高校の学びと大学の学びはこんなに違う【入学後にギャップを感じないために】
「大学に入ったら高校の延長で勉強すればいい」
そう思っていると、入学後に大きなギャップを感じることになる。教員・講師として計12年間、大学に入ってから「こんなはずじゃなかった」という声を何度も聞いてきた。
今回は高校と大学の学びの違いを、私自身の体験も交えながら正直に伝えたい。
違い①:「広く浅く」から「狭く深く」へ
高校の授業は広く浅くが基本だ。地理を例にとれば、気候・地形・農業・工業・都市・人口など幅広いテーマを満遍なく学ぶ。
私は大学で地理学を専攻した。でも大学での学びは高校と全く別物だった。
専攻したのは自然地理学の中でも地形学、さらにその中でも山の地形に絞った研究だ。高校地理で扱う「地形」というテーマのほんの一部を、4年間かけて徹底的に掘り下げる。
大学は「広く浅く」ではなく「狭く深く」学ぶ場所だ。
大学は「研究の場」である
ここが最も重要な違いだ。
高校の授業は「すでにわかっていることを学ぶ」場所だ。教科書に書いてあることを理解して覚える。
大学・特に研究室は違う。「まだわかっていないことを明らかにする」ことを目的としている。
正解がない問いに向き合い、自分で仮説を立てて検証する。受け身の姿勢では太刀打ちできない。でも興味のあることで探究心がある人にとっては、これ以上ない面白い環境だ。
興味のない学部・学科に行くと4年間がつらい
これは本当の話だ。
私の大学の同じ学科に、スポーツ推薦で入ってきた人がいた。その人は地理に全く興味がなかった。4年間、友達の力を借りながら、最終的には卒業までこぎつけたが、とても大変そうだった。
また日東駒専レベルの大学に入りたかったが学力が足りず、難易度が易しそうという理由だけで地理学科を選んだ人もいた。全く地理に興味がないのに専門的な研究をしなければならない。それは当然しんどい。
大学の学部・学科は「なんとなく」や「難易度が易しいから」で選ぶと、4年間が本当につらくなることがある。 入学前に「その分野を深く研究したいか」を真剣に考えてほしい。
違い②:管理してくれる人がいない
高校にはクラスがあり担任がいる。出席を取られ、提出物を催促され、進路の相談に乗ってくれる。
大学にはそれがない(一部例外はある)。
誰も管理してくれない。お世話してくれる人もいない。
わからないことや困ったことがあっても、自分で動かない限り誰も助けてくれない。履修の相談・単位の確認・奨学金の手続き——すべて自分で調べて、自分で動く必要がある。
この変化に対応できず、困ったまま放置して手遅れになるケースが毎年出る。
違い③:自己管理能力が問われる
大学生になると、自己管理能力が直接「単位」に影響する。
一人暮らしを始めた場合、朝起きられずに講義に出席できず、単位を落とすことが実際に起きる。高校なら欠席すれば親に連絡が行くが、大学では何も起きない。誰も起こしてくれない。
実家暮らしでも同様だ。大学生になれば親も「もう大学生だから」と口うるさく言わなくなる。自分で管理できているものだと考えるからだ。
**「授業に出る・出ない」「勉強する・しない」のすべてが自分の裁量に委ねられる。**その自由が、自己管理できない人には落とし穴になる。
違い④:時間割を自分で組む必要がある
高校の時間割は学校が決めてくれる。でも大学では受講する講義を自分で選んで組む必要がある。
これが意外と難しい。
卒業要件・必修科目・選択科目・資格取得のための条件——これらを照らし合わせながら、自分に必要な講義を選んで時間割を作る。大学1年生が自分の力だけでこれを完璧にこなすのは難しい。
大学内で教えてくれる先輩を探すことが重要だ。 同じ学部・学科の2〜3年生に履修相談ができる環境を早めに作っておこう。大学の学生支援室・履修相談窓口を活用することも有効だ。
違い⑤:教授によって授業スタイル・評価方法が全く違う
高校では教科書に沿った授業が基本で、定期テストで評価される。評価の仕組みはどのクラスでもほぼ同じだ。
大学は全く違う。教授ごとに授業スタイルも評価方法も異なる。
出席点重視の授業・レポート重視の授業・テスト1発勝負の授業
毎回ディスカッションがある授業・板書を写すだけの授業
出席しなくても単位が取れる授業・毎回出席確認がある授業
シラバス(授業の概要と評価方法が書かれた資料)を必ず事前に確認した上で受講を決めよう。 シラバスを読まずに受講すると「こんな授業だと思わなかった」という事態になりやすい。
まとめ:大学入学前に知っておくべきこと

大学の学びは高校とは別物だ。その違いを事前に知っておくだけで、入学後のギャップを大幅に減らせる。
そして何より大切なのは「興味を持てる学部・学科を選ぶ」ことだ。研究の場である大学で4年間を充実させるためには、自分が深く掘り下げたいと思えるテーマがあることが何より重要だ。
※ 本記事は筆者の教員・講師としての経験と個人的な体験をもとにしています。
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