民進党支持者を卒業した話ーー台湾大規模リコール
自己紹介及び前言
皆様こんにちは、エセ台湾人です。
台湾の日台ハーフで、個人的に台湾の政治は昔からとても興味があります。
ところで、皆さんはどれほど台湾の政治がおわかりでしょうか?
おそらくいちばん印象深いのが、蔡英文さんでしょう。台湾で初めて女性大統領になった方です。2024年に任期を終え、その後任者として頼清徳氏が当選しました。しかし、議会の選挙は思い通りには行きませんでした。
台湾の議会(日本の衆議院なる所)は野党の国民党+民衆党が過半数をとり、そのため、国民党がなにか法案を議会で通すにつれ、民進党支持者が抗議に出ました(個人的にかなり意味がわからないのですが)、それが去年の青鳥運動です。詳細は省きますが、この社会運動が今回の大規模リコールの起点となりました。
その後、2024年年末ごろから、予算案会議が開かれました。その場において、国民党と民衆党は予算案を去年から減らす事に。公共テレビや、文化幣といわれる、若者へに配られる商品券みたいなものの予算を減らすことに。その減らした量はなんと総予算の1%。つまり減らしても大して変わらないのでは?な量を減らしました。これもまああまり意味がわかりません。おそらく民進党の予算案に反対したいだけでしょう。 ネットの焚き付けも相まり、この予算案は民進党の反対を招きました。この頃から、その予算案を提出した議員をリコールしよう!と言うムーブが始まりました。
前言はだいたいこの辺りです。まあこれだけ聞くとだいぶバカバカしいのですが、2025春に差し掛かるに連れ、どんどんヤバく(面白く)なっていきます。
なんせ台湾のコメディアンは:「台湾最大のコメディアンは我々ではなく、政治家である」と言いましたからね。参考に予算案会議の様子のビデオを御覧ください。大体いつもこんな感じです。
大規模リコールの始まり。その前にリコールの仕組みを説明
大体2025の春から大規模リコールの声が高まりましたが、その前に台湾のリコールの仕組みを説明しましょう。リコールは三段階に別れています。
まずその区域有権者の1%が提議書を提出します。
その後、大衆が賛同書を提出する
最後に投票。
という感じです。今回の議員リコール、今回、31名の国民党議員が第二段階とっぱ、選挙までたどり着いたという形です。
台湾だと、前に2020年頃に韓国瑜市長が当選後まもなく大統領選挙に出馬し怒られた挙げ句、圧倒的支持でリコールされました。
そのあとから、リコールという行動が台湾の民衆に根付いているのが見受けられますね。
青鳥運動と議会――すべての始まり
去年の春ころに青鳥運動が起こりました。前言の通りいわば民進党の支持者たちが起こした社会運動ですね。毎日議員前の青島東路という通りで抗議をし、拡散されやすいために島を鳥にして政治の検索避けを試みたという理由から名付けられました。
この頃の抗議の原因はブラックボックス、要するに国民党が何も相談せずに己の法案を通したと民進党主義者(以下:青鳥)は主張しました。
国民党および民衆党は、この法案で議会の権利を高めようとしました。端的に言えば、内閣は議会の尋問から逃げてはならない、出席するように。と増設しました。
民進党支持者の主張はこうでした。これは、国民党が議会の力を増やすための第一歩だと。
国民党は、これは改革のためだと言いました。(皮肉にも、長く改革を言い続けていたのは民進党です。)
私はもともとからかなりの民進党支持者です。台湾の高校生は3割から5割くらい政治立場があると個人的には感じてます。でも青鳥のやり方にはかなり違和感を感じました。議会がブラックボックス状態だという主張はあまりにも妄言です。国民党及び民衆党は、あくまで議会の順序を踏み、まず立案し、三回審議して法案を通しました。民進党の言う事を聞かず、全くおかしいことはしていない。と私は感じました。
さらに、それを通した法案もおかしくはありません。大統領及び内閣は問答に答えよ、議会の視察の権利を増やせという至極真っ当なことしか言ってないではありませんか。2014年頃の、貿易政策のような法案ならまだしも、議会による内閣への監督を高める、改革的な法案でなぜこんなにも青鳥はキレてんのか、、、、?と思いました。子どもが駄々をこねてる、という表現がしっくり来ますね。
そこから大体半年が経過。
