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特許法 「特許に抵触する」は正確な表現ではない

 時々、他社の「特許に抵触する」という表現が見られます。

コトバンクさんの情報によると、他社の「特許に抵触する」という表現は正しそうにも思えます。

[名](スル)
触れること。衝突すること。転じて、物事が相互に矛盾すること。「新説は従来の主張に―するものではない」
2ある行為が法律や規則に反すること。「道路交通法に―する」
https://kotobank.jp/word/%E6%8A%B5%E8%A7%A6-574334

しかし、この「抵触」という表現は、特許法上は正確な表現ではありません。

特許法上の「抵触」は、①2個の権利が同一の対象に対して重複して成立しており、②一方の権利内容を実施すると、他方の権利内容を実施することになる、状態のことです。

2つの特許権が「適法に」抵触することはありません。特許権との適法な抵触が起こるのは、別法域の権利(例えば、意匠権)です。

良く言われるのが、あるデザインの意匠権がある場合において、同じデザインを用いる特許権がある場合です。この場合、意匠権者が自らの登録意匠を実施すれば特許権の侵害になりますし、特許権者が自らの特許発明を実施すると意匠権の侵害になります。このように、両者が正当な権利を有していることを前提として、その権利を実施すると、他社の権利を実施してしまう関係が、特許権における「抵触」です。

 したがって、「特許に抵触する」は正確な表現ではありません。
この表現は、「特許権侵害を指摘される可能性がある」とかにしてほしいところです。。。

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