所有なき2400兆円の虚飾――中国不動産、砂上の楼閣の終焉。
中国の不動産バブル崩壊の本質は、日本の事例とは比較にならないほど危うい構造の上に成り立っています。その決定的な違いは、中国において土地は国家のものであり、国民は「土地使用権」を借りているに過ぎないという点にあります。この「土地公有制」という前提がある限り、積み上げられた巨額の不動産価値は、まさに実体のない「砂上の楼閣」に他なりません。
2015年以降、中国は無限の人口増を神話としてGDPの3割を不動産投資に注ぎ込み、年間1億戸という異常なペースで建設を続けてきました。しかし、実需を担う30歳代の人口減少という構造変化により、建設された住宅の約3割が売れ残る長期在庫へと変貌しました。2023年までの8年間で累積した在庫は2億4000万戸に達すると推計され、1戸あたり1000万円の損失で見積もっても、不良債権額は中国の年間GDPに匹敵する2400兆円という天文学的な数字に膨れ上がります。
この出鱈目なバブルの惨状を象徴する、ある私の知人の例があります。その中国人の友人は、億単位の資金を投じて新築の高級マンションを購入しました。しかし、購入後初めてのお披露目会がたまたま台風の日と重なったところ、ベランダから大量の雨水が浸水し、部屋が台無しになってしまったのです。さらに絶望的なのは、その物件が発売までに5段階もの建設・不動産業者を経由していたことで、責任の所在が曖昧になり、クレームの対象にすらならなかったことです。
日本のバブル崩壊は私有財産の価値下落でしたが、中国は「国家から借りた土地」の上に、杜撰な品質の建物を乱造し負債を積み上げた歪な構造です。土地が公有である以上、需給が逆転すれば資産価値の論理は一気に崩壊します。現在は、巨大な不良債権と品質への不信感からデフレ型不況に陥っており、出口の見えない構造的な沈滞が続いています。
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