【ショートショート】顔自動販売機(文字数オーバーにつき未投稿)
↑↑↑コチラのお題「顔自動販売機」のために書いたのですが、制限文字数を大幅に超えてしまったので、エントリーせずに、ここだけで発表します。
タイトル『わたしの顔、あたしの顔』

「顔自動販売機?」
すました顔で、なにを言ってるんだ、この親友女子高生は。
「そう、顔自動販売機ってあったらいいと思わない?」
顔自動販売機……、自販機から、コローン、って顔が出て、目が合って………うっ、
想像したら、めまいが。
「好きな顔になれる飲み物が出てくるんだよ」
「あー飲み物かー、あたし今、変な光景が頭に浮かんで怖かったよ」
「それを飲むと、好きな顔になれるのだよ、スゴイと思わない?」
「そうだねー」
スゴそうだけど、あたしの顔が変わるのかー、「飲むと、ずっと変わったままなの?」
「ううん、8分間だけ」
「8分?、微妙だね」
でも、やけにリアルな数字だね。
「でもね、1本につき8分だから、たくさん飲めば、それだけ長くその顔でいられるのだよ。しかもねー」
しかも何?
「10本飲むとね、通常80分のところ、今だけ90分間、好きな顔に変わっていられるのだよ」
なにその通販番組のような説明は。
「で、コチラがその顔が変えられる飲み物になります」
今度は料理番組か!
って、おい、なんで持ってるの?
いや、ホントにあったんかい
「飲んでみる?」
「えっ」
急に言われても……
「じゃぁ、試しにわたしが飲んでみるので、見てるがいい」
「大丈夫なのか、飲んでも」
「知らなーい」
”プシュッ”
おい、開けるなやめとけ! と言おうとしたが、もう飲んでるし!
「プハーッ、味はまぁまぁね」
おまえはのんべぇかっ、って、「……………誰?」
「あ、変わった? わたしの顔、変わってる?」
「うん、たぶん……」
「え、わたし、どんな顔になってる? 鏡、鏡持ってない?」
「もう、顔をペタペタ両手でさすんなって……ほら、鏡」
「ありがとう、って、これがわたし!」
まったくもう。「よりにもよって、なんであたしの顔になってるのよ」
「ずっと憧れだったのだよ、あんたの顔。このニッコリ笑顔といい、この、ムッとした怒り顔といい、フン、と、すました顔といい」
いや、目の前で、自分の顔の七変化を見せられても、怖いし。
「えへへへ、楽しい!」
それにしても、鏡に映った自分の顔と少し違うから、なんか変な感じ、
っておい「どこいくんだよ」
「決まってるだろ、教室だよ、教室。裸になって暴れてくるから」
「ちょっと、おい、やめろよ、おーい」
「お主、わたしについてこれるかなー」
逃げ足速っ!
クソ、やつは高校陸上短距離界のスーパースターだ、って、部活に入ってればの話だけど。
追いつけるわけがない!
………おや、やつめ、ポケットからなにか落としたぞ。
むむ、これは!
プシュッ ゴクゴクゴク
「フーッ」
では、息を大きく吸って〜、
お腹から息をおもっきり履いて〜
「コリャーーーーーー!!!!! あたしはお前の顔で裸になって、隣の男子校に駆け込んでやるぞ!!!!!!」
「えーーーー、ちょちょちょちょちょ、まてまてまて」
よしよし、慌てて帰って来たな。
「じょ、……冗談だって、って、よりにもよって、わたしにならなくても」
ふふふーん
「なに、わたしの顔で勝ち誇ってんのよ。でも、ゴメンナサイ、あなたにいい忘れていたことがあったの」
「なによ」
「あなたが飲んだそれはね、顔自動販売機発売記念ってことで、今だけの購入特典でついてきた特別ドリンクなのだよ」
「え、スペシャルなドリンク?」
「うん、顔が変わってる時間が長いの」
「えっ、何分?」
「ごめん」
「だから、何分なの」
視線そらさないで、あたしの顔!
「い………、」
い? 一時間?
「い………、」
いっ、もしかして、一日?
「一生よ」
え、
「一生、そのままの顔よ」
えーーーーーーーーーーー!!!
「うそ、冗談よ」
泣かすぞ!コラ!! あたしの顔!!!!!
「安心して、すぐに戻るから」
ふー、やれやれ。「もう、へんなもの持って来るな」
ハハハハハハ、じゃないよ、あたしの顔!
「そだね、やめとくね。でも、まだ家にいっぱいあるんだなこれが」
「どのくらいあんの?」
「20本」
はぁ〜
「転売でもしようかなー」
のんきだねー、あたしの横顔は。
でも、こいつといると、なんかかんかで、毎日が楽しい!
「なに笑っているのだ、わたしの顔」
「なんでもないよ、あたしの顔」
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