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固有の性質・機能で請求項を限定しても減縮にはなりません

 ある構成が有する固有の性質・固有の機能で特許請求の範囲(請求項)を限定しても、特許請求の範囲(請求項)の減縮にはなりません。

このことは、特許審査基準 第III部第2章第4節2.1.1 にも次の例を使って説明されています。

例1:抗癌性を有する化合物X
(説明) 抗癌性が特定の化合物Xの固有の性質であるとすると、「抗癌性を有する」という記載は、物を特定するのに役に立っていない。したがって、化合物Xが抗癌性を有することが知られていたか否かにかかわらず、審査官は、例1の記載が「化合物X」そのものを意味しているものと認定する。

例2:高周波数信号をカットし、低周波数信号を通過させるRC積分回路
(説明) 「高周波数信号をカットし、低周波数信号を通過させる」点は、「RC積分回路」が固有に有する機能である。したがって、審査官は、例2の記載が一般的な「RC積分回路」を意味しているものと認定する。 しかし、「・・Hz以上の高周波数信号をカットし、・・Hz以下の低周波数信号を通過させるRC積分回路」という請求項の場合は、一般的な「RC積分回路」が固有に有する機能による特定ではない。この場合には、この請求項の記載は、物を特定するのに役立っており、「一般的なRC積分回路のうち特定の周波数特性を有するもの」を意味しているものとして、請求項に係る発明を認定する。

 この審査基準と同じ趣旨の判決の解説記事を見つけました。

創英国際特許法律事務所「知財判決ダイジェスト」 特許 令和3年(行ケ)第10090号「噴射製品および噴射方法」(知的財産高等裁判所 令和4年8月4日) です。

 判決文のポイントと思われる部分は以下の通りです。

 そうすると、訂正事項1及び2により加えられた「粘膜への刺激が低減された」又は「粘膜への刺激を低減する」という作用に係る記載事項は、本件訂正前の請求項1及び3の上記各構成によって奏される作用効果を記載したにすぎないものであるから、訂正事項1及び2は、本件訂正前の請求項1及び3の各発明に係る特許請求の範囲を狭くしたものと認めることはできない。

 基本的には、特許審査基準 第III部第2章第4節2.1.1 と同じ趣旨のことが述べられています。

 見方を変えると、請求項を、ある構成が有する固有の性質・固有の機能「以外」で減縮した場合は、限定的減縮になるはずです。

●参考情報
審査基準 第III部第2章第4節2.1.1
創英国際特許法律事務所「知財判決ダイジェスト」 特許 令和3年(行ケ)第10090号「噴射製品および噴射方法」(知的財産高等裁判所 令和4年8月4日)
令和3年(行ケ)10090 判決文 

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