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著作権法 判例 平成26(ワ)24391号 著作権フリーの画像を商用使用した結果、損害賠償請求が認められた例

 著作権フリーサイトから入手した写真を商用使用したところ、損害賠償請求が認められた例です。

 本判例から学べるのは、

画像に識別情報がなく、誰の著作物か不明な画像・素材は、他人の著作権を侵害する可能性があるので、使用すべきではない

ということです。識別情報と言うのは、画像等に付された著作権者が誰かを示す情報のことです。

 商用使用した側は、著作権フリーサイトから取得した画像は、著作権フリーだと信じていたのでしょうが、その主張は認められませんでした。

この点,被告は,フリーサイトから写真等を入手する際に,識別情報のない著作物についてまで権利関係の調査を要するとすれば,表現の自由(憲法21条)が害されるとし,警告を受けて削除すれば足りるかのような主張をする。
しかし,仮に,Eが本件写真をフリーサイトから入手したものだとしても,識別情報や権利関係の不明な著作物の利用を控えるべきことは,著作権等を侵害する可能性がある以上当然であるし,警告を受けて削除しただけで,直ちに責任を免れると解すべき理由もない。被告の上記主張は,いずれも独自の見解に基づくものであって,採用することができない。

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail7?id=85082

 この判例で怖いのは、著作権侵害者の故意・過失の認定において、著作権侵害者の経歴が考慮されたことです。

 具体的には、以下のように、著作権侵害者は、ホームページの作成を行う会社の経営者であるようです。また、会社設立後4年程度は経過していたようです。このような経歴が考慮されて、本判例では「本件各写真の著作権等の侵害につき,単なる過失にとどまらず,少なくとも未必の故意があったと認めるのが相当」とされています。

イ Eがどのような手段により本件各写真にアクセスしたのかは明らかでないが,証拠(乙2,24)及び弁論の全趣旨によれば,Eは,ホームページを作成する会社に勤務してホームページ作成技術を学んだ後,平成20年に独立してホームページの作成を業務として行うようになり,平成21年にコンピューターシステムの設計,開発及び販売のほか,インターネットのホームページの作成,企画,立案及び運営などを目的とする株式会社オプティクリエイションを設立して,平成24年まで同社の事業としてホームページの作成業務を行っていたところ,同年10月からは,弁護士法人である被告の従業員として被告ウェブサイトの作成業務を担当していたことが認められるから,このようなEの経歴及び立場に照らせば,Eは,本件掲載行為によって著作権等の侵害を惹起する可能性があることを十分認識しながら,あえて本件各写真を複製し,これを送信可能化し,その際,著作者の氏名を表示しなかったものと推認するのが相当であって,本件各写真の著作権等の侵害につき,単なる過失にとどまらず,少なくとも未必の故意があったと認めるのが相当というべきである。

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail7?id=85082

 つまり、著作権フリーサイトから取得した素材なので、安全と言い切ることはできません。

また、著作権フリーサイトから取得した素材でも、フリーの範囲を確認しておく必要があります。具体的には、商用でもフリーかという点が大切です。念のため、商用でもフリーであるかを、サイト運営者に確認しておいた方が安全です。

 また、画像の識別情報が入っていることは、必ず確認すべきと思われます。

 このため、有料の素材を、正規の料金を支払って使った方が、素材の質という点から考えても安全と思われます。

 なお、2021年12月には、法務省サイトでのイラストの無断使用が問題になりました。報道された情報から判断すると、有料素材の見本を法務省サイトで使用したようです。

問題となったページでは、法務省民事局が離婚に関する情報をまとめている。親子を描いたイラスト2点が使われていたが、作成したイラストレーターが7日、使用方法をツイッターで疑問視すると大きな注目を集めた。
イラストは、デジタル素材売買サイト「Adobe Stock(アドビストック)」などで販売されていたが、法務省が使用したイラストにはアドビ社のものとみられる透かし(ウォーターマーク)が確認できる。透かしは見本画像に入っており、購入すると透かしが消えたイラストをダウンロードできる

https://www.j-cast.com/2021/12/08426568.html?p=all

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