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工事業者が知っておくべき建設業許可の基本|いつから許可が必要になるのか広島の行政書士が、建設業許可の「必要かどうか」の判断基準をわかりやすく解説します。

この記事を書いた人
西岡 祐也(にしおか ゆうや)
広島市中区大手町を拠点とする行政書士。元警察官として10年以上勤務した経歴を持ち、法令遵守と正確な書類作成を強みとする。現在は、広島市のバーに必要な風営法許可や建設業許可など、許認可手続きの専門家として、地域ビジネスの立ち上げを支援している。


はじめに

前回の記事(入門編)では、建設業許可が必要になる工事の規模と業種区分についてお伝えしました。

今回は「実際に許可を取るためには何が必要で、どんな書類を用意して、どのくらいかかるのか」を具体的に解説します。

建設業許可の申請は、5つの許可要件をすべて満たすことが前提です。まずご自身が要件を満たしているかを確認してから、書類準備に入ることが重要です。

許可取得の5つの要件

建設業許可を取得するためには、次の5つの要件をすべて満たす必要があります。

要件① 経営業務の管理責任者がいること

建設業の経営経験を持つ人物が、常勤の役員または個人事業主として存在することが必要です。

経営業務管理責任者(経管)の主な要件

  • 許可を受けようとする業種で5年以上の経営経験がある

  • 許可を受けようとする業種以外の建設業で6年以上の経営経験がある

  • その他、国土交通省令で定める要件を満たす者

「経営経験」とは、法人の取締役・個人事業主・執行役員などとして建設業を営んできた経験を指します。現場の職人としての経験は、この要件の経営経験には含まれません。

要件② 専任技術者がいること

営業所ごとに、専任の技術者を配置する必要があります。専任技術者は、許可を受けようとする業種ごとに必要です。

専任技術者(専技)の主な要件(一般建設業の場合)

次のいずれかに該当すること:

  • 国家資格(施工管理技士・建築士・電気工事士等)を保有している

  • 許可を受けようとする業種に関する学科を卒業し、一定の実務経験がある(高校卒業で5年、大学・高専卒業で3年)

  • 10年以上の実務経験がある

専任技術者は、原則として常勤かつ専任であることが必要です。他の営業所の専任技術者との兼務はできません。

要件③ 誠実性があること

申請者(法人の場合は役員等)が、請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれが明らかでないことが求められます。過去に詐欺・脅迫等の行為があった場合は要件を満たせないことがあります。

要件④ 財産的基礎があること

一定の財産的基礎または金銭的信用があることが必要です。

一般建設業の場合(次のいずれかを満たすこと)

  • 自己資本(純資産)が500万円以上

  • 500万円以上の資金調達能力がある(金融機関の残高証明書等)

  • 許可申請の直前5年間、許可を受けて継続して営業した実績がある

新規申請で自己資本が500万円に満たない場合でも、銀行の残高証明書で500万円以上の預金残高を証明することで要件を満たすことができます。

要件⑤ 欠格要件に該当しないこと

次のような欠格要件に該当する場合は、許可を受けることができません。

  • 成年被後見人・被保佐人

  • 破産手続き開始の決定を受けて復権していない

  • 建設業法違反等で罰金刑以上の刑に処せられ、刑の執行が終わった日から5年を経過していない

  • 許可を取り消されてから5年を経過していない

申請の流れ(5ステップ)

STEP 1 要件の確認・証明書類の整理
     ↓
STEP 2 申請書類の収集・作成
     ↓
STEP 3 広島県土木建築局(または広島市)への申請書提出
     ↓
STEP 4 審査・補正対応
     ↓
STEP 5 許可通知書の受領・営業開始

STEP 1 要件の確認・証明書類の整理

5つの要件を満たしているかを確認し、それを証明するための書類を洗い出します。特に経営業務管理責任者・専任技術者の要件確認と証明書類の準備に時間がかかることが多いです。

