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著作権法 判例 家庭用学習教材事件(平成14年(ワ)15570号) 差止の利益を否定

 本件では、仮処分決定を受けた後、直ちに販売を中止したこと等を理由として、差止請求を否定しています。

8 争点(4)(差止めの必要性の有無)について
  (1) 証拠(甲22,72ないし78)及び弁論の全趣旨によれば,本件教材12-1は,本件教材2-3の旧版であり,昭和61年から平成3年まで出版されていたものであって,その後は出版されていないものであること,本件教材13-1ないし3は,本件教材14-1ないし3の旧版であり,平成3年まで出版されていたものであって,その後は出版されていないことが認められる。そうすると,本件教材12-1及び13-1ないし3の印刷,出版等により原告らの著作権又は著作者人格権が侵害されるおそれがあるとはいえない。
   よって,本件教材12-1及び13-1ないし3の印刷,出版等の差止めを求める部分については,差止めの必要性がない
(2) 証拠(乙2,4)に弁論の全趣旨を総合すれば,本件訴訟に先立つ仮処分決定において,被告に対し,本件各著作物を掲載した教材の出版等の差止めが命じられたため,本件各教材の印刷を中止し,その販売を中止したこと,被告は,平成15年1月,取次店の仕入れ担当者及び注文品出荷窓口担当者に対し,著作権問題に伴う「出荷止め書籍一覧(著作権)」と題する書面を送付し,本件教材1-1ないし5,2-1ないし4,3-1ないし4,6-1ないし3,7-1及び2,9-1,10-1を絶版にしたことを告知し,被告の2003年小学用注文書には上記の本件各教材が掲載されていないこと,被告が取次店に送付した上記「出荷止め書籍一覧(著作権)」と題する書面には,本件教材5-1ないし3,8-1ないし3,14-1ないし3を改訂中であることが記載され,改訂後の上記各教材には,本件各著作物が掲載されていないこと,被告はそれ以後引用文を用いたすべての国語教材の出版を中止し,今後も出版しないつもりであること,被告は,平成15年1月以降,残存していた本件各教材を廃棄し,その後も返品された本件各教材を廃棄していること,以上の事実が認められる。
  訴訟提起後著作権及び著作者人格権の侵害行為を中止したことの一事をもって差止めの必要性が消滅することはないが,著作権及び著作者人格権を侵害する本件各教材を絶版とし,又は侵害部分を掲載しない改訂版を新たに出版している本件においては,現時点(本件口頭弁論終結時)において,被告が本件各教材を印刷,出版するなどして複製し,販売するなどして譲渡していることを認めるに足りず,今後も上記行為を行うおそれがあるとはいえない。よって,被告が現時点において原告らの著作権又は著作者人格権を侵害し,侵害するおそれがあるとはいえない。

https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/290/010290_hanrei.pdf

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