働大臣の認定を受ける必要があります。
この計画には、対象労働者、実施期間、目標、実施内容などを具体的に記載します。あいまいな計画では認定されない可能性があります。

賃金台帳や出勤簿の記録は正確ですか?

助成金の支給には、賃金台帳や出勤簿(タイムカード等)の記録が厳密にチェックされます。
特に、賃金規定等改定コースでは、賃金改定前後の支給額が明確に分かるようにしておく必要があります。残業時間や休日出勤の有無など、労働時間に関する記録も重要です。

過去の助成金申請状況は?

過去にキャリアアップ助成金や他の雇用関係助成金を申請・受給したことがある場合、その内容が今回の申請に影響する可能性があります。
例えば、過去に不正受給があった場合は、一定期間申請ができないなどのペナルティがあります。

自社で今すぐ行うべき対応は?

「難しそう……」と感じた方もいらっしゃるかもしれませんが、ご安心ください!今すぐできる対応から始めましょう。

  1. 社内の現状把握

    • 非正規雇用労働者の人数、雇用形態、勤続年数、給与水準などを一覧で整理してみましょう。

    • 正社員への転換を検討している従業員はいますか?スキルアップさせたい従業員はいますか?

  2. 就業規則・賃金規程の確認

    • 最新の就業規則や賃金規程を手元に準備し、非正規雇用労働者に関する記述を確認しましょう。

    • もし、規程が古かったり、曖昧な点があれば、この機会に改定を検討してください。

  3. キャリアアップ助成金に関する情報収集

    • 厚生労働省やハローワークのウェブサイトで、最新のキャリアアップ助成金に関するパンフレットや要綱を確認しましょう。

    • ご自身で情報収集するだけでも、漠然とした不安が解消されることがあります。

  4. 記録管理の見直し

    • 賃金台帳や出勤簿の管理方法について、不備がないか再確認しましょう。

    • 電子データでの管理に移行するなど、労務のDX化を進めることも有効です。

 助成金活用の第一歩は「現状把握」から

キャリアアップ助成金は、上手に活用すれば貴社の成長に大きく貢献します。しかし、まずは「自社が対象になるのか」「どのコースが最適なのか」を知ることが第一歩です。

これらのステップを踏むことで、あなたの会社にとって最適なキャリアアップ助成金の活用法が見えてくるでしょう。

▼厚生労働省「キャリアアップ助成金」情報はこちら

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