STEP 2 申請書類の収集・作成

申請書類の種類は多岐にわたります(詳細は次項参照)。過去の確定申告書・工事経歴書・卒業証明書など、手元にない書類を取り寄せる必要があることがあります。

STEP 3 申請書提出

広島県知事許可の場合、広島県土木建築局建設産業課または各地域事務所への提出となります。広島市内の業者でも、申請先は広島市ではなく広島県となります。

STEP 4 審査・補正対応

提出後、審査担当者による書類確認が行われます。不備・不足がある場合は補正指示が入ります。補正対応を速やかに行うことが、処理期間の短縮につながります。

STEP 5 許可通知書の受領

審査が完了すると許可通知書が交付されます。許可番号が付与された日から建設業許可業者として営業できます。

必要書類チェックリスト

申請書類(作成するもの)

  • 建設業許可申請書(様式第1号)

  • 工事経歴書(様式第2号)

  • 直前3年の各事業年度における工事施工金額(様式第3号)

  • 使用人数(様式第4号)

  • 誓約書(様式第6号)

  • 経営業務管理責任者証明書(様式第7号)

  • 専任技術者証明書(様式第8号)

  • 財務諸表(法人用・個人用)

経営業務管理責任者に関する書類

  • 経営経験を証明する書類(法人の場合:登記事項証明書・確定申告書等)

  • 常勤性を確認する書類(健康保険証・住民票等)

専任技術者に関する書類

  • 資格を証明する書類(合格証・免許証等)

  • 実務経験を証明する書類(請負契約書・工事台帳等)

  • 常勤性を確認する書類(健康保険証等)

財産的基礎に関する書類

  • 直近の決算書(法人)または確定申告書(個人)

  • 残高証明書(自己資本500万円未満の場合)

その他

  • 登記事項証明書(法人の場合)

  • 定款(法人の場合)

  • 身分証明書(本籍地の市区町村役場で取得)

  • 登記されていないことの証明書(法務局で取得)

  • 営業所の写真・賃貸借契約書

審査期間と申請手数料

審査期間の目安

許可の種類標準処理期間の目安知事許可(新規)30〜45日程度大臣許可(新規)90〜120日程度

書類不備による補正があった場合は期間が延長されます。

申請手数料

許可の種類手数料知事許可(新規)90,000円知事許可(更新)50,000円大臣許可(新規)150,000円

行政書士への依頼費用の目安

手続きの種類報酬の目安(税別)知事許可・新規申請(1業種)10万〜15万円程度知事許可・更新申請5万〜8万円程度業種追加・変更届3万〜5万円程度

たまにとってもお安い金額で依頼を受けておられる行政書士の方がいらっしゃいます。
そういった事務所はHPを見ると必要な書類作成を細分化して一見安いように見えるという工夫をしていたりすることがほとんどです。

しっかり確認しましょう。

そして、許可が取れなければお金を返します!

といううたい文句の行政書士事務所もありますが、要件さえ満たしていれば必ず取得できるのが建設業許可です。

要するに、最初からお金を返す気はないのにわざわざ記載していますので、まるで親切な事務所のように装っているとも言えます。

よくある要件の落とし穴

「実務経験10年」の証明が難しい

実務経験は、工事ごとの契約書・注文書・請求書などで期間と内容を証明する必要があります。過去の書類を保管していない場合、証明が困難になります。電子データでも可能なケースがありますので、早めに書類の状況を確認してください。

専任技術者と経営業務管理責任者を兼ねる場合

個人事業主や小規模な法人では、代表者が両方を兼ねるケースが多くあります。これ自体は認められていますが、常勤性の証明が重要になります。

許可取得後の「決算変更届」の義務を見落とす

建設業許可を取得した後は、毎事業年度終了後4ヶ月以内に決算変更届を提出する義務があります。これを怠ると、許可の更新ができなくなる場合があります。

まとめ

  • 許可取得には5つの要件をすべて満たすことが前提

  • 経営業務管理責任者・専任技術者の要件確認と証明書類の準備が最大のポイント

  • 審査期間は知事許可で30〜45日程度

  • 許可取得後も毎年の決算変更届など継続的な手続き義務がある

次回予告

次回は「建設業許可の更新・変更手続きと、許可取得後に起きやすいトラブル」をお届けします。許可を維持し続けるために必要なことを詳しく解説します。

建設業許可の申請は西岡行政書士事務所へ

元広島県警察官・行政書士 西岡祐也
広島市中区大手町4-6-22
📞 090-8068-8527 🔗 LINEでのお問い合わせはこちら

要件を満たしているかどうかの確認から、書類収集・申請代行まで一括してお任せいただけます。

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