商標法 商品と包装の分離・小分け(2)
1.商標機能論と小分け
商品が転々と流通する過程における商標権侵害の考え方として、商標機能論があります。
商標機能論は、対象物に特に変更を加える行為がなされない限り、権利者は、その譲受人が対象となるものを転々譲渡する行為商標権を侵害することはなく、商標権を行使することができないとします。
これは、商標機能論は、商標の機能が害されないのであれば、文理解釈上は商標権侵害であっても、実質的には商標権侵害ではない(実質的違法性が無い)と考えるからです。商標機能論での商標の機能とは、自他商品等識別機能、出所表示機能、品質保証機能、です。
この商標機能論の立場から考えると、大きな箱や大きな缶に入った真正品(商標Aが付されている)を小分け販売する際に、小分け品に商標Aを勝手に付しても商標権侵害とはならない場合があります。つまり、昭和51(ヨ)2469とは逆の結論になりえます。
2.人形と人形が入っている箱
この小分けの論点に関連する製品として、LOLサプライズさんの人形があると思われましたので、開封動画を確認しました。
この玩具は、①箱を何段階かに分けて開けることで人形が出てくること、②箱が人形を飾る台等になる場合があることから、箱と人形とは一体不可分の商品といえそうです。言い換えれば、人形や箱に入っている物のそれぞれの全てが商品の一部であり、人形や箱に入っている物の全てが一体不可分の商品と捉えることができると思います。
商品は中古販売されることもあります。この中古販売は、①人形と箱のセットでされる場合と、②人形だけ又は箱だけでなされる場合が考えられます。
そこで、仮に、人形だけに商標「LOL」を付して販売した場合、商標権侵害になりうるかを考えてみました。
たしかに、商標を商標権者に無断で付すると商標権侵害になりえます(商標法2条3項)。
しかし、元の商品が真正品であれば、経年劣化が生じた中古品であっても、①商品全体は勿論真正品ですし、②商品の部品でも部品独自の価値があれば真正品として取り扱える場合もあると思われます。
例えば、自動車(全体)と、自動車のドア(部品)です。これらは、完成品メーカーの商標が何らかの形で付されていますが(商標的使用でない場合もある)、直ちに、商標権侵害と断ずるのは難しいと思いました。
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