青鳥運動は二週間すぐ落ち着きました。それから事あるごとに法案は通され、民進党は議会の代替案の「黨團協商」という、党の代表同士の討論でもマトモなことはあまり言えず、討論も通らず、国民党と民衆党は何個のも法案を通しました。例えば、中国人の配偶者が台湾国籍を取得できる時間を元の六年から四年まで短縮。などと、意味がわからない、何やっとんの的な法案をガシガシ立案して通らせました。
(補足で言いますと、中国人は台湾国籍を取得する際には国籍放棄も必要なく、70歳以上12未満の親族は半年住むだけで保険を使用できるのに対し;他の外国人は国籍放棄も必要な上、親族も台湾にすみに来れず保険も使用できない。外国人はデバフが多いから早めに台湾人になれるけど、中国人は仮想敵だしデバフもすくないから長めに観察とのことで割と個人的には公平だと思っていました。それが外国人の法律と平等にするとの理由で中国人はデバフが少ないまますぐ台湾人になれるように。)
青鳥運動から議会はほぼ戦いが増していきました。(戦いです。喧嘩。暴力。)豚の内臓の時より酷いと思いますし、そこから社会の分断化が広がった気もします。
予算案会議――大規模リコールが始まる。
リコール第二段階――様子がおかしい支持者。
これを書きたいがためにこの文章を書きましたが、このリコールが失敗した原因が詰まっていると思います。第二段階は、更に支持者が必要な段階で、一定数の民衆が連署書類を提出しリコールを第三段階、投票まで進める為の大事な段階なのです。ここで、問題は発生します。
思わず頭を抱える勧誘ポスト
2025の台湾で一番流行っているSNSはまさにthreads、threadsには大量の連署を促す文章が流れてきました。もちろん政治大好きな筆者のTLにも大量の連署ポストが。
しかし、一般のものとは違う、見たら目を疑うような文章がたくさんです。
私の記憶に一番深かったのはこちらです

このポストの翻訳は:「祖父の薬を隠した、祖父はとっても焦った。私は言った:おじいちゃんが薬を食べれなかったら死ぬのは全員の台湾人だよ」
他のポストは「私は祖父の心臓病の薬を隠した。祖父はとても焦った、そして私は言った:今おじいちゃんの気持ちは台湾人の今の気持ちと同じ。私たちはとても焦っているの、だからおじいちゃん、リコールの連署に参加して。そしたら薬も返してあげる」的な感じでした。
本当に は? って感じです。リコールのためにここまでするか?という気持ちが本当に隠せません。言葉を失いました。他にも類似したポストがたくさんありすぎてもうまとめ上げれません。似たようのが大量発生って感じでいいと思います。すごく頭痛いです。

次はこちらの画像を御覧ください
もうここら辺からもう個人的にはリコールに反対してました。もう頭おかしすぎて意味がわかりません。もはや「悪い議員を議会から外す」というよりかは「カルト」みたいになっていて、説得力もどんどん減っていってます。
ネット上の勧誘はもちろんですが、ローカルでの勧誘も凄かったです。
担任は銀行に行っただけで連署書を渡されたらしいです。
てな感じで、熱狂的なリコール勧誘はもちろん賛否両論を起こしました。もちろん追って説明しますが、ここから社会の分断化、および民主主義の危機が増長されていきます。
現れては行けない男ランキングNo.1、リコールキャンペーンに出現。
民主主義とは。
ここでお話ししたいのは、民主主義の危機です。
一般的に民主主義とは色んな意見を聞き、その中で多数の意見を受け入れながらも少数の意見も尊重する、が一番一般的かと思われます。
ですが、今回の大規模リコールキャンペーンでは、この民主主義の根幹が失われたと個人的に思っています。全ての場所での雰囲気が、リコールを支持しなかったら悪、中国に加担している、ということに一括りされてしまってました。
ですが、リコールを反対する人には、社会の分裂を恐れる人や、議員に満足している人、もしくはリコール団体に疑問を抱く人など、多種多様です。
私の知人に一人、リコールに反対するような文章をSNSに投稿した子がいました。その子は、別の人に引リツ的なことをされて、攻撃の対象にされました。果たしてこれは、民主主義の根幹、多様な意見を含む社会という価値に合っているのでしょうか?リコールに反対するのも、賛成するのも、民主主義ではありませんか?
これが一番大きな敗北点だと思います。リコール側の主張は最初から最後まで単調でした。国民党は売国奴、国民党に従ったら台湾はいずれ中国になる、そして我々に従わないものは国民党の加担者。しかし複雑な人々を一括りにするのはあまりにも無理矢理すぎると思いますし、暴力的だと思っています。もう少し、論理的な事柄を並べて説明しなければ、たくさんの人をリコールに賛成させることは至難の事柄だと思います。そして民主社会の中で大事だと思っているのが、他の意見を尊重すると言うことだと思います、ということをリコール団体もしくはその支持者はできていませんでした。もちろん、台湾が中国を受け入れることは良し悪しがあるでしょう。しかし、それもまた色んな意見で合って、それが多数になれば受け入れる他なりませんし、少数であっても、私の知人のような、引リツで攻撃されるような扱いを受けてはならないと思います。そのような理性を含まなかった経過、第二段階こそ、リコール失敗の最大の要因だと個人的に提唱しています。
「大罷免大失敗」――24議席すべてリコールできず。
7月26日、リコール当日。四時から開票が始まりました。開票の初め頃から大分不穏でした。台湾のメディアは明らかに政治的立場が分かれています。民進党を支持しているメディアは、だいたい開票時に民進党の票を多く見積もる傾向があるのですが、民進党メディアの全てが国民党の票が高く見積もられていました。つまり、大負けということです。いくら民進党メディアであっても、リコール側の票数を高く見積もることは不可能ということでした。
リコールは大失敗に終わりました。24議員の中全ての議員がリコールされず、国民党は7月投票の全26議席を掴んだと言うことです。
個人的にはヤバイ1、2人ぐらいリコールされるのかなとも思いましたが、やはり思いのままならず。さらには、去年の当選票数より、今回のリコール反対票が多いという議員も3人いました。
つまり、これほどリコール団体の影響力は低かった、もしくは悪い意味で高かったのかもしれません。
反省の色が全く見れないリコール団体。
リコール団体は、これらも台湾の民主主義の一環で、今回の失敗は失敗ではないとかぼやいています。どうみても大失敗。やはり支持率を落としたのはさまざまな広報、家庭内の分断を起こしたなど。人々を嫌な気持ちにさせた挙句罵詈雑言を撒いたことが一番大きい理由なんでしょうに、それらも反省してないとは
次回の選挙民進党終わったな
元民進党支持者としては。
本当に思うことが多すぎて、今回は国民党及び反対派の意見に賛成せざるを得ませんでした。大体こんな感じです。
リコールは資源の無駄遣い。←まっとうすぎる、7億元も使ってる。削られた予算もしかしてここで全部使った????
リコールは政治的手段ではない←同意。リコールは韓国瑜みたいな仕事してない市長用であって、とりあえずリコール!に利用されるべきではない。
リコールで家庭を壊すな←そう 台湾人の良いことは選挙が終わったらみんないつも通りになるんだけど、流石に今回はいつも通りじゃない。
社会を分断するな←圧倒的同意。今回のリコールで、社会の雰囲気があまりにも内戦状態に近かった。
今回のリコールは圧倒的に台湾国内にとっては悪影響しか与えなかったのですが、次の選挙では双方どのような暴挙に出るのか楽しみで仕方ありません。
個人的には国民党がリコールのために使っていた10,000ばら撒き政策が通ったのだけは、頼大統領の譲歩が見れて良かったと思っています。
