見出し画像

住宅ローンを考える<4> :「借りられる額」と「買っていい額」は、まったく別もの

住宅ローン検討で最初に起きる勘違い



いま全体のどこにいるか(ミニ地図)

  • 第1話:住宅ローンの不安を言葉にした

  • 第2話:その不安は多くの人が共有していると確認した

  • 第3話:住宅購入にかかるお金の全体像を整理した

  • 第4話:借りられる額と、買っていい額の違い ← いまここ

  • 第5話:住宅ローンの選び方

  • 第6話:借り換えと繰上げ返済


第3話では、
住宅購入には「物件価格」以外にも
さまざまなお金がかかることを整理しました。

ここまでで、
「いくらの家を買うか」だけで
住宅ローンを考えるのは危険だ、
という土台はできています。

そのうえで、
多くの人が次に直面するのが、このテーマです。


「いくらまで借りられますか?」

住宅ローンの相談で、
ほぼ必ず出てくる質問です。

金融機関に相談すると、年収や勤続年数をもとに
「このくらいまで借りられますよ」
という金額が示されます。

ここで、多くの人がこう思ってしまいます。

「じゃあ、その金額で家を探せばいいんだ」

ですが、FP協会のワークブックでは、
この考え方に明確にブレーキをかけています。


借りられる額 = 買っていい額、ではない

金融機関が示す「借りられる額」は、
あくまで 審査上の上限 です。

  • この金額までなら返済不能になるリスクが低い

  • 銀行として貸せる

という基準で計算されています。

一方で、
私たちが考えるべきなのは、
自分たちの生活が無理なく続くか です。

この2つは、
似ているようで、まったく違います。


出発点は「今の住居費」

FP協会のワークブックでは、
次のような考え方が示されています。

まず確認すべきは、
今いくら住居費を払っているか。

  • 現在の家賃

  • 住宅購入のために積み立てている金額

= これまで無理なく払えていた水準

日本FP協会「くらしとお金のワークブック」から


これが、
「自分にとっての現実的な基準」になります。


月々の返済額を先に決める


ここで、順番が逆にならないようにします。

❌ 借入額を先に決める
⭕ 毎月の返済額を先に決める

たとえば、
・毎月15万円までなら、家計を圧迫せずに払えそう
・教育費や貯蓄も両立できそう

こうした 生活感覚に合う金額 が、
住宅ローン設計のスタート地点です。


返済負担率という考え方

返済額を考える際に、
一つの目安として使われるのが
返済負担率 です。

これは、
年間返済額 ÷ 年収
で計算されます。

FP協会のワークブックでは、
25%以内 を一つの目安としています。

日本FP協会「くらしとお金のワークブック」から

たとえば、
年収600万円
→ 年間返済額150万円
→ 月々約12.5万円

これはあくまで目安であり、

  • 家族構成

  • 教育費

  • 貯蓄状況

によって、
適正水準は人それぞれ違います。


返済額から「借入可能額」を逆算する

月々の返済額が見えてきたら、
そこから借入可能額を逆算します。

ここで初めて、
・金利
・返済期間
といった条件が登場します。

同じ月15万円の返済でも、
・金利が低ければ借入額は増える
・返済期間が長ければ借入額は増える

つまり、
借入額は「結果」であって、
最初に決めるものではない
ということです。


「余裕」は数字に表れにくい

もう一つ、
とても大切な視点があります。

それは、
ギリギリ払える状態と、
余裕をもって払える状態は違う

ということです。
・急な出費
・収入の一時的な減少
・生活スタイルの変化

こうしたことは、
住宅ローンを組んだあとに 必ず起こります。

そのときに、
「まだ余裕がある」と思えるかどうか。

これが、
「買っていい額」を考えるうえで
最大のポイントです。

日本FP協会「くらしとお金のワークブック」から



第4話のまとめ

  • 借りられる額は、銀行の基準

  • 買っていい額は、生活の基準

  • 出発点は、今の住居費

  • 月々の返済額を先に決める

  • 借入額は、あとから決まる

住宅ローンは、
大きな金額の話だからこそ、
順番を間違えると不安が増えます。


次回予告

次回は、
ここまで整理した

  • 借入額

  • 返済額

  • 返済期間

を踏まえたうえで、
住宅ローンそのものの選び方
に進みます。

変動か固定か、
という話も、
この土台の上で整理していきます。

いいなと思ったら応援しよう!

西そうた 読んでいて、「気づきがあった」「背中を押された」「次の一歩が浮かんだ」──そんな瞬間があれば、“ナッツ1袋”くらいいただけると、とても励みになります! 〜ナッツ?脳が冴えます!😆