著作権法26条の3 貸与権(著作権者の貸与権)
貸与権は、頒布権の認められる映画著作物以外の著作物を複製物により公衆に貸与する権利です。なお、映画著作物には頒布権が認められていますので、貸与権はありません。
貸与というのは、民法上、有償無償を問わず有体物の占有を引渡し、借主が目的物を使用又は収益した後に貸主に返還する行為のことです。最も有名なのが、音楽CDのレンタルと思います。貸与には、買戻特約付譲渡等が含まれます。
貸与権には、著作権者の貸与権(著26条の3)、実演家の貸与権(著95条の3)、レコード製作者の貸与権(著97条の3)の3個があります。単に「貸与権」と言った場合には、著作権者の貸与権(著26条の3)の意味であることが多いといえます
譲渡権(著26条の2)では、原作品と複製物が権利の対象(規制対象)となりますが、著作権者の貸与権では複製物のみが権利の対象となります。つまり、原作品を貸与する場合には、著作権者の貸与権は及びません(適法に原作品を貸与できます)。
また、貸与権は、適法に権利者によって流通過程に置かれた複製物であっても、その複製物を公衆に貸与する場合には、権利が及びます。つまり、貸与権は、適法な譲渡で消尽することはありません。
・著作権法26条の3 貸与権
(貸与権)
第二十六条の三 著作者は、その著作物(映画の著作物を除く。)をその複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を除く。)の貸与により公衆に提供する権利を専有する。
●参考文献
・高林龍(著)『標準 著作権法 第4版』(有斐閣,2019)
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