【2024年10月、双葉大熊富岡取材その12】大野スクリーニング場とCREVAおおくま
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初めて見た廃屋
KUMA・PRE前の高線量に驚きつつ少し北へ進むと、工場のような家が見えた。大野駅周辺は歩き倒したつもりだったが、ここは知らなかった… 大野駅のそばには、家庭の事情でまだ未除染の場所もあるが、ここもそうなのだろうか。解体されるような気配がない。入口付近を見ると、一度は除染されたような気配があり、中も少し片付けた形跡があり、実際、空間線量自体も、震災前よりはるかに高いとはいえ(0.8〜2.0μSv/hほど)、未除染の場所ほどではない。




まだこんな場所が残っていたのかという驚きと同時に、駅周辺の変貌ぶりとの格差にも怒りのようなものが湧いてきた。

















大野病院とスクリーニング場
やりきれない思いで大野病院の脇を歩いて駅の東口方面へ向かうと、大野スクリーニング場が見えた。朝礼を行なっている。スクリーニング場は確か朝8時にはオープンするので、その前の朝礼だろう。




大川原地区に近い場所に移転されるという。
ネットに蔓延るデマ
ネットでは「帰還困難区域が未だに存在するのは高線量だからではなく、防犯のため」というデマが出回っている。このデマは、僕が福島に通い始めた頃の2015年にはもう既にあった。南相馬などに足繁く通っているボランティアや、右派系の雑誌などに執筆している(自称)ジャーナリストもそうしたデマの拡散を行なっている。双葉にある原子力災害伝承館でも、中通りの福島市の空間線量を掲示して「世界の各都市と比較して変わりない」などと喧伝してるため、騙される人が多い。福島市は中通りであり、ここ双葉郡は浜通りであって、同じ福島でもだいぶ離れているというのに。
こうしたスクリーニング場が存在するのも、帰還困難区域が高線量だからこそだ。ここでは、簡易的な防護服を受け取ることが出来るし、帰還困難区域から出てきた際は、車のタイヤや靴の裏をスクリーニングして、基準以上の汚染がないか確認することが出来る。高濃度の汚染が発見された場合は、ここで除染が行われる。
かつて帰還困難区域への入域には、スクリーニング場を通過する義務があった(公益目的での入域許可証を持つ人は任意)。しかし2020年の常磐線全通と前後して行われた立入規制緩和以降、全ての人が義務ではなく任意になったため、「防犯のため」というデマが補強されることとなってしまった。実際には、大熊町には今も1.0mSv/h(1000μSv/h)を超える汚染が残っているというのに(小豆川勝見東大助教による調査)。
今も高線量のために帰ることが出来ない帰還困難区域に住んでいた住民にとって、こうしたデマは誹謗中傷につながることもあり許されることではないのだが、原発事故後の国の「被曝防護」といった観点が完全に欠落した棄民ともいうべき帰還政策によって、今も心無いデマが野放しにされている。
CREVAおおくま










巨大建造物、CREVAおおくまの脇の道を歩きながら手元の線量計を見ると、0.5〜1.0μSv/hほどだった。これは人が暮らしていい数値ではないと思うのだが(何より帰還困難区域が近すぎる)、この国は、立ち止まることなく暴走を続けるのだろう。

<続く>
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