折れた鍬から始まった、集落の寺子屋づくり【五島列島・振り返り日記】(2024年・夏)
長崎県五島列島・福江島(ふくえじま)に移住して数か月が経った頃のこと。
ひょんなことから、地域の方に集落の空き家を紹介していただく機会がありました。
その頃の自分は、「この空き家を、何か地域のために活用できたらいいなぁ。」とをぼんやり考えながら、家庭菜園スペースで土を掘り起こしていました。
使っていたのは、集落に残されていた古い鍬(くわ)と鋤(すき)。

まずは家庭菜園を整えてみようと、土を耕すところから始めることにしたのでした。
ところが、実際に掘ってみると、土の中から思った以上に石がごろごろ。

なかなか作業は進まず、ある日、力を入れて掘り続けていたら…ついに鍬と鋤が折れてしまいました。
「さて、どうしようかなぁ。」と手を止めて考えていたら、近所の方がふらりと立ち寄ってくれたので、世間話をすることになりました。
そこでは、特別な相談をしたわけでもなく、ただ立ち話をしていただけでした。
そこに、地域の子どもたちが、偶然通りかかって、その立ち話の様子を見て、やってきました。
「あ、畑やってるの?」「水やりしたい!」「種を植えてみたい!」と声をかけてくれて、突然、畑での関わりが始まったのでした。

最初は、ただ土を耕していただけで、気づいたら、人とのつながりが生まれたように感じたのでした。
そして、子どもたちから「また来たい」という声をもらうようになっていきました。
「それなら、この場所を子どもたちが集まれる場所にできるかもしれない。」と考えるようになっていくのでした。

そこから、集落の空き家を手直ししながら活用していく流れが始まっていきました。
今振り返ってみると、偶然なのか、必然なのか。すべての始まりは、畑で折れた一本の鍬だったのかもしれません。
そんな不思議なご縁から、ここから、のちに「寺子屋」と呼ぶことになる取り組みへとつながっていくのでした。
