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特許法 発明の課題と進歩性判断(高石先生チャンネル視聴後メモ)

 「弁護士高石秀樹の特許チャンネル」で参考になる動画を発見しました。
 忘備録的に気になったこと等を記載します。

 動画名称は、”【特許】+本件発明の課題が、何故、進歩性判断に影響するのか?(特許法29条2項、容易想到性、動機付け、阻害事由、引用発明)”です。最下部にYoutubeへのリンク張っておきます。


(1)本願発明で公知課題を設定した場合、進歩性は否定されやすい。

 公知課題を設定すると、同じ課題を有する先行技術文献が多くあると思われます。したがって、同じ課題を有する先行技術文献が多ければ多いほど、進歩性は否定されやすくなると考えられます。
(なお、発明が、先行技術文献の開示内容と完全同一の場合は新規性がありません。新規性なしの場合は、進歩性も否定されます)

 少し掘り下げると、主引用発明(A)に副引用発明(B)を適用したとすれば、請求項に係る発明(A+B)に到達し、主引用発明(A)に副引用発明(B)を適用する「動機づけ」があれば、進歩性なしとされます。
 主引用発明(A)の課題解決のために、主引用発明に対し、主引用発明に関連する技術分野の技術手段を使ってみることは、普通に行われます(当業者の通常の創作能力の範囲であり、技術分野の関連性あり)。
 ここで、「主引用発明に関連する技術分野の技術手段」というのが、主引用発明に組み合わせる副引用発明です。主引用発明と「課題が共通」した副引用発明や、主引用発明と「作用、機能が共通」した副引用発明があれば、主引用発明と副引用発明を組み合わせて考えることは容易とされます。


(2)引例1+引例2=本願発明となる場合、本願発明に構成が近い(課題がやや遠い)引例1よりも、本願に課題が近い(構成はやや遠い)引例2を主引例としたほうが進歩性は否定されやすい。

 引例1、引例2の一方が主引用発明で、他方が副引用発明です。言い換えると、主引用発明の課題が本願から遠いほど、進歩性は否定されにくい(進歩性が認められやすい)ということです。

 具体例ですが、何かをやろうとした際、過去に同じことをやっていないかを調べることがあると思います。そして、調べてみると、同じことをやろうとした前例(課題が同じ前例)はあったけれども、具体的なやり方は少し違ったとします。この場合、自分自身が知っている他の技術を使って、その「少し違った」部分を埋めるはずです。このようにしてやりたかった「何か」ができた場合は、進歩性がありません。

 一方、過去に同じことをやっていないかを調べたところ、同じことをやろうとしたことが「なかった」が、同じような技術分野での他の前例(課題が異なる前例)があったとします。この場合、同じような技術分野での他の前例を、やろうとしていることに使う確率がどれくらいか、ということです。この場合、具体的な確率までは分かりませんが、少なくとも、前例(課題が同じ前例)よりも、他の前例(課題が異なる前例)の方が確率は低いはずです。これが、主引例として課題がやや遠い引例を主引例にすると、進歩性が否定されにくい理由です。

 このような流れから、無効調査では、1個の先行文献で無効にできるのが最も良いです(新規性なしで無効のパターン)。しかし、複数の文献を使わざるを得ない場合は、なるべく対象特許と課題が同じ文献を集めるべきといえますね。


(3)課題を上位概念にするとサポート要件を満たしやすい。一方、課題を上位概念にすると進歩性は否定されやすい。

 課題とサポート要件との関係については考えたことがありませんでしたが、確かにこの通りだと思います。


(4)要検討事項
 紹介されていた2個の判例について確認する。
  平成27年(行ケ)10059号「農産物の選別装置」事件
  平成28年(行ケ)10079号「タイヤ」事件


●今回見た高石先生の動画 
 https://www.youtube.com/watch?v=jIR0ckvmv3c
 (【特許】+本件発明の課題が、何故、進歩性判断に影響するのか?(特許法29条2項、容易想到性、動機付け、阻害事由、引用発明))

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