“勉強を頑張ると浮く”田舎で、小さな塾ができること|学びたい子の「避難所」「隠れ家」

「田舎に塾は必要ない」のだろうか
「田舎は受験競争なんて関係ない」
「高校は定員割れ。勉強せんでも行ける」
「そのまま農業や漁業、地元の仕事に就けば食べていける」
日進塾の所在地は、いわゆる「田舎」です。
上のように考える家庭が多いのも、無理はありません。
塾は都会の話。受験競争に子どもを巻き込み、お金を取る場所。
ましてや、田舎の小さな個人塾など、不要ではないか──。
けれど、
日々子どもたちと向き合っていると、
「そうじゃないな」と感じる場面があります。
それは、
―(もっと学びたい)
―(もっと深く知りたい)
―(上を目指したい)
と静かに、ひそかに思っている子どもたちの存在です。
日進塾の日常|好奇心を存分に出してよい空間
―とある日の塾での一幕です。
「先生―。今から学校の宿題やってよかね?」
「なんね、ダメに決まっとるどか」
「えー、今日数学の宿題がたいが(いっぱい)出たけん、やらんと間に合わんもん」
「ちょっと見せてみ。ああ、これなら〇〇使えばイッパツで解けるばい」
「なにそれ、すご!」
「お前はまだ習っとらんけんね(ニヤリ)」
「じゃあ、今日はそれしてよかね!?」
「よかよ。じゃあこればまず解いてみ」
正直、ここまで好奇心が前に出る子は稀です。
けれど、遠からず、こういう生徒は定期的に現れます。
こういった子どもたちは、塾という空間で、自分の力を思う存分伸ばしていきます。
本人にその自覚がなくても、確実に。
学校や家では見せない顔。
集中し、試し、考え、静かに燃えている姿。
それは偏差値の高低とは関係ありません。
「できる子」も、「まだ伸びきっていない子」も、この場所では落ち着いて、自分と、学問と向き合っています。
ここは彼らにとって、隠れ家であり、避難所なのだと感じる瞬間です。
田舎の小さな塾は「学びたい子の避難所」
田舎ではどうしても、「学業で上を目指したい」という気持ちは目立ちにくくなります。
勉強を頑張ると、
「意味ないし」
「弱そうw」
「かっこ悪くない?」
「モテないでしょ」
「ダサくない?」
そんな空気が、今も完全には消えていません。(何処とは言いませんが)
だからこそ、本当は好奇心があり、向上心がある子どもたちは、静かに息を潜めています。
親にも学校にも言えません。
笑われない場所、安心して頑張れる場所を、無意識に探しています。
田舎の小さな塾の役割は、受験競争を煽ることではありません。
学びたい子が、安心して学問と向き合える逃げ場を用意することです。
災害時に避難所が必要なように、子どもたちにも、学校と家庭以外の「緩衝地帯」「サードプレイス」が必要です。
それは決して贅沢ではありません。
どんな田舎にも、知的好奇心や向上心を持つ子はいます。
その芽を、環境のせいで諦めさせてしまわないための場所。
それが、田舎の小さな塾です。
「できる子・いい子」こそ、逃げ場を必要としている
これまで、教育界では「ついていけない子の支援」が重視され、少しずつ整備されてきました。
それはとても大切なことです。
一方で、「できる子」は放っておいても大丈夫、とされがちでした。
けれど実際には、できる子ほどストレスを感じています。
加えて「いい子」は、なおのこと我慢してしまいがちです。
周囲に合わせる。
⇒「みんな勉強しとらんし・・」
浮かないように振る舞う。
⇒「勉強すると、ちょっかい出されるし・・」
期待に応え続ける。
⇒「進学したいとか言えんし・・」
そうした負荷から、静かに逃げられる場所が必要なのです。
「できる子・いい子の逃げ場」も、教育インフラの一部として欠かせません。
避難所は役割しだい、地域全体で一つのチーム
子どもたちの避難所は、塾に限らず、その場所に応じた役割を持っています。
塾。
図書館。
地域クラブ。
仲間が集まる個人商店。
家庭や学校に、すべてを背負わせる時代ではありません。
どちらもキャパシティには限界があります。
役割を分け、地域全体で子どもを支える。
そうした発想が、これからはより大切になります。
結び|避難所の存在が、地域の子供たちを救う
田舎の小さな塾は、誰にとっても必要な場所ではないかもしれません。
けれど、必要としている子が、確実にいます。
その子が、安心して学び、将来の扉を開く場所があるかどうか。
それは、地域の価値を大きく左右します。
実際の防災と同じように、
「避難所」の整備を怠っている地域は、
安心安全の責務を果たしているとは言えません。
たとえ田舎でも、
学びたい子の「避難所」「隠れ家」がある。
「学びたい」を諦めさせない。
それが、声を上げられない子を救える、
未来に責任を果たす地域の姿です。
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おススメ記事:進学における、田舎の最大のネックは「通学」でしょう。都市から遠い地域では、「通学できるか」「授業に間に合うか」を事前にチェックしておかないと、入学後に大変な目に遭ってしまいます。ぜひ志望校選びの前に、確認しておきましょう。
おススメ記事:田舎は入試模擬試験(模試)の受験機会も限られます。それでも熊本県域全体で模試は実施されていますので、お住まいの地域で受験できるか探してみてはいかがでしょうか。
おまけ
勉強する様が、なんとなーく「ダサい」「見られたくない」「恥ずかしい」という"空気"、ありませんか?田舎に限らず、思春期は特にそうかもしれません。周りが茶化してくるなら、なおのことです。そのような空気で勉強に励むというのは、辛いですよね。
学力低下に悩む地域があるとすれば、カリキュラム以外にも、そのような全体の"空気"が少なからず影響しているかもしれません。まあ邪推ですが。
