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「賞が欲しい」作家心理

  文藝春秋3月号に村山由佳さんのインタビュー記事がある。
 記事の題は・・・・
 
 日本の顔インタビュー 村山由佳
「賞が欲しい」作家心理をさらけだした
―ひた隠しに隠してきた「承認欲求」-
 
 以下、冒頭の村山さん紹介文です・・・・
 昨年、還暦を迎えた村山さん。2003年「星々の舟」で第129回直木賞を受賞し、その後も「ダブルファンタジー」(柴田錬三郎賞・中央公論文藝賞・島清恋愛文藝賞)・・・常に話題作を刊行し続ける。デビュー作から32年目となる今年、「直木賞が欲しい」と切望する女性小説家を描く「PRIZE-プライズー」を上程した。
 
 昨年「星々の舟」を読んだ時の、我が読書録の三行コメントは、「徴兵されて中国での戦争体験をもつ水島重之と家族の、6編の恋愛短編が全体として重之の物語になっている。全ての恋愛は成就しない、幸せではないが、当事者は納得しており、不幸だとは言い切れない。」と書いているが、「幸福とは呼べぬ幸せも、あるのかもしれない」の一文は印象深い。
 
 続けて「ダブルファンタジー」も読んだが、エロティックなシーンの連続で、正直、辟易だった。わが読書記録にも見当たらない。
 
 文藝春秋のインタビュー記事から抜粋します・・・・
 ・・・自分に自信がなく、「褒められたがり」でもある。そうした承認欲求のうち、なかでもいちばん人に隠し持ってきたものって何だったのかろうと思い起すと、私にとってそれは「賞が欲しい」でした。だって、「村山さんって身の程知らずだね。賞になんか届くわけないのに」なんて業界の人に思われたら、絶対に嫌じゃないですか。
 連載が(直木賞の発表母体である)「オール読物」でしたから「直木賞がどうしても欲しい」と切望する女性作家を主人公に据えることにしました。
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 新たな連載小説は以下のようなものだとか・・・・
 「プライズ」の主人公は軽井沢在住、48歳の作家、天羽カイン。ライトノベルの新人賞でデビューし、たちまちベストセラー作家になるが、なぜか文学賞に届かない。「どうして自分は評価されないのか」と怒りの炎を燃やしつつ、若い女性編集者とタッグを組んで直木賞を目指して疾走する。
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 以下、直木賞を受賞してからの心情を述べています。・・・・
 直木賞ってわかりやすい名刺みたいなもので、いただくと仕事がやりやすくなるんです。・・・
 あとはやっぱり、ちょっとした自信がもてたかな。若い頃から綺羅星のような作家たちと同じところに、「村山由佳」の看板をならべることができるかもしれないという自負や野心。・・・
 他方で、さらなる不安も生まれました。直木賞をいただいた「星々の舟」は、それまでの青春小説とはだいぶ毛色が違い・・・重たいテーマにも筆をのばした作品でした。それが賞を受けたということは、次に何を書くべきなのか、迷いが生じたのです。・・・
 結局、賞をいただいても、本が売れても、次なる道をどう切り開いていくかは私しだい。迷いは常に生じます。新しいチャレンジをするたび、自分の納得だけでは不安で、誰かに認めて欲しいし、わかりやすいご褒美だって欲しい。
 「認められたい」「褒められたい」がまた次の挑戦へと作家を突き動かしてくれるのも事実で、承認欲求は決して悪いものじゃない。最近、ようやくそれがわかってきました。
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 当方も、任された会社を優良会社に立て直して一段落する都度、それで終わりではなく、この後はどうするか、どうすれば更に飛躍できるか、社内外に認められるかを考えていました。結果から見るとそれが、次の飛躍につながったと思うと、確かに承認欲求は悪いものではないです。
 
 インタビューは多岐に及び・・・
彼女は3回結婚しており、現在のパートナーは幼馴染。今は変な緊張感がなく、当り前の毎日であり、一日の時間の中で「書くこと」が特別ではない。初めて地に足がついた暮らしを送れている実感があるとのこと。
 その他、「ダブルファンタジー」を書いた後の不安、最初の夫の極端な介入、北方謙三さんから軍用モデルガンをいただいた経緯など、諸々が語られており、なかなか面白く読みがいがある。
 
 文藝春秋3月号は芥川賞2作が掲載されているから、ぶ厚く、特別定価1,750円・・・・当方は文藝春秋とは何の利害関係もありません。念の為!


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