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インプットが足りない文章は、だいたい薄味になる

文章にも、薄味というものがある。

最初の一文を読んで「あ、なんか良さそう」と思ったのに、読み進めるうちに「あれ…?」と首をかしげる。

悪くはない。ちゃんと意味も通っている。
でも、何かが足りない。スパイスもコクもない。そんな文章だ。

料理に例えると、見た目はカレーなのに、食べるとただの茶色いお湯みたいな感じ。

玉ねぎもトマトも肉も、ちゃんと入っているはずなのに、味がぼんやりしている。

あれはなぜ起きるのか。

原因はだいたい、インプット不足である。


書くというのは、頭の中にあるネタやアイデア、語彙や描写を材料にして、それらを組み合わせる作業だ。

材料が少なければ、組み合わせも単調になる。

「この文章、なんか見たことあるな」という既視感が漂うのは、大抵ネタの引き出しが少ないせいだ。

たとえば、冷蔵庫がほぼ空っぽの状態を想像してほしい。

入っているのは卵1個と、しなしなのネギ。

「よし、これでごちそうを作ろう!」と言われても、そもそも無理がある。
頑張っても卵スープが関の山だ。

文章も同じで、ネタの“冷蔵庫”が空っぽだと、どうしても薄味になる。


昔、ある記事で作家の石田衣良さん(『池袋ウエストゲートパーク』シリーズで有名)がこう語っていたのをうっすら覚えている。

書きたい人は読みたい人でもあると思うのです。恋愛小説が書きたい人は恋愛小説を。ホラー小説が書きたい人はホラー小説を。ミステリー小説が書きたい人はミステリー小説を。最低1000冊は読んだほうがいいと思います」

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