[ 受験生に一粒の贈り物 ]:毎週ショートショートnote(お餅プロ)
『応援の気持ちを込めて、お餅をどうぞ』
↑こちらのお題【お餅プロ】に参加してみました。
受験生シリーズ第4弾です。
おもち大好き、みかんも大好き。日本人でよかったです😊♪

[ 受験生に一粒の贈り物 ]
「これかぁ……」
受験餅。
縁起もんの響きに釣られ、老舗のお餅屋の扉を開けた。
受験生の先輩に、プレゼントしようとか思って。
店の中でも目立つ場所に、受験餅は並んでいた。
なんでも、近くの神社にお供えした餅米を、丹精込めてこねてるらしい。
「プレゼントでしたら、まずはお嬢さんが味わってみてください」
真っ白な服を着た、いかにも「職人」と呼ばれる風貌の店員さん。
言われるままに席につくと、緑茶と共に、可愛い小皿に乗せられた、お餅が運ばれてきた。
真っ白なお餅。
普通、“受験餅”と焼印くらいありそうなのにそれすらない。
「いただきます」と手を合わせてから、つまみ上げる。
指を跳ね返す、心地いい弾力。
噛むと、しっかりと受け止めてから切れる、歯切れ良さ。
それでも口から離せば、どこまでも伸びていく柔軟性。
噛めば噛むほど、お餅の甘さが深くなり広がる。
そして、するりと喉を通り抜け、お腹に落ちると、ほどよい暖かさに包まれる……。
なんだろう、この幸福感。
いつの間にか閉じていた目を、静かに開ける。
すると、白衣姿の職人さんと目が合った。
「お嬢さん、大切なのは、最後までやり遂げる“粘り強さ”だよ。
受験も、お餅もね」
そう言って、親指を立てた。
───あ、
お餅には、受験生にとって大切なものが込められているのか。
見た目はかわいいお餅なのに、深いぞ受験餅!
私は「はい」と笑顔付きで、職人さんに親指を立て返した。
一粒で、たくさんの元気をもらえました。
この元気、先輩にも伝わると、いいな。
がんばれ! 先輩。
おしまい。
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