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眼科定期検診日誌──キサラタンとともに生きる

 昨日の朝10時過ぎ。そろそろ目薬の残りが心もとなくなってきたので、歩いて5分ほどのかかりつけ眼科へ向かう。お供はいつものウォーカー、付き添いは“監視人殿”(通称:妻)だ。
 
 この眼科にはもう何度も通っている。2カ月に一度の定期検診を受けて、目薬の処方をしてもらう。

 今回も、医師が眼底をチェックし、眼圧を測り、あとはいつも通りかと思っていたら、「今日は視野検査をやりましょう」と言い出した。
 
 視野検査は久しぶりだ。10数年前、ある大病院の眼科で視野検査を受けたとき、「左目の左下に視野欠損がありますね。おそらく緑内障でしょう」と言われた。そのとき処方されたのが 「キサラタン」という眼圧を押さえる点眼薬。以来、眼科は転々と変わりながらも、この目薬だけは変わらず毎日使い続けている。
 
 その後、数年間住んでいた姫路の眼科で何度か再検査を受けたが、視野に欠けは見られず、緑内障の疑いもほぼ消えたようだった。それでも医師たちは決まって「念のため、キサラタンは続けましょう」と言う。東京に戻ってからの4年間も、その方針は変わらない。いまや私はキサラタンと切っても切れない関係だ。
 
 さて、今回の視野検査は東京に戻ってきてから初めて。医師が「当院にも最新の検査装置があります」とやや自慢げに言いながら、診察室の隅から黒いカバーの機械を引っ張り出してきた。椅子に座って検査を受ける。結果は――異常なし。あっさりと「問題ありません」と告げられた。
 
 処方箋を受け取り、いつもの薬局でキサラタンのほか、白内障予防のピレノキシン、乾燥対策のヒアレインと、合計3種類の目薬を受け取って帰宅。今日も無事、一件落着である。
 
 年を重ねると、病院通いが日常になるのは自然な流れだろう。私もご多分に漏れず、2カ月ごとのがんの定期検査や、半年ごとの脊髄小脳変性症の診察が控えている。幸いにも、がんの方はここ2年間“無罪放免”が続いている。神経のほうは徐々に進行中だが、治療法はなく、医師もただ「見守りましょう」と言うだけだ。
 
 それでも、血圧も血糖値も、78歳にしては申し分ないほどに安定している。悪いところもあれば、いいところもある。
 
 今日もまた、キサラタンの小瓶を握りしめながら、「まあ、こんなもんだろう」と静かに笑う自分がいる。

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