音符「中・・・チュウ」のイメージは「まんなか」 「音符カルタ+トランプ」の作成から_No.1-13
「中」は「チュウ」と読む。字素とみても「チュウ」と読む。分類字素(部・部首)として扱われないので,「中」とあれば「チュウ」と読める。
中央
昆虫
仲裁
忠実
沖積世
折衷
ただ,なじみのある熟語で「沖」を「チュウ」と読む語がない。もともとの意味は「むなしい/ふかい/おさない/おだやか」の意味だった。「おき」と読むのは日本で付けられた意味で,こちらの意味の方が一般的になっている。「沖積世」[*1]もかなり無理した事例だ。でも,「沖天」なんて言葉は今回字書を引いて初めて知った言葉だ。[*2]今まで使ったことがない。
*1 約1万年前から現在までの地質時代区分
*2 天に向かって高く上がること
中
・・・字源は「軍隊の中央に立てた旗」から作られた。「まんなか」を分かりやすくするために旗竿を上下に伸ばしてある。

虫
・・・一方,「虫」の方は「頭の大きなヘビがかま首を持ち上げた姿」から作られた。ヘビが「虫」の代表となった。字源が違うのだから,「中」の中に入れたくなかった。でも,「チュウ」と読むし,「中」という字素もあるので入れた。
普通の漢和辞典には「虫」が分類字素(部首)として採用されている。しかし,「虫」部には「チュウ」と読む字はない。[*3]そのため,「虫」部に所属する他の字(例えば,「虱/虹/虻蚕/蚤/蛀/蛇/蛍・・・」など)は入れてない。
〈「虫」の音はもともと違った読み方だったのに,「中」を音符と間違えて「チュウ」と読んでしまっただけじゃないか?〉と思っている。
*3 厳密に言えば「蜘蛛(くも)」を「チチュウ」とよむことがある。これも本来は「チシュ」からの音韻変化で解釈できる。
仲
・・・「まんなか」を「あいだ」と考えれば,「仲」は「人と人とのあいだ」となる。
忠
・・・「まんなかの心」は真心であり,心をこめてつとめる意味になる。
衷
・・・研究会に「牧 衷」さんがいたので少しはなじみがある字になる。
この字がおもしろいのは「衷」を文字通り,上中下に分けた⿳ときの中に「中」が来ている。上と下で「衣」になっている。

衣服の真ん中なのでこれで真ん中の心・真心を意味している。
もともと「衣」は着る物なので中にいろいろな字が入る。そのときに上下に分けて入れている字がある。
表
・・・「衣」で土が付く方が「表」となる。

裏
・・・ 「衣」のうち(里)が「裏」となる。

哀
・・・ 口に出せずに「衣」の内に秘めるのは「哀しい」となる。

衰
・・・「真ん中から垂れ下がる様子」を表したのが「衰」。衰えた様子を意味した。

「褒める」は「衣」の中に「保」が入る。

こういう字もあるから,部首カルタで「衤=ころもへん」とだけ覚えたのでは部首の理解に役立たないわけだ。「衣」部にはいろいろな部員がいるのです。
