あの フォトブック「pegasus02 あの x 松岡一哲」

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◆ あの、フィクションと現実の狭間を漂う『pegasus02 あの x 松岡一哲』
『pegasus02 あの x 松岡一哲』は、ミュージシャン、モデル、女優として多彩な表現を続ける“あの”を、写真家・松岡一哲が全編フィルムで撮り下ろしたフォトブックである。シリーズ「pegasus」は、一人の写真家が一人の女性を一冊まるごと見つめるというコンセプトで展開されており、本作はその第2弾。B4サイズの大判フォーマットに収められた写真群は、あのという存在の“いま”を、圧倒的な密度とスケールで描き出している。
◆ 変幻自在な“あの”の現在地をフィルムで封じ込める
本作の最大の魅力は、あのの予測不能な変化を余すことなく捉えている点にある。無邪気さと妖しさ、透明感と強さ、孤独と親密さ——相反する要素が同居する彼女の姿は、まるで一冊の中に複数の“あの”が存在しているかのようだ。松岡のレンズは、その瞬間ごとの表情や佇まいを逃さず、ページをめくるたびに新たな物語が立ち上がるような感覚を呼び起こす。
◆ フィルムでしか捉えられない質感と時間
全カットがフィルムで撮影された本作は、粒子の揺らぎや光の滲みといった、デジタルでは再現しきれない質感が画面に深みを与えている。あのの肌の温度、衣服の重なり、背景の空気感までもが、フィルムならではの柔らかさと緊張感で立ち上がる。写真が“記録”ではなく“体験”として迫ってくるのは、このアナログな手法がもたらす時間の厚みゆえだろう。
◆ フィクションと現実の境界を曖昧にする構成
あのの存在は、現実に確かに存在しながらも、どこか夢の中の人物のように感じられる。本作では、そうした彼女の“曖昧さ”が意識的に演出されている。日常のようで非日常、素顔のようで演技、現実のようでフィクション。松岡はその境界を巧みに写し取り、見る者を“あの”という存在のリアルと幻想のあわいへと誘う。
◆ あの自身が語る“浮遊の中のきらめき”
本作に寄せた本人の言葉に、「自分はそこに存在し自分は自分にしかなれないのに、なぜだか何にでもなれちゃうんじゃないか、浮遊の中のきらめきを是非皆様も堪能して欲しいです」とあるように、あのは自らの多面性を肯定し、受け入れている。写真集はその言葉を裏打ちするように、彼女の“なにものにもなれる”可能性と、“なにものでもない”自由さを映し出している。
◆ まとめ
『pegasus02 あの x 松岡一哲』は、あのという存在の“いま”を、フィルムの質感と写真家のまなざしによって封じ込めた、濃密で詩的なフォトブックである。変幻自在な表情、フィクションと現実の狭間に漂う佇まい、そしてページをめくるたびに現れる新たな“あの”。それは単なる記録ではなく、見る者の内面に静かに波紋を広げる“体験”であり、“あの”という存在の深度を知るための、ひとつの鍵となる。写真というメディアの可能性を再確認させてくれる、静かで力強い一冊だ。
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