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意匠法40条 過失の推定

 意匠権等の侵害がなされた場合、損害賠償請求の前提として、侵害者の故意や過失が必要です(民法709条)。しかし、侵害者の故意や過失を証明することは困難です。この困難さのために損害賠償請求が出来なくなると権利者に過酷ですし、侵害を助長することにも繋がります。したがって、本条の過失推定の規定が設けられています。

 あくまで、過失の「推定」で、過失の「擬制」ではありません。このため、無過失である証拠がある場合には、本条の推定は覆ります。

 また、秘密期間中の秘密意匠には、本条の適用がありません。このため、秘密意匠の場合は、権利者が、侵害者の故意や過失します。秘密意匠の内容は一般に公開されないため、本条を適用して、過失推定するのは酷だからです。ただし、秘密期間中、かつ、警告前の侵害であっても、権利者の立証により故意、過失が認定される場合もあります。

 なお、差止請求や不当利得返還請求には、侵害者の故意や過失が不要です。


・意匠法40条

(過失の推定)
第四十条 他人の意匠権又は専用実施権を侵害した者は、その侵害の行為について過失があつたものと推定する。ただし、第十四条第一項の規定により秘密にすることを請求した意匠に係る意匠権又は専用実施権の侵害については、この限りでない。


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