赤道儀追尾による天の川パノラマ撮影【撮影編】
以前の記事で、天の川のパノラマ撮影方法について紹介しました。
撮影編
http://nijikarasu.cocolog-nifty.com/blog/2020/03/post-341ded.html合成編
http://nijikarasu.cocolog-nifty.com/blog/2020/03/post-826a63.html
ただし、これらの記事で紹介しているのは
三脚固定によるパノラマ撮影です。
固定撮影の限界
固定撮影の場合、星は動いてしまうため、
シャッター速度は15〜30秒程度が限界
→ノイズが増えやすい
→淡い天の川が出にくい
といった制約があります。
赤道儀を使うメリットと難しさ
スカイメモS などの赤道儀を使えば、
星を追尾できる
→数分単位の長時間露光が可能
→ノイズを抑えて高品質な天の川が撮れる
という大きなメリットがあります。
ただし問題もあります。
👉 追尾によってカメラの向きが変わるため、そのままではパノラマ合成が難しい
ここが最大のポイントです。
必要な機材
今回の方法で必要な機材は以下の通りです。
赤道儀
赤道儀用の微動雲台
自由雲台 ×2
広角で明るいレンズ
赤道儀と微動雲台は、通常の星景撮影と同じ構成でOKです。
■ 第一自由雲台が重要
赤道儀に直接取り付ける第一自由雲台は、
👉 天面が回転できるタイプ(パノラマ回転機構付き)
をおすすめします。

セッティング手順
① 極軸合わせ
まずは通常通り、極軸合わせを行います。

② 第一自由雲台を水平にする
第一自由雲台の水準器を見ながら、水平を出します。

③ 第二自由雲台を設置
第一自由雲台の上に、もう一つ自由雲台を載せます。

④ カメラをセット
第二自由雲台にカメラを取り付けます。
撮影の流れ
ここからが本題です。
⑤ まずは地上部分のパノラマを撮影
最初に「地上部分」を固定状態で撮影します。
参考:新星景写真の考え方
http://nijikarasu.cocolog-nifty.com/blog/2015/12/post-9101.html
このときは赤道儀を動かさず、
第一雲台の回転
または第二雲台のパノラマ軸
を使って横に振って撮影します。

このようにして地上のパノラマ素材を取得します。

⑥ 天の川部分を赤道儀で追尾しながら撮影
ここからが今回のポイントです。
赤道儀の電源を入れて追尾を開始し、
天の川のパノラマを撮影していきます。
重要:カメラの傾き調整
赤道儀で追尾すると、時間とともに構図が回転していきます。
そのまま撮ると、
👉 地面がどんどん斜めになる
👉 パノラマ合成が破綻しやすい
という問題が出ます。
■ 解決方法:あらかじめ逆方向に傾ける
そこで、
👉 撮影開始時点で、あらかじめカメラを傾けておきます
■ 傾きの計算方法
例として、
1コマ:3分露光
枚数:20枚
の場合、
👉 総撮影時間:60分
星の動きは、
👉 1時間で約15°
なので、
👉 60分 → 15°回転
その半分、
👉 7.5°分だけ逆方向に傾ける
ことで、
👉 撮影の中心付近で水平になるように調整できます。

※この例では約10°傾けています
実際の撮影
この状態から、
地上と同じように横方向へ振りながら
赤道儀で追尾しつつ
天の川を撮影していきます。

まとめ
この方法を使うことで、
長時間露光による高品質な天の川
パノラマ合成可能な素材
を両立することができます。
ポイントは以下の3つです。
地上と星空を分けて撮影する
回転を見越してカメラを傾ける
パノラマ回転軸を正しく使う
次回予告
今回の方法で撮影した素材を使い、
👉 赤道儀パノラマの合成方法
について解説します。
