古物商許可の申請手続きを解説|必要書類・期間・費用のすべて
この記事を書いた人
西岡 祐也(にしおか ゆうや)
広島市中区大手町を拠点とする行政書士。元警察官として10年以上勤務した経歴を持ち、法令遵守と正確な書類作成を強みとする。現在は、足場設置に必要な道路使用許可や古物商許可など、許認可手続きの専門家として、地域ビジネスの立ち上げを支援している。
はじめに
前回の記事(入門編)では、古物商許可が必要なケースと「古物」の定義についてお伝えしました。
今回は「実際に許可を取るには何をすればいいのか」という手続きの全体像を、具体的に解説します。
古物商許可の申請は、建設業許可や風営法の許可と比べると書類は比較的少なめです。ただし、警察署での事前相談や添付書類の取得に時間がかかるため、申請から許可まで40日前後を見込んでおく必要があります。
申請の流れ
STEP 1 営業所の確保・取扱品目の決定
↓
STEP 2 管轄警察署(生活安全課)への事前相談
↓
STEP 3 必要書類の収集・作成
↓
STEP 4 警察署への申請書類の提出・手数料納付
↓
STEP 5 審査・許可証の受領STEP 1 営業所の確保・取扱品目の決定
まず、営業所(事業の拠点)を決めます。自宅を営業所とすることも可能ですが、賃貸物件の場合は使用承諾が必要になることがあります。
あわせて、扱う古物の品目を決めます。13品目のうち主に扱うものを「主たる取扱品目」として申請します。
STEP 2 管轄警察署(生活安全課)への事前相談
営業所を管轄する警察署の生活安全課に事前相談をすることをおすすめします。書類の様式・記載方法・営業所として認められるかなどを事前に確認できます。
私の経験上、事前相談をしておくと申請がスムーズに進みます。特に営業所の使用権限(賃貸物件・自宅など)の扱いは、事前に確認しておくと安心です。
STEP 3 必要書類の収集・作成
申請書類を収集・作成します(詳細は次項参照)。住民票や身分証明書など、市区町村役場や本籍地で取得する書類が含まれるため、早めに着手してください。
STEP 4 警察署への申請書類の提出・手数料納付
管轄警察署の生活安全課に申請書類一式を提出し、申請手数料を納付します。書類に不備があるとその場で指摘されます。
STEP 5 審査・許可証の受領
審査期間は標準で40日程度(土日祝を除く)です。審査が完了すると許可証が交付されます。許可証を受け取ると、古物商として営業を開始できます。
必要書類チェックリスト
個人で申請する場合
作成するもの
古物商許可申請書(別記様式第1号)
略歴書(過去5年分の経歴)
誓約書(欠格事由に該当しないことの誓約)
取得・添付するもの
住民票の写し(本籍地記載・マイナンバー記載なしのもの)
身分証明書(本籍地の市区町村役場で取得)
営業所の賃貸借契約書の写し(賃貸の場合)
URLの使用権限を疎明する資料(ネット販売の場合)
法人で申請する場合の追加書類
法人の登記事項証明書
定款の写し(事業目的に古物営業に関する記載が必要)
役員全員分の住民票・身分証明書・略歴書・誓約書
管理者に関する書類
管理者の住民票・身分証明書・略歴書・誓約書
ポイント:身分証明書は運転免許証ではなく、本籍地の市区町村役場が発行する「身分証明書」(破産手続き開始の決定を受けていないこと等を証明するもの)です。混同しやすいので注意してください。
営業所と管理者について
営業所
古物商は営業所を定める必要があります。自宅でも可能ですが、次の点に注意してください。
賃貸物件の場合、契約上「住居専用」となっていると、営業所として認められないことがあります。事前に大家・管理会社の承諾を得ておくと安心です。
バーチャルオフィスは営業所として認められないことが多いです。
管理者
各営業所には、業務を適正に管理する管理者を1名置く必要があります。営業所の責任者となる人で、個人事業主本人が管理者を兼ねることもできます。管理者は欠格事由に該当しないことが必要です。
ネット販売(URL届出)の注意点
ホームページやネットショップ、フリマアプリのIDなどを使って古物を売買する場合、申請時にそのURL等の使用権限を疎明する資料の提出が必要です。
独自ドメインの場合:ドメイン登録情報(WHOIS)のプリントアウトなど
プロバイダ・モールの場合:登録通知メールのプリントアウトなど
自分がそのURLを使用する正当な権限を持っていることを示す書類が必要になります。
申請手数料
古物商許可の申請手数料は、19,000円です(全国共通)。
これは申請時に納付するもので、許可が下りなかった場合でも返還されません。だからこそ、事前相談で要件を満たしているかを確認しておくことが大切です。
行政書士への依頼費用の目安
手続きの種類報酬の目安(税別)古物商許可申請(個人)4万〜6万円程度古物商許可申請(法人)6万〜10万円程度変更届・書換申請1万〜3万円程度
※書類取得の代行の有無などにより変動します。
審査期間の目安
区分審査期間の目安古物商許可(新規)約40日(土日祝を除く)
書類不備や追加確認があると延長されることがあります。開業予定日から逆算して、余裕を持って2ヶ月前には申請を始めることをおすすめします。
欠格事由に注意
次のような欠格事由に該当すると、許可を受けられません。
破産手続き開始の決定を受けて復権を得ていない
一定の犯罪歴がある(窃盗罪などで罰金刑以上を受け一定期間が経過していない等)
暴力団員またはその関係者
住居の定まらない者
過去に古物商許可を取り消されてから5年を経過していない
法人の場合は役員全員が、また管理者も欠格事由に該当しないことが必要です。
まとめ
申請窓口は営業所を管轄する警察署の生活安全課
申請手数料は19,000円(不許可でも返還なし)
審査期間は約40日(土日祝を除く)
営業所の使用権限・ネット販売のURL疎明資料の準備に注意
法人は役員全員・管理者の欠格事由の確認が必要
次回予告
次回は「元警察官が教える古物商の義務|帳簿・本人確認・盗品対策のすべて」をお届けします。許可取得後に必ず守るべき義務を、取り締まる側の視点から解説します。
古物商許可の申請は西岡行政書士事務所へ
元広島県警察官・行政書士 西岡祐也
広島市中区大手町4-6-22
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