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【チェコ①】お邪魔しました、ネコのブルワリー

※今回載せている写真は、夜間・室内での撮影になりますが、どれも適切な設定ができておらず、見づらいものになっていることを最初にお断りしておきます。

今まで気ままな一人旅を好んでしてきた私でも、誰かと一緒がいいな、と思う瞬間がある。
それが、夕食どきである。

もともと一人で外食するのは得意ではなかったけれど、新卒で営業職に就いてから出先で食事する機会が増え、得手不得手よりも食べられるときに何かお腹に入れておかないと体が持たない、という状況になった。
最初のうちは、会社を出るときにコンビニでサンドイッチなどを買い、営業先近くの公園や河川敷でササッと済ませていた。
でも、毎回都合良く座れるような場所があるわけではなく、井之頭五郎よろしく食への情熱を燃やしてお店を開拓する気力も財力もない(五郎さんはいつも大量に召し上がっているけれど、胃も懐具合も気にする様子がないのが羨ましい)。
仕方なく、お財布と相談&一見さんでも入りやすそうな食事処の扉を恐る恐る叩いていた。

そんな状態を長いこと続けてきたので、ぼっちご飯をすることに対して、ある程度の適応免疫ができた。
ただし、この免疫、夕食にはほとんど効力を示さない。
日中の食事では、平静を装う程度には取り繕えるようになったものの、辺りが暗くなり仕事モードから解放されワイワイやっている人たちの中で一人メシを貫くには、私の心臓はまだまだおこちゃま・小動物並みにドクドク心拍数が上がってしまう。
だから、一人旅でのディナーは、大抵の場合何かを買ってきてホテルの部屋で取っていた。
それがとうとう、自ら殻を破らなくてはならない事態が発生(大袈裟)。

チェコ・プラハには、猫だらけのレストランがあると知り、チェコに行くなら絶対そこは外せない!と、行程に組み込むことにした。
その名も『ウ・ドゥヴォ・コチェク(2匹の猫)』という老舗のブルワリー(ビール醸造所にレストランが併設されている施設)。
私、そんなにビールを飲みたいとは思っていないのだけれど、世界で最も1人当たりの年間消費量が多いチェコ、しかもブルワリーと銘打っているお店において、ビールを頼まないわけにはいかないような(勝手な思い込み)?
それに、夜からの営業だろうから、夕食で行くことになるんだろうな、私、一人で入れるかしら?と、弱気になる。
でもここで行かなかったらずっと後悔しそう、と気持ちを奮い立たせ、夜のプラハで道に迷いながら、2匹の猫に辿り着いた。

お店は、入口もドアも壁も、猫さんがいっぱい!
入る前からバシバシ撮影してしまい、ガラス張りの店内から、あの子は何?みたいに見られてしまったので、思わず背中を丸めて小さくなる。

店名となっている2匹の猫さんが描かれた電飾看板。1678年創業!
左右にメニューが、中央にビールの種類が記載されている。Pivovarとは、ブルワリーのことらしい。猫さんの毛色から、白・ハーフ・黒のビールがあることが分かる(こういう記載も猫好きにはたまらない~!)。
暗くて見えにくいけれど、入口の木扉の左には黒猫さんが、右には店名の2匹の猫さんが描かれている
入口の左上の壁にはシルバータビーの猫さん
右上の壁には口元だけ白い黒猫さん

私は予約も何もしておらず、飛び込みで入ったのだけれど、後からどんどん人が増えて席が埋まったため、ラッキーだった。
あまり愛想の良くない若い男性店員さんがオーダーを取りに来てくれたので、黒ビールと、スマジェニー・スィール(スマジャークとも呼ばれる、厚切りチーズにパン粉をつけて揚げたチェコの伝統料理で、タルタルソースをつけて食べるのが一般的らしく、フライドポテトが添えられていることが多いようだ)を注文する。

黒ビールとスマジェニー・スィール。お皿の左下のほうにチーズがとろ~り溶け出てきているの、分かりますでしょうか?

その際、私は意を決して、
「店内を撮影してもいいですか?」
と男性に尋ねてみた。
ああ、どうぞ、と早口で返され(忙しいんだから邪魔するなといった感じ)、何か済みません、とオドオドしながら、そそくさと店内の猫さんたちを撮り歩く。
本当は立ち止まって鑑賞しながら丁寧に撮影したかったのだけれど、お客さんからも店員さんからも容赦なく視線を向けられ、美術館で撮影NGなものを撮って逃げていくような気分。
撮影の許可はもらっているものの、ほかのお客さんからすればゆっくりお食事したいところ、邪魔してゴメンナサイ。

店内の壁に描かれた、顔だけ出して様子をうかがっている猫さん

この写真とかもう、どれが猫?って感じ……。ライトの上の天井に、人の右側から顔を出している猫さんが描かれている。
カウンターのオブジェ?の左右にも、それぞれ猫さんが乗っかっていた


そしてビールとお料理が運ばれてきたとき、敷いてくれた紙のランチョンマットにも、2匹の猫さんが!
実は、こちらを訪れたことがある旅行者さんの口コミに、「ランチョンマットが欲しいと言ったらくれた」とか、「猫グッズを売っている」という記載があったので、私はここでも勇気を出す。
「あの~、このランチョンマット、1枚いただけますか?」
男性店員さんはちょっと面倒くさそうな顔をしつつ、OK、と言って立ち去ったのち、くるっと丸めて輪ゴムで止めたランチョンマットを持ってきてくれた。

こちらが男性店員さんからいただいた紙のランチョンマット

不機嫌そうだったけれど、ありがとう、お兄さん!
これで気を良くしたわけではなかったけれど、私はもう1つの口コミにあった、猫グッズについても聞いてみようと思ってしまった。
「あの~、ほかに猫の……」
グッズって、正しい英会話では何て言うんだっけ?と言葉を探していたら、男性店員さんは私が言い終わるのを待たずに
「NO!」
と怖い顔つきで言い放ち、離れて行ってしまった。
いや、ほかにも何かをくださいって言いたかったわけではないの~!
グッズがあるかどうかを聞きたかった(そしてあるのであれば買いたかった)の~!
男性店員さんの剣幕に私はシュンとしてしまい、それ以上尋ねようとはせず、黙々と食事をし、すごすごと退出した。
接客中に面倒をお掛けして済みませんでした……。

当時のことを振り返ると、迷惑な日本人(アジア人)だったよなぁ、といまだに恐縮してしまう。
そして、ブルワリー=夜のみ営業、と思い込んでいたけれど、昼間からやっていたことを知り、それならランチで出向いたのに、とちょっと凹む。
猫グッズも、あったのかしら?買えたのかしら?とか考え出しちゃったら、更に落ち込む。
店員さんにもほかのお客さんにもお邪魔な行為だったと思うので、本当に申し訳ないという気持ちを抱きつつ、敢えて言わせていただけるのであれば、猫さんのお陰で、海外のレストランで一人夕食・加えてぼっち飲み、頑張れた!
これからは単独ディナーでも平静を装える……までには、まだまだキャパが足りないようです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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