レンズ保護フィルターは必要?画質と安全の私の体験談
あのときの「ガリガリ、パリンッ」という音、今でも忘れられません。
雨上がりの公園で、カメラをショルダーストラップで斜めがけにして、レンタル自転車で走っていたときのこと。
ふいに傘の先が前タイヤのスポークに引っかかり、視界がぐるりと傾きました。
気づいたときには、私は地面を転がっていて、カメラのレンズがアスファルトに叩きつけられていました。
「終わった……」
すりむいて、流血している肘よりも先に、思ったのが、カメラは無事か!?
パックリ割れけたフード。散らばるガラスの破片。
高価なZeissの単焦点レンズのまわりに、無残な破片が散らばっているのをみて、血の気が引きました。
けれど、奇跡が起きました。
割れていたのは保護フィルターだけ。
衝撃を保護フィルターが吸収してくれたおかげで、レンズ本体は、まるで何事もなかったかのように無傷だったのです。
あの瞬間、私は初めて「保護フィルターのパワーってすごい」と心の底から思いました。
それまでは、保護フィルターなんて邪魔者だと思っていました。
素人がカメラ屋の店員に言いくるめられて、購入する無駄なモノだと・・
正直、画質を犠牲にするくらいなら付けたくない派です。
とくに私は、太陽の光条が入った写真が好きなんです。
単焦点レンズでf11くらいまで絞ると、光がキラッと伸びて美しい。
でも保護フィルターをつけると、光が乱反射して、余計なゴーストが出てしまう。
それがどうしても気になって、「できるだけ外して撮りたい」と思っていました。


けれど、自転車での転倒をきっかけに、その考えは少し変わりました。
あの保護フィルターが、私のレンズを救ってくれたのです。
それ以来、撮影シーンによって使い分けるようになりました。
普段のスナップや旅行など、持ち歩きが多いときは保護フィルターを装着
太陽を入れるようなシーン、強い光源があるときは面倒でも外す
そんな“現実的な使い分けスタイル”です。
正直、フィルターをつけると確かにわずかな光のにじみが出ることもあります。
でも、レンズを守る「安心感」は何にも代えがたい。
とくに高価なレンズを使っている人ほど、この感覚はわかるはずです。
いま思えば、保護フィルターは“安全装備”みたいなものなんですよね。
車でいえばシートベルトのような。
事故が起きないのが一番だけど、起きてからでは遅い。
「レンズ保護フィルターなんて必要?」と聞かれたら、
私はこう答えます。
普段は付けておく。
撮るときは外す。
どちらか一方じゃなく、使い分ければいい。
そのくらいの距離感が、ちょうどいいと思っています。
あの“パリンッ”という音がトラウマになった今では、
フィルターを外すとき、ほんの少しだけ緊張するようになりました。
でもそれは、もう一度あの奇跡を思い出すための小さな儀式なのかもしれません。
保護フィルターでも光学性能を極力キープできる製品もあります。ちょっとお高いですが。